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健康診断・健康管理

鉄分の量が高すぎてもダメ?血清鉄量の増加からわかる病気やその検査

血液内に存在する鉄分は酸素と結合するために用いられ、鉄分が不足すると体内に酸素を十分に行き渡らせることができなくなります。

では、血中の鉄分の量、すなわち血清鉄量が多すぎるとどのような問題が起こるのでしょうか。

 

「血清鉄量が多い場合に疑われる病気」には以下のようなものがあります。

 

1.肝障害

肝障害とは、肝臓に関する病気の総称で以下のような肝臓の病気を総称して肝障害と呼んでいます。

・脂肪肝・アルコール性肝障害

・A型・B型・C型肝炎

・自己免疫性肝炎

・肝硬変

これら肝障害になるとどうして血清鉄量が増加するのかというと、肝臓内には大量の鉄が蓄えられており、肝障害によって肝臓の細胞が破壊されることで、鉄分が血液中に放出されるからなのです。

 

2.再生不良性貧血

貧血は血清鉄量が少ないときに起こると考えがちですが、貧血時に標準値よりも高い鉄分量を示す場合があります。このときの貧血を再生不良性貧血と呼びます。再生不良性貧血の特徴は、鉄分は十分にあるのに赤血球が少なくなっている点です。

骨髄のもつ赤血球の生産能力が低下してしまうので体内での鉄分の消費量が減少します。そのため、体内において鉄分を余剰に抱えてしまうこととなり血清鉄量が増加してしまうのです。

 

3.ヘモクロマトーシス

ヘモクロマトーシスは難病の一つで、鉄の代謝異常による疾患です。体内の鉄分量を適正に保つことができなくなることで、異常に増加してしまった鉄分が様々な臓器の細胞に過剰なまでに沈着してしまい、その結果として組織や細胞に傷害を与え、最終的には臓器機能不全に陥ってしまうという病気です。

 

鉄分は酸素を運搬する反面、過剰に多い場合は何らかの病気のサインであるか、または、過剰な鉄そのものが様々な臓器に悪影響をもたらすのです。

 

血清鉄の正常値と異常値から考えられる病気とは?鉄欠乏性貧血・肝炎…

血清鉄は鉄分が血液中に十分あるかどうかを確認するための健康診断の項目の一つです。一般的な定期健診でも行われますが、特定の病気の検査のために血清鉄を調べることもあります。

 

●血清鉄の基準値

血清鉄の基準値は男性で70-170μg/dL、女性で60-130μg/dL(施設によって異なる場合あり)となっており、男女に限らず基準値に大きな開きがあります。

 

ちなみに、時間帯によっても血清鉄量は変わることがわかっており、朝は夜の2倍程度の血清鉄があるのが一般的です。そのため、前回と検査結果に大きな違いがある場合は、まず検査の時間帯を考えてみるとよいでしょう。

 

また、女性の場合は月経期に入ると体内から血液も鉄分もある程度失われるので、数値が低く出ます。

 

●血清鉄が低い鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は血清鉄の検査値が低い場合にまず第一に考えられる病気で、患者数は日本国内だけでも1000万人はいると言われる病気です。

 

鉄欠乏性貧血では赤血球の中のヘモグロビンも少なくなっており、立ちくらみやだるさなどの症状もあります。人によっては日常生活に与える影響が多大になるケースも見られるので積極的に鉄分の摂取を行った方がよいです。

 

●血清鉄が高い肝炎

一方で血清鉄が高い病気には肝炎などがあります。

 

肝炎を始めとした肝障害では肝臓を形作っている細胞が破壊されます。すると、肝臓は正しい働きを失って、もともと肝臓内に持っていた鉄を血液中に出すので血清鉄の値も高くなるというわけです。

 

肝障害にはアルコール性肝障害、急性肝炎、慢性肝炎などがあります。

 

血清鉄は日内変動も見られる血液中の鉄分の値のことで、血清鉄が少なすぎると鉄欠乏性貧血などが、血清鉄が高いと肝炎などが疑われます。

 

その他、同じ貧血であっても鉄欠乏性貧血とは違って、再生不良貧血では血清鉄検査値が高くなります。

 

貧血が疑われる時はこの検査!検査前の注意点とは?血清鉄は日内変動が大きい

最近疲れやすくてだるい、立ちくらみやめまいがするという場合、貧血が疑われます。貧血の中でも特に多いのは鉄欠乏性貧血で、体内の鉄分が不足しているために起きる貧血です。

 

体内の鉄分は、血液検査の血清鉄の検査値によってわかります。

 

●日内変動の大きい血清鉄検査値

人間の体は24時間同じというわけではないので、さまざまな値において日内変動は見られます。例えば血圧であれば朝高く、夜低いといったような日内変動が多くの人の検査値からわかります。

 

血清鉄の場合も血圧と同じで、朝高く夜低い日内変動があるので検査時間によっては同じ人でもまったく違う検査値が出る可能性があります。一般的には朝10-12時くらいの間に血清鉄が最高潮を迎えるとされていますが、何時にピークになるかは個人によって違います。

 

検査したときの大体の時間を覚えていると便利です。

 

