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SU薬を飲み続けて効果が失われる「二次無効」とは?死の危険が高い乳酸アシドーシス!腎障害併発の2型糖尿病治療に『メトホルミン』の使用は安全?

 

原因はどこにある?SU薬を飲み続けて効果が失われる「二次無効」とは?

服用する糖尿病の治療薬の中でも、SU薬(スルフォニル尿素薬)は最もよく使われる薬です。SU薬は膵臓のβ細胞に働きかけ、インスリンの分泌を促してくれますし、血糖値を上げるホルモンの分泌を抑制したり、肝臓でのインスリンの作用を増強させるなどの働きもしてくれるとされています。

 

二次無効が起こるSU薬

SU薬の服用を開始した当初は、SU薬の効果によって血糖値が良好にコントロールされていたのに、服用期間が長くなるにつれてその効果を感じにくくなっていくことがあります。次第に血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、最終的には薬の効果をほとんど感じられなくなるのです。これは薬剤の二次無効と言って、薬を飲み続けることで起こります。ちなみに一次無効というのははじめから薬の効果がないものを言います。

 

二次無効は何が原因で起こるのか?

SU薬の二次無効が起こる原因としては、

食事療法が完全のコントロールされていない

運動療法の不足

肥満が適切に解消されていない

などがあるとされています。他にも感染症が原因になる場合もあるとされていますし、規則正しく服薬をしなかったことで、薬効がなくなることもあるとされています。このように原因がはっきりとしていれば、その原因を解消することで、また薬の効果を得られる可能性もあります。

 

明らかな原因が見つけられない場合はどうすればいい?

上記のような原因を想定して解消しても、SU薬の効果が得られない場合には、他の治療薬に変更したり、インスリン注射が検討されたりします。インスリン注射に抵抗を覚える人もいるようですが、インスリン注射などで高血糖の状態を治してあげれば、再びインスリンの分泌が回復してくることもあます。そうなればインスリンの量を減らしたり、やめて服薬のみの治療にしたりすることも可能です。

 

いずれにせよ、薬物でインスリンの分泌を補っているからと言って、食事や運動をおろそかにしてはいけないということです。糖尿病治療のベースは生活習慣の改善にあることを忘れてはいけません。

 

死の危険が高い乳酸アシドーシス!糖尿病治療薬BG薬を服用している人は注意!

糖尿病の内服治療薬の中で、昔から使われている薬のひとつがビグアナイド薬(BG薬)です。このBG薬は肝臓で新しく生成される、糖新生(ブドウ糖)を抑制し、ブドウ糖が血中に過剰に出てしまうことを防ぎます。さらに、腸からのブドウ糖の吸収を抑制する作用もあります。

 

注意したい「乳酸アシドーシス」

BG薬は比較的副作用が少ない薬なのですが、ごくまれに乳酸アシドーシスという状態になってしまう場合があります。これは意識障害が起こる状態であり、非常に重篤な症状です。そのため、BG薬を服用するにあたっては、乳酸アシドーシスの前歴がある方などは服用ができません。

 

乳酸アシドーシスってなに?

乳酸アシドーシスというのは、膵臓での乳酸の利用が減ることと同時に、血中の乳酸が異常に増えてしまうものです。これによって血液が酸性になり、筋肉痛、筋肉のけいれん、脱力感、胸痛、腰痛、吐き気、嘔吐、最悪の場合には意識障害、昏睡状態になってしまうことがあります。昏睡状態になると死亡する確率が高いので注意が必要です。

 

乳酸アシドーシスになるきっかけ

脱水症状:

脱水が起こると乳酸アシドーシスが起こりやすくなります。特に高齢の場合にはのどの渇きを自覚しにくいので、初夏や夏の終わりなど、水分補給を意識しにくいときにこそこまめに水分を補給することが必要です。脱水症状を起こすことになる嘔吐や下痢にも注意が必要です。

ヨード造影剤:

CT検査などの画像診断検査の際に投与されるヨード造影剤は、BG薬を服用中に投与されると、乳酸アシドーシスを起こすことがあります。検査を受ける前には必ず医師に伝え、医師の指示に従って検査の前に服用を止めます。

 

危険性を認識して、正しく対処できれば問題はありません。基本的な生活習慣の改善をしっかりと行った上で、最大限薬の効果を引き出しましょう。

 

腎障害併発の2型糖尿病治療に『メトホルミン』の使用は安全?乳酸アシドーシスのリスク

2型糖尿病治療薬(ビグアナイド薬:BG薬)の『メトホルミン』は、アメリカでは糖尿病の第一選択薬であり、有害事象が少なく、高い効果が得られることに定評がありますが、日本では(メトホルミンはインスリン抵抗性改善薬であり、日本人にはインスリン分泌不全型が多いことから効果があまり期待できないこともあり)糖尿病治療薬の主体とはされていませんでした。現在ではSU薬の欠点の多さから(継続使用による膵臓β細胞の減少や低血糖などの合併症)、メトホルミン再評価の動きが出ていると言います。ただ、腎機能が低下している場合や高齢者では、メトホルミンは腎臓で代謝されるため、慎重に使用することが求められています。では、どの程度の腎機能の数値であればメトホルミンを安全に使用できる域といえるのでしょうか?以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

メトホルミンの副作用『乳酸アシドーシス』はなぜ危険?

