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ガン・悪性腫瘍

放射線治療では体の免疫力が落ちる?免疫力を落とさない治療方法とは?~放射線治療のほか温熱う療法などのがん治療

 

放射線はX線検査など、わたしたちの身近なところに応用されています。この放射線を使ったがんの治療が放射線療法です。先のX線などの放射線をがん細胞に照射すると、がん細胞は分裂ができなくなり、増殖しなくなります。

 

放射線治療の問題点

放射線はがん細胞だけを選んで攻撃してくれるわけではありません。とくに細胞分裂の多い細胞に影響を与えやすいですので、そうった特徴を持つ正常細胞にも攻撃してしまいます。

もちろん治療においては出来るだけ正常細胞に影響を与えないで、最大限の効果を発揮する方法が検討されますが、まったく正常細胞を攻撃しないというのは、現段階では難しいようです。

 

白血球は放射線の影響を受けやすい

放射線治療を受けると免疫力が落ちると言います。

これは免疫作用を担っている白血球が、放射線によって壊されてしまうことによって言われます。

白血球は放射線に弱く、確かに放射線照射によって一時的にその数を減らしてしまいます。

 

しかし方法はある!

白血球は体のどこでつくられるかというと骨髄でつくられます。特に成人の場合は背骨や骨髄の骨で主に作られています。

つまり、これらの部分に放射線を照射しないようにすることで、白血球の製造場所はダメージを受けることがなく、免疫力低下を防ぐことができるのです。

 

免疫療法と併せることで効果を得る

放射線治療はがん細胞を劣勢にして、その後は白血球などの免疫細胞に劣勢になったがん細胞を退治してもらうことが必要です。そのため、放射線療法をしながら、免疫力を高める免疫療法を行う治療も効果があるとされています。

免疫力を上げる方法としては、食品の摂取もそうですが、服薬によっても行えるようになっています。

 

基本的に放射線療法も他のがん治療も、合わせて行うことでお互いの欠点を補い、相乗効果を得られるようになってきています。

そのため、それぞれの治療についてよく知っておくことも重要なのです。

 

高精度放射線治療『サイバーナイフ』が、肺がん・肝臓がんをピンポイントで照射可能に!

『サイバーナイフ(高精度放射線治療装置)』ががんをピンポイントで照射!

がんの放射線療法のひとつに、γナイフに代表されるようなピンポイントで癌細胞だけに照射治療を行う『定位放射線手術』という療法があります。この療法では、メスで切開手術ができないような脳深部にも照射することが出来るため、非常に期待が集まっています。

 

しかしその反面、γナイフはデメリットとして一回の大量照射を行うため、正常な部位への被爆が懸念されていました。

 

一方、新たに登場した定位放射線手術の『サイバーナイフ』では、ガンマナイフと異なり多数回照射(分割照射)が行われるため、正常部位に影響が及びにくいと言われています。

 

以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

『サイバーナイフ』とは?

サイバーナイフは、最先端の画像解析技術や産業ロボット技術等を応用した高精度の定位放射線治療装置で、自在に動くアームと分割照射によって、正常部位への侵襲が少なく、深部の複雑な形状の病巣なども照射することが出来るというものです。

 

精度も高く、巡航ミサイル誘導技術を応用したという『自動追跡システム』によって、±0.5~1mm程度の誤差で照射が可能と言われています。

 

⇒これまでは首から上に発生した腫瘍のみが治療対象でしたが、2008年より体幹部(首よりも下)の病変に対する治療承認が下り、肺がんや肝臓がんへの治療に期待が寄せられています。

 

<サイバーナイフの適応は?>

頭蓋内病変(脳腫瘍、脳転移、AVMなど)、頭頸部がん(鼻腔・咽頭・口腔の腫瘍、再発・転移)、原発性肺がん、転移性肺がん、原発性肝がん、転移性肝がん、脊髄動静脈奇形など

 

<γナイフやリニアックとの違いについて>

サイバーナイフとγナイフとの違いは、前述のように多数回照射(分割照射)による正常細胞への影響の軽減が最も大きいと言われています。

 

また、リニアック(γナイフのγ線⇒X線に変えたもの)との違いは、サイバーナイフはより細いビームを多方向(100以上)から照射でき、より集中的にがんへの照射を行うことが出来ます。

 

<副作用は?>

主に【吐き気・皮膚炎・浮腫・一時的な脱毛・潰瘍】などが報告されています(通常の放射線治療と比較すると非常に軽く抑えられると言われている)。

 

<治療費は?>

治療費は、手術前の検査なども含めて約63万円で、保険適用となっています。また、高額医療費控除の適用にもなります。

例)3割負担の場合:64万円×0.3=約19万円

 

サイバーナイフによる治療の流れについて

<どこの病院で受けられる?>

治療実績のある病院は神奈川県の『新緑脳神経外科』や岡山県の『岡山旭東病院』が数千症例の実績があるとして有名ですが、北海道・沖縄を除き各地方に一箇所以上は設備があるようです(全国で計22箇所)。

 