●血清鉄の値は性別、年齢でも違う

女性の場合月経があるので、月経期間は血清鉄がかなり低めになります。月経が来るとたちくらみがひどくなる方もいるかもしれません。それでなくとも1か月に1回の月経は体に負担が大きく、男性に比べると女性は平均的に血清鉄の値が低いです。

 

また、年齢を重ねると徐々に血清鉄の検査値が低くなることもわかっています。

 

●サプリメントは前日はお休み

普段から鉄のサプリメントを飲んでいる場合でも、正しい検査値を知るためには検査前日にはサプリメントは飲まない方が良いです。前日にサプリメントを飲んだせいで、一時的に血清鉄の検査値が高くなってしまう場合があります。

 

血清鉄は年齢によっても性別によっても、そして同じ人であっても1日の中で変動が大きい検査値となるのが一般的です。

 

毎回同じ時間に検査できればそれがベストですが、難しい場合は検査したときの時間を覚えて、血清鉄が多い朝なのかどうかを確認してみてください。

 

遺伝子異常によって赤血球の生成がうまくできなくなる貧血…サラセミアってどんな病気?

貧血にはさまざまな種類がありますが、日本国内で最も患者が多いとされるのは鉄欠乏性貧血で、その患者数は1000万人以上です。

ほかに再生不良貧血、続発性貧血、巨赤芽球貧血などがあり、少し珍しい名前を持つサラセミアという貧血は地中海性貧血との別名も持っています。

 

●赤血球の生成に問題がある貧血

サラセミアは遺伝子異常によって赤血球の生成がうまくできなくなる貧血のことで、タイプとしては溶血性貧血に分類されます。

正常な赤血球が作られにくい問題はありますが、同時に鉄分が溜まる特徴も持っているので血清鉄の値は高いです。

鉄分が臓器に沈着して臓器を不健康にする例も見られる、危険な貧血と言えるでしょう。

軽度の場合はそれほど治療の必要性はありませんが重度だと骨髄移植をするケースもあります。

 

●地中海に多い貧血

サラセミアが地中海性貧血という名前を持つのは、地中海沿岸でサラセミアの遺伝子異常が見つかりやすいからです。

では地中海に住む人でなければ、もしくは地中海に住む人の血を継いでいなければ大丈夫かというとそういうわけではありません。

日本人にも遺伝子異常を持つ者はおり、βサラセミアという異常については日本人では1000人に1人くらいということもわかっています。

九州大他が調査したところによればサラセミアの発症頻度は約0.1%、どちらかといえば西日本に多いとのことです。

 

サラセミアは遺伝子の異常によって起きる溶血性貧血の一種で、赤血球の生成に問題を生じるのが原因です。

サラセミアは地中海の人に多いことから地中海性貧血とも呼ばれており、重症の場合は30歳くらいまでに亡くなってしまう方もいます。

日本人では西日本にお住いの方の方がサラセミアの発症頻度が高いとの報告があります。

 

男女でも異なる?血清鉄量からわかる病気…こんな病気が!?

健康診断などで血液検査を行った場合、数ある血液中の成分の中で、血清鉄という項目を見かけたことはないでしょうか。

では、血清鉄はどのようなもので、血清鉄からどのような病気がわかるのでしょうか。

 

血清鉄とは

血清鉄は、血清中に含まれる鉄分のことです。鉄分の摂取不足が続いたり、出血量が増える(女性の生理を含む)場合に、鉄分が不足し、血清鉄量も減少していきます。

 

血清鉄量の変化の特徴

血清鉄量は様々な場合において増減するので、測定する場合にはこれらを考慮する必要があります。

・朝、起床時は高く、夕方から夜にかけて低くなる傾向にあります

・妊娠中は低めの値を示します

・ピル(経口避妊薬)を服用すると増加します

・高齢者は血清鉄量が低くなる傾向にあります

・運動をしても血清鉄量に影響はありません

・食事についても、短期間で影響が出るわけではありません

・お酒をたくさん飲む人は血清鉄量が多い傾向にあります

 

血清鉄量検査からわかるさまざまな病気

血清鉄量を測定すると、その値が標準値から比べて少ない場合何らかの病気が疑われます。標準値は、男性の場合13.1-36.2μg/dL、女性の場合は13.0-36.9 μg/dLとなっています。

 

血清鉄量が少ない場合

血清鉄量が標準値よりも少ない場合、鉄欠乏性貧血、慢性関節リウマチ、慢性腎不全、慢性炎症、悪性腫瘍などが疑われます。

鉄欠乏性貧血は女性の場合生理による出血などによって引き起こされることが多く、男性の場合は痔による出血、消化管出血による場合が多いとされています。

 

血清鉄量については、標準値からやや少ないぐらいの場合は、経過観察をしつつ、必要に応じて治療がなされますが、明らかに鉄欠乏だと診断された場合には、貧血の症状の有無を確認し、鉄剤の服用が求められます。

 

貧血気味の人は、上記の血清鉄量の変化の特徴を理解して、必要に応じて医療機関で治療を受けましょう。

(Photo by:http://www.ashinari.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-11掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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