生活習慣病
最も多く使われている糖尿病治療薬SU薬、これにはどんな種類があるの?
糖尿病治療に使用する薬剤というと、注射によってインスリンを注入するものがまず挙がるかもしれません。ですが、服薬によって薬物療法をする方法もあります。
SU薬(エスユー薬)
SU薬というのはスルフォニル尿素薬という、糖尿病の内服治療薬です。糖尿病の内服薬の中では最も多く使用されている薬です。
SU薬はどんなふうに働くの?
SU薬は腸から吸収され、インスリンを合成する膵臓のβ細胞に働きかけ、インスリンの分泌を促進させる作用があります。また、インスリンの働きかけに反応する、細胞の受容体の数を増加させる働きもあり、これによっても血糖値を下げます。さらには末梢の筋肉でのブドウ糖の利用を高め、肝臓からのブドウ糖放出を抑制する効果もあるとされています。
こうした働きは、そもそもインスリンの分泌が少しでもなければ効果を得られないものですので、1型糖尿病の場合には使用できず、少しでもインスリンの分泌能力が保たれている人でなければ薬を使用できません。
いろいろなSU薬がある!
SU薬にはいろいろな種類があり、薬によって効果時間などが異なります。
グリクラジド:
SU薬の中では中程度の血糖降下作用の強さがあります。薬の効果持続時間は6~24時間ほどで、少量ずつ毎食前に服用するのに適しています。
グリベンクラミド:
SU薬の中で最も強力な血糖降下作用があります。効果の持続時間も服用後12~24時間と長時間です。
トルブタミド:
SU薬の中でも最も血糖降下作用が弱い薬です。薬の効果持続時間は6~12時間程度で、緩やかに効果を得られる分、高齢の方などに使いやすい薬です。
グリメピリド:
この中では最も新しい薬で、膵臓のβ細胞に作用して、インスリン抵抗性を改善するという、他のSU薬とは異なった働きをします。効果持続時間は6~12時間程度です。
SU薬は糖尿病の治療薬として長く使われてきた薬ですので、安心して服用することができます。ただし、服用の仕方を正しく守らないと、低血糖などの副作用の危険があります。
(Photo by: [http://www.ashinari.com/2009/11/27-030792.php])
著者: カラダノート編集部