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ガン・悪性腫瘍

鎮咳薬に含まれる成分に高い抗がん作用?『ノスカピン』とは

 

抗がん作用の報告された『ノスカピン』、副作用は極めて少ない

 

ケシの液汁(アヘン)から精製される植物アルカロイド(含窒素化合物)の代表的と言えば、麻酔薬として用いられる『モルヒネ』がありますが、アヘンから単離されるその他の成分に『ノスカピン』という物質があります。ノスカピンは、モルヒネと異なり、麻酔・鎮痛作用はなく、鎮咳薬として古くから用いられてきました。

 

現在でも、市販の鎮咳薬に含まれていますが、近年この成分に抗がん作用があるとして海外の様々な論文が発表されています。ノスカピンは、副作用が極めて少なく、また扱いやすい内服薬で効果にも期待が持てることから、がん治療の補助療法として非常に期待されているようです。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。


ノスカピンとは?


ノスカピンは、上記のように植物アルカロイドの一種ですが、麻薬のような習慣性はなく高い咳止め作用があることから、鎮咳薬に分類されています(非麻薬性中枢性鎮咳剤)。脳幹の延髄にある咳中枢を抑え、速効性の鎮咳作用を示します。使用され始めたのは1950年代で、日本でも数年前までノスカピン単独剤が販売されていましたが、現在では鎮咳薬の成分の一つとして配合されています。近年、海外の研究ではノスカピンの抗がん作用が報告されています。


<ノスカピンが配合されている市販薬>
・龍角散
・総合感冒薬パブロンゴールド、新ルルAゴールド、エスタック顆粒など

 

<ノスカピンの抗がん作用の機序とは?>

1)微小管の阻害作用
細胞分裂の際の、DNA複製の過程では、『微小管』という管状のたんぱく質が集まって紡錘体や繊毛を形成して染色体を引き寄せ、分裂後のそれぞれの細胞に分けると言

う役割を果たします。ノスカピンは、この微小管の働きを阻害してがん細胞の細胞分裂を阻害します。


2)血管新生阻害作用
がん細胞が低酸素状態で、低酸素誘導因子-1α(HIF-1α)という転写因子が活性化され、それに伴って血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の産生促進され、がん作用へ栄

養する血管新生が行われます。ノスカピンはHIF-1αの活性化を阻害することで、VEGFの産生を阻害し、血管新生を抑える作用があると報告されています。

 

<服用量は?>
通常、咳止め薬としての服用量は45~200mgですが、抗がん剤としての使用の際は1000~2250mg/日(3回に分けて服用)で効果が報告されています(米国での臨床試験)。
 
 <ノスカピンの副作用>
ノスカピンの半減期は4.5時間で、常用量の服用による副作用は報告されていませんが、大量服用によって数%の割合で【吐き気、腹部不快感】などが報告されています。

 

ジョンズ・ホプキンス大学の末期がん患者へのノスカピン投与試験(1961年)では、3000mg/日の投与で約80%の患者に副作用は認められなかったとされています(約20%は、軽度の鎮静化と腹部不快感)。

⇒また、妊娠中の服用に関しては、催奇形性の可能性が否定できないので使用不可とされています。
 
臨床試験について

 

1998年に発表されたエモリー大学の研究では、ヒトのがん細胞を移植した動物にノスカピンを投与すると、副作用がほとんど出ない量で、3週間で80%も腫瘍が縮小したと報告されています。また、服用によって免疫抑制作用がないこと、血液脳関門を通過し、脳腫瘍にも効果があることなども報告されています。


人への臨床試験としては、前立腺がんや肺がんなど多くのがんで有効性が示されていると報告されています。

 

◆ヒト非小細胞性肺がんを移植したマウスの実験モデルにおける、ノスカピンの腫瘍縮小効果(Cancer Chemother Pharmacol. 63(1): 117-126, 2008)

 

【試験内容】培養ヒト非小細胞性肺がんの移植マウスへ、ノスカピン投与群と非投与群の腫瘍縮小効果の比較試験(1kg当たり:300mg/日、450mg/日、 550mg/日)。
【結果】ノスカピン非投与群と比較し、投与群は上記の用量で、それぞれ49%, 65%, 86%の腫瘍の縮小を認めた。

 

◆ヒト前立腺がん細胞移植マウスの実験モデルにおける、ノスカピンの腫瘍増殖抑制効果(Anticancer Res.30(2):399-401. 2010)

 

【試験内容】培養ヒト前立腺がん細胞移植マウスへ、ノスカピン投与群(300mg/kg/日×56日間)と非投与群の比較投与試験。
【結果】非投与群と比較し、投与群では腫瘍体積進展の抑制と、リンパ節転移の抑制が見られた。

 

(参考ホームページ:東京銀座クリニック)

 

 最後に

 

ノスカピンは、副作用もほとんどないことからその使いやすさと効果に期待が持たれていますが一方で、がん抑制遺伝子であるp53やp21遺伝子に異常があるがん細胞が

対象である場合、ノスカピンだけでは抗腫瘍効果に限界があるとも言われています。p53を介さない機序でがん細胞を殺す薬の併用によってより抗がん作用が期待できるとされています。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E8%96%AC-%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%B3%95-%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88-%E8%96%AC%E5%B1%80-%E5%8C%BB%E7%99%82-%E7%97%85%E6%B0%97-%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82-257389/?oq=%E8%96%AC)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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