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因果関係は?統合失調症治療薬「ゼプリオン」で17名死亡

 

 

統合失調症治療薬『ゼプリオン』、4ヶ月間で死亡例17例

 

ヤンセンファーマ社が2013年の11月から発売されている統合失調症治療薬『ゼプリオン』に関して、使用後に死亡例が17例(推定患者数は1万7百人。発症率約0.16%)相次いだことから、現在厚生労働省から医療機関へ使用に関する注意喚起が行われています。

 

死亡と薬の因果関係については未だ不明とされていますが、死亡原因に『心筋梗塞や肺塞栓』が挙げられていることから、以前から抗精神病薬の副作用として挙げられている『血栓による肺塞栓症』が原因ではないかという声も出ています。以下ではその詳細について見て行きたいと思います。


統合失調症治療薬『ゼプリオン』とは?


統合失調症は、以前は精神分裂病として知られていた精神疾患で、脳内の神経伝達物質の異常(ドパミン過剰分泌)によって、幻覚や妄想が起こる病気です。一般的に症状には幻覚・妄想が生じる『陽性症状』とうつ症状が生じる『陰性症状』がありますが、ドパミンが受容体である『D2受容体』を過剰に刺激すると、『陽性症状』が現れ、『5-HT2受容体』が刺激されると、『陰性症状』が現れます。


<パリペリドン製剤とは?>

『D2受容体(陽性症状)・5-HT2受容体(陰性症状)』の両方の受容体に対して阻害作用があるのが、パリペリドン製剤です。パリペリドン製剤は半減期が長く、体内で少しずつ薬の成分が溶け出すように徐放製剤化を施しています。種類としては、以前から発売されていたパリペリドン製剤【インヴェガ(1日1回投与の持続性薬剤)】と、4週に1回の投与(筋肉注射)で血中濃度が維持できるという高い持続性のある【ゼプリオン】があります。

 

ゼプリオンは、投与後少なくとも4カ月は体内に残っており、投薬中止を行っても直ちに薬物を体外に排除できないとされています。そのため、患者への慎重な観察と、異常があった場合にはすぐに受信することが勧告されています。

 

死亡事故の詳細について

情報開示が行われた、17例中11の死亡例は、30代から60代までの男性8例、女性3例で、死因は【肺塞栓(50代男性)、急性心筋梗塞(30代男性)、低体温(40代男性)、窒息(50代女性)】などが報告されています。投与開始から死亡までの期間は3日~43日までと幅があるようです。

 

<死亡に至る前兆が見られない>

報告された2例においては、


◆「明け方に本人が倒れているのを家族が発見した」(50代女性、投与3日後)
◆訪問看護師との応答していたものの、その2時間後に「呼吸をしていないのを家族が発見した(30代男性 投与14日後)

など、死亡に至る前兆の情報がほとんどなく、原因不明の突然死も報告されています。

 

<薬と死亡の因果関係は>
ヤンセンファーマ社によると、『ゼプリオン』は2009年以降、世界60か国以上で使用されているが、短期間に多数の死亡例が報告されたことはないと言われており、医師によると『日本人に遺伝特性的に合わない可能性』なども示唆されています。

 

⇒また、抗精神病薬全般において、肺塞栓症や静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されており、不動状態・長期臥床・肥満・脱水状態等】危険因子を有する患者への投与は注意が必要とされています。

 

◆抗精神病薬服用患者への臨床試験
海外で実施された認知症関連の精神病症状を有する高齢者を対象とした臨床試験で、非定型抗精神病薬服用群(リスペリドンなど)は、非服用群と比較して死亡率が1.6~1.7倍高かったとの報告があります。

 

最後に

現在でも上記の事故に関して、明確な原因は明らかにされていないようですが、専門家の意見ではおそらく『血栓による肺塞栓』が関与しているのではないかという意見があります。抗精神病薬全般に言えることですが、服用によって血栓症の危険性があるので、上記の危険因子【不動状態・長期臥床・肥満・脱水状態等】に関してはできる限り注意する必要があります。


(photoby://pixabay.com/ja/%E8%96%AC-%E4%B8%B8-%E4%B8%AD%E6%AF%92-14550/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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