<実際の手順について>

1)治療中に動きを抑えるよう、個人にあった専用の固定具(頭頸部用・体幹部用)を作成する。

2)実際に行う治療と同じ体位で、CTやMRI等の画像検査を行う。

3)データは専用の治療計画装置へ転送され、治療医が治療計画を立てる。

4)サイバーナイフでの治療開始。

5)寝台に休んだ状態でX線撮影施行。

6)治療計画との位置のズレの調整を行う。

7)補正終了後、実際の治療開始。治療中の微細なズレは自動的に補正される。

 

⇒一回の治療は頭頚部で約20分~30分、体幹部で約40分~50分、治療の回数は部位や大きさや数によって異なり、最短で1回~長くて10回ほどになる。

 

サイバーナイフは、前述のように全国で22箇所しか治療を受けられる施設が無く、また治療実績や長期の経過観察例が十分に足りていないことが問題であるとされています。

米国ではすでに200施設にサイバーナイフが導入されており、日本でもより早い普及が望まれています。

 

温熱療法と放射線療法~二つの療法の相互作用~

温熱と放射線の組み合わせは細胞や組織に対して相補的な効果だけではなく時には相反する効果が表れる可能性があります。

 

二つの療法の相互作用              

放射線はDNAを損傷させて抗腫瘍効果を示しますが、一部の腫瘍細胞はDNAの修復によって生き残ります。

温熱療法ではDNAの修復過程を抑制しますので放射線の治療効果が増強すると考えられています。

また、温熱療法は放射線が苦手としている細胞周期のS期の後半に効果がありますので、この両者の作用点の異なる攻撃も効果向上の要因だと考えられています。

放射線と温熱の増感は細胞レベルにおいても組織レベルにおいても両者が同時に行われたときに最も効果が高くなります。

 

この療法の適応は?               

難治性の腫瘍への適応が考えられています。

局所制御が困難な腫瘍に対して温熱療法を上乗せして局所制御率の向上をはかるものとして肺がんや膵がん、再発腫瘍などの疾患があげられます。

 

他にも集学的治療の中での利用が考えられています。

温熱療法は多くの化学療法を増感することが知られていますので、消化器腫瘍や婦人科腫瘍の局所効果増強に役立つ可能性を秘めています。

 

放射線の増強効果は正常細胞に対しても起こりますので有害事象が強く表れないように慎重に治療を進めていくことが重要になります。

 

悪性腫瘍治療に有効な放射線治療 効くものと効かないものの違いとは

悪性腫瘍(がん)の場合は、腫瘍そのものを取り除く外科的手術や抗がん剤を用いた化学療法、ホルモン療法などと組み合わせて、放射線治療を行う場合が多くあります。

 

それは、がん細胞は正常な細胞よりも活発に細胞分裂をするために、正常細胞にくらべて放射線の影響を受けやすいからです。

 

人間の細胞には、DNAという遺伝子情報が組み込まれていますが、放射線はそのDNAを破壊します。

DNAが破壊されることでがん細胞は死滅し縮小します。

 

そのため、がん細胞が発生した部位や治療の進行状況に合わせ、照射する場所(部位)や時期、照射期間を考慮し実施します。

 

放射線治療は、X(エックス)線、γ(ガンマ)線、電子線といった放射線を使用し、悪性腫瘍の遺伝子にダメージを与え、破壊することを目的とした治療法で、身体へのダメージを考慮しながら治療が行われていきます。

 

対象となる主な悪性腫瘍は以下のようなものです。

 

1. 悪性リンパ種

2. 胃がん

3. 肺がん

4. 乳がん

5. 前立腺がん

6. 子宮がん

7. 膵臓がん

8. 腸結腸がん

9. 脳腫瘍   ・・・など。

 

◆治療・照射方法◆

a.患部のみに照射する局所療法

b.白血病などの骨髄移植前照射(全身照射)

c.領域リンパ腺照射

 

腫瘍制御に必要な占領は、場所や腫瘍の感受性によっても異なりますが、普通は総線量20~60Gy(グレイ)にて1日1回、週4~5回を一定期間実施することになります。

 

一定期間の照射で腫瘍細胞は死滅しますが、健康な細胞は徐々に回復します。

放射線照射後の副作用や、メインとなる外科療法や化学療法との兼ね合いで、入院治療が適応とされる場合が多いようです。

 

副作用としての放射線宿酔による吐き気や気分不快、白血球減少による感染症に注意しながら、注意深く治療を行っていく必要があります。

 

ブドウ糖を断てば、がん細胞は死滅する?『ケトン食』療法の実際

『ケトン食』療法で、がん細胞を死滅させる

理想的ながん治療といえば、『がん細胞のみに特異性があり(正常細胞にダメージを与えない)、がん細胞を悪化させない方法』であると言われていますが、現在『分子標的薬』というがん細胞に高発現する性質に作用性のある抗がん剤を持ってしても、副作用は皆無ではありません。

 

しかし現在、重篤な副作用なく抗がん効果を示す方法として『ケトン食療法』に注目が集まっています。

 

ケトン食療法とは、体内グルコースを減少させることによって、高い糖吸収・活性の性質があるがん細胞を死滅させるという治療法です。

 

以下では、その詳細について見ていきたいと思います。

 

ケトン食療法とは?

