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ガン・悪性腫瘍

後期扁平上皮癌患者への寛解率64%?未承認薬『ゲンディシン』

 

国内未承認薬『ゲンディシン』、その実力とは?

 

現在、がん治療の主な方法は、【手術・抗がん剤・放射線治療】の3種であり、これらの組み合わせで早期の癌は高確率で治療できるようになりました。しかし、進行がんや末期の癌については治療法も限られておりまた治癒率に関しても決して高いとは言えない状況にあります。

 

しかし近年、世界初の遺伝子治療薬である『ゲンディシン』が中国で開発・承認され、その後世界50カ国で使用された結果、後期扁平上皮癌患者への寛解率が64%であったとの報告もあります。ただ日本国内の臨床試験や保険適用は行われておらず、エビデンスに関しても信憑性が不明であることが問題ではありますが、医師によれば今後主力の補助療法になるという声も聞かれます。以下では、この治療法に関しての詳細を見て行きたいと思います。

 

『ゲンディシン』とは?

 

『ゲンディシン』とは、2003年10月に中国のシビオノ・ジーンテック社(SiBiono Gene Technologies)によって開発され頭頸部扁平上皮がんの治療薬として承認された、がん抑制遺伝子p53導入による遺伝子がん治療薬です(現在では多数の部位がん細胞に効果があるとされています)。中国においては臨床試験が実施されています。

 

ゲンディシンとは、p53遺伝子をアデノウイルス(風邪の原因ウイルス:病原性をなくしたもの)をベクターとして(ウイルス感染で細胞膜内へ遺伝子を送り込む)がん脂肪に直接注射し、アポトーシスを引き起こさせるという薬です。日本国内でも少数のクリニックで取り扱っているところもありますが、個人輸入される場合もあるようです。

 

<p53遺伝子とがん細胞の関係とは?>
『p53遺伝子(=protein:蛋白質、53:分子量53000)』とは、がん抑制遺伝子のひとつで細胞内でDNA修復や細胞増殖停止、アポトーシスなどの細胞増殖サイクルの抑制を制御する機能を持つ遺伝子で、細胞ががん化したときアポトーシスを起こします。正常細胞は、損傷が生じても細胞分裂を行うことで、DNAの修復を行っていますが、その細胞分裂の過程には染色体末端にある保護構造のテロメアが関与しており、細胞分裂回数に応じて短縮していき、一定以下の長さになるとアポトーシスを引き起こします。このアポトーシスの発生にはp53遺伝子による細胞分裂の阻害作用が関与しています。

 

しかし、がん細胞にはテロメアを増殖させる酵素(テロメアーゼ)が働くことで、アポトーシスが生じることなく、成長を続けていく仕組みであると言われています。


ゲンディシン腫瘍内注射の実際とは?


ゲンディシン腫瘍内注射は以下の機序によって作用します。

 

<ゲンディシンの作用機序>
1)腫瘍内注射すると、腫瘍細胞上のコクサッキーアデノウイルスレセプター(CAR)と結合する。
2)ゲンディシンが腫瘍細胞内に入り込み、外来性p53遺伝子を過剰発現し始める。
3)複数の抗がん遺伝子の発現増加と、発がん遺伝子の発現抑制によって、腫瘍細胞の細胞周期の停止、アポトーシスを直接誘導する。
4)がん細胞を選択的に死滅させる『T細胞』や『NK細胞』を刺激し活性化する。
5)p53遺伝子が、腫瘍の進行、転移、化学療法剤への耐性に関与する血管内皮増殖因子(VEGF)遺伝子と多剤耐性(MDR)遺伝子の発現を抑制する。


<副作用は?>

副作用は、アデノウイルス投与による風邪様症状が見られますが、重大な副作用は報告されていないようです。
投与当日に発熱(38℃前後までの体温上昇)、翌日には解熱する。


<臨床試験について>

◆2000年~2003年に実施されたゲンディシン第II相、第III相試験
【対象】後期頭頸部扁平上皮がん患者135名
【試験内容】8週間のゲンディシン腫瘍内注射と放射線療法の併用
【結果】患者の64%に腫瘍の完全寛解(腫瘍の完全消失)、29%に部分寛解(腫瘍の50%以上縮小)が認められたという報告がある。


最後に

ゲンディシンによるがん治療法は、単独よりも抗がん剤や放射線療法との併用によって、大きな効果が期待できるとされています。その副作用の少なさから、手術後などの免疫力低下時や放射線治療前などに投与するとがんの縮小化に期待が持てるようです。あるクリニックで記載されていたゲンディシンの用途とは以下のものです。

 

1)【手術前の腫瘍の縮小】
2)【手術では取りきれなかった腫瘍の増大防止と縮小】
3)【抗がん剤療法の休薬期にもがん細胞縮小が可能】
4)【放射線療法との相乗効果を期待】

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E6%89%8B-%E6%8C%87-%E6%B3%A8%E5%B0%84%E5%99%A8-%E5%8C%BB%E7%99%82-%E6%B3%A8%E5%85%A5%E3%81%99%E3%82%8B-281925/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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