メトホルミンは2型糖尿病治療薬の中でもビグアナイド系薬(BG薬)に分類される薬ですが、副作用に注意が必要なものとして『乳酸アシドーシス』の記載があります。しかし、現在ではその発生頻度は極めてまれで(8人/100,000人との報告)、通常問題視されませんが、腎障害がある場合や高齢者などではそのリスクが高まり(投与後ほぼすべてが未変化体のまま腎臓から排泄されるため)注意が必要とされています。

 

<乳酸アシドーシスの初期症状>

■胃腸症状として悪心、嘔吐、腹痛、下痢等や、倦怠感、筋肉痛、過呼吸等が認められます。

 

<乳酸アシドーシス発生の機序>

メトホルミン使用によって、肝臓での乳酸⇒糖新生が抑制され、血中に乳酸が蓄積するため、血液が酸性に傾き(乳酸アシドーシス)消化器症状の出現や、悪化した場合昏睡状態に陥り場合によっては死亡する可能性もあります。

 

⇒また、糖尿病のコントロールが不良(=ケトン体が溜まる)、飲酒により肝臓に負担が掛かっている場合などでは、より乳酸の蓄積が起こりやすくなります。

 

eGFR(腎糸球体濾過量)が『60~30以内』であれば、メトホルミン使用は安全と言える?

腎障害を併発時の、2型糖尿病へのメトホルミン投与に関して、アメリカFDAの処方ガイドラインでは一定の基準が定められていますが、米医学誌のJAMA誌によれば『FDAのガイドラインには明確な根拠はない』とされ、また現状では腎機能の確認のないまま、国外問わずメトホルミンが使用されているケースが多いと言われています。このことを受けて、同誌では過去に行われた腎障害を持つ糖尿病患者さんを対象とした乳酸アシドーシス発症リスクに関する臨床試験を解析し、新たなメトホルミン使用量の基準を掲載しています。

 

<現行のアメリカFDAの処方ガイドラインは?>

以下の場合、メトホルミンの使用は適応外となっています。

 

■血中クレアチニン濃度によるメトホルミン使用の可否

【男性】1.5mg/dL以上、【女性】1.4mg/dL以上は不可

(※また、80歳以上の高齢者においては、原則メトホルミンは使用しない。)

 

<複数の臨床試験データ解析から得られた、メトホルミン使用の安全域とは?> 

■2型糖尿病患者(腎障害併発)に対するメトホルミン使用の安全域に関するメタ解析(メドライン、コクラン・データベースによる)

【試験結果】腎糸球体濾過量(eGFR:血液のクレアチニン濃度から計算可能)が、『30~60mL/min per 1.73㎡』である場合には、メトホルミン使用でも安全域に収まる可能性が高いという結果となった。

  

■腎糸球体濾過量(eGFR)とメトホルミン使用量(安全域)の詳細

【eGFR:60以上(軽度の腎機能低下)】・・・上限2550mg

【eGFR:45~60未満(中度の腎機能低下)】・・・上限2000mg

【eGFR:30~45未満(中度の腎機能低下)】・・・上限1000mg

【eGFR:30未満(高度の腎機能低下)】・・・使用禁忌

 

(※eGFR値の計算は、血清クレアチン(CRE)値をもとに、年齢、性別から算出します。『日本慢性腎臓病対策協議会』のサイトより簡単に計算できます。)

 

最後に

内科医の先生(個人のブログによる)の見解では、これらの結果を受けて日本で腎障害時のメトホルミンを使用する際には、さらに安全域を広げeGFR値(腎糸球体濾過量)が60以上の場合⇒1500mg上限として、60以下の場合⇒新規の使用は控えることが提案されています。もし、これらの基準値を大きく超えていた場合には、一度セカンドオピニオンを受けてみる必要もあるかもしれません。

 

(参考ウェブページ:六号通り所長のブログ、日本慢性腎臓病対策協議会、DIABETES NEWS)

 

(Photo by: [http://www.ashinari.com/2009/06/17-022512.php?category=33])

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-10掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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