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ガン・悪性腫瘍

『副作用なくがんを死滅』?!『低用量ナルトレキソン療法』とは

 

アルコール依存症治療薬を応用したがん治療 『低用量ナルトレキソン療法』


近年、がん治療の一環として注目されている療法に『低用量ナルトレキソン療法』というものがあります。この療法は、30年ほど前から海外では【麻薬中毒、アルコール依存症】などの治療薬として使用されてきたもので、化学療法や放射線治療のようにがん細胞を殺すことなく、がん細胞の増殖やアポトーシスのコントロールを目的としたもので、また従来より低用量とすることで副作用もなく、免疫力を高めるというメリットもあります。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

ナルトレキソンとは?


『ナルトレキソン』とは、オピオイド受容体の拮抗作用がある薬のことを指します。(※オピオイド・・・アヘン由来のアルカロイドであるモルヒネなどの麻薬関連物質)オピオイドがオピオイド受容体と結合することで、鎮痛作用や多幸感が発現します。麻薬やアルコール依存症の治療薬として使用されるナルトレキソンは、高用量で使用され(50~300mg、約24~72時間持続)、オピオイドの結合阻害作用によって、多幸感を減少させ常習性を抑制します。

 

一方、低用量1.5~4.5mg:高用量の10分の1以下)の使用では、持続時間が4~7時間程度であるため、その一時的な阻害状況の代償として、フィードバック機構が働き、内因性オピオイド(体内で産生されるオピオイド)とオピオイド受容体の産生が増大するということが起こります。内因性オピオイドには【がん抑制作用】があるため、これをがん治療に利用します。


内因性オピオイドとは?

 

内因性オピオイドは、上記のように、体の内部で分泌されるモルヒネ様作用のある物質のことですが、種類としては主に『エンドルフィンやエンケファリン』があります。それぞれの働きは以下になります。


<内因性オピオイド>

 

◆ベータ・エンドルフィンの主な働き⇒【鎮痛作用、多幸感(抗ストレス作用)、炎症改善(免疫増強)、がん細胞の血管新生抑制】
◆メチオニン・エンケファリンの主な働き⇒【がん細胞の増殖抑制】

 

ベータ・エンドルフィンの産生量は、低用量ナルトレキソン療法によって、2~3倍に増大、20~24時間持続すると言われています。

 

<腫瘍増殖抑制の機序とは?>

1)血流中のメトエンケファリン(副腎髄質で多量産生されるエンドルフィン)およびベータエンドルフィンの上昇を誘発する
2)腫瘍細胞膜上のオピオイド受容体の数・密度の増加を誘発することにより、既存濃度のエンドルフィンの増殖抑制効果に対する受容体の反応性を高めて、癌細胞のアポトーシス(細胞死)を起こす
3)エンドルフィンの濃度上昇に反応してナチュラルキラー(NK)細胞の数および活性、リンパ球活性化CD8細胞の数を増加させる。

 

ナルトレキソン療法の臨床試験について

 

2004年に行われた、ニューヨークのBernard Bihari医師による臨床試験の結果に関して以下のように報告されています。

 

◆低用量ナルトレキソン療法に関する臨床試験
【試験内容】標準的ながん治療(手術や抗がん剤、放射線治療)に反応しない450例のがん患者への『低用量ナルトレキソン療法』の実施。
【結果】60%以上の患者に対し有効であったという報告がある。

 

⇒その他、多発性硬化症やHIV患者への有効性が示されています。

 

最後に

 

『低用量ナルトレキソン療法』の利点としては、1)抗がん剤の副作用症状がない、2)免疫力を向上させる、3)がん標準療法と併用可能、4)その他代替療法(高濃度ビタミンC療法など)との併用可能、5)1日1錠の服用のみと非常に容易など様々です。効果に関しては非常に期待されていますが、実施している医院がまだ少数であるため、今後拡大されることが望まれています。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E8%96%AC-%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%B3%95-%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88-%E8%96%AC%E5%B1%80-%E5%8C%BB%E7%99%82-%E7%97%85%E6%B0%97-%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82-257389/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2016-07-27掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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