<がん細胞はブドウ糖がなければ生存できない?>

がん細胞は、『PET検査(陽電子放射断層撮影:がん細胞のブドウ糖取り込み性質を利用した画像検査法)』でも明らかにされているように、ブドウ糖を大量に消費するという性質があり、またブドウ糖の供給が断たれれば生存・増殖できないという性質もあります。

 

これを利用し、治療法に活かそうというのが上記の『ケトン食』療法です。

 

<ケトン食療法とは?>

ケトン食とは、糖質やアミノ酸(体内で糖に変換される=糖新生)を極力減らし、脂質を主とする食事法のことです。

 

通常、細胞は貯蔵エネルギー源として最初に筋肉細胞と肝細胞のグリコーゲンを使用します。飢餓状態などでグルコースが枯渇すると、肪酸の分解亢進によってミトコンドリア内で、【アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸、アセトン】が産生されます。

 

この3種類の物質をケトン体と言います。アセトンを除いた(呼気中に排出)アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸は他の組織の細胞へと運ばれ、エネルギー(ATP)へと変換されます。癌細胞では、ケトン体をエネルギーに変換する酵素が欠損しており、利用することができません。

 

<従来のがん治療では脂質制限されていたが…?>

がんの食事療法では一般的に、脂肪は全体の2~3割に減らすことが推奨されており、脂質を主食とするケトン食療法には抵抗があるという方も多いかもしれませんが、危険な場合というのは主食を糖質にした場合だと言われています。

 

血糖やインスリン分泌量上昇による発がん性や、また飽和脂肪酸(n-6系)高含有の植物油を使用すると動脈硬化などの危険性があるためです。

 

しかしケトン食療法では、不飽和脂肪酸(n-3系)のEPAやDHAを含んだ魚油などを中心にすることが推奨されているので、がん促進の心配性はないとされています。

 

中鎖脂肪ケトン食の実践法とは?

食品中の栄養素の含有量は文部科学省が出している「食品標準成分表」を参考にして行います。基本的な栄養素の構成としては、【中鎖脂肪を多く摂取して、脂肪:糖質+蛋白質の比率を1.5:1、つまり食事の60%を脂肪にする】という方法を守るようにします。カロリーは制限する必要はありませんが、必要最小限のカロリー摂取を目標にします。

 

◆糖質は40g/日以下を

糖質の1日摂取量は40g以下を目標にし、1回の食事につき糖質が20gを超えないようにする。糖質を取る際には、玄米や全粒粉小麦など精製度の低い炭水化物を少量食べる。

 

◆タンパク質は平均体重で約60g~120g摂取

たんぱく質は体重1kg当たり1~2g(例:体重60kgで60g~120g)摂取する。たんぱく質源としてはがんを促進する赤身の肉(牛肉など)は控え、大豆製食品(豆腐や納豆)や魚や卵や鶏肉などを利用する。

 

◆脂質は中鎖脂肪酸を

肝臓ですぐに分解される中鎖脂肪酸を利用すると、脂肪の割合を60%程度に減らし、糖質を1日40g程度摂取してもケトン体を大量に産生することができます。基本は上記のように、脂肪:糖質+蛋白質の比率を1.5:1、つまり食事の60%を脂肪とします。

 

⇒中鎖脂肪は『マクトンオイルやMCTオイル』を1日40~80gを摂取し、またn-3系不飽和脂肪酸を含む魚油の摂取と、調理時はオリーブオイルの使用を心がけます。

 

◆キノコや海草やおからが有用

上記食材は、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富で糖質の少ないので使いやすい。

 

◆リパーゼ製剤

脂肪をグリセロールと脂肪酸に分解する消化酵素のリパーゼの製剤を、脂肪の多い食事の後に服用すると、さらに脂肪酸の代謝を促進する(膵消化酵素補充剤リパクレオンなど)。

 

◆アルコール

アルコールは糖質の少ない蒸留酒(ウイスキー・焼酎)や糖質フリーの発泡酒などであれば糖質制限の観点では問題はないが、アルコール自体ががん細胞の増殖を刺激するため、摂取はできるだけ控える。

 

(※ケトン食療法を行うと、始めて1週間程度は、脂肪が多いため食後の腹痛・便秘・倦怠感症状が現れることがありますが、食物繊維を多く摂取し消化酵素を利用すると、上記症状はほとんど出現しなくなると言われています。)【参考ホームページ:東京銀座クリニック】

 

ケトン食療法は基本的に安全ですが、インスリン抵抗性や作用不足のある糖尿病に罹患されている場合は注意が必要です。通常であれば、ケトン体上昇による酸性血症が生じても、緩衝作用によって元の状態に戻りますが、糖尿病の場合は糖尿病性ケトアシドーシスが発症する危険性があります。

 

いずれにしても、ケトン食療法開始の際には、医師に相談すして進めていくことが必要になります。

(Photo by: [http://www.ashinari.com/2009/04/12-016785.php])

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-05掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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