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育児・子供の病気

乳児や妊婦、高齢者は注意が必要!犬や猫など『ペット由来感染症』の危険性

ペット由来感染症は、風邪と似ていて気がつかない場合もあります。

 

近年、ペットを飼う人の増加と共に問題となっているのが、動物由来感染症である、『ズーノーシス』の危険性です。

海外と比較すると、日本は温帯性気候や島国である点、また狂犬病や結核、ブルセラ病など過去に蔓延した感染症の対策が徹底して行われてきたことから、動物由来感染症の例は非常に少なくなりましたが、ペットを家族として扱うことから過度な接触を通じ、病原体に感染して重篤な症状が発症した例も報告されています。

特に抵抗力の弱い乳児や高齢者の方がいる場合は、注意が必要です。

 

動物由来感染症は、その症状の大半がインフルエンザなどの病気に似ているため発見が遅れることがしばしばありますので、まずは感染症の危険性について認知しておくことが必要です。

以下では、代表的な病気と共にその対策について見て行きたいと思います。

 

代表的な動物由来感染症について

感染症のうち動物由来のものは約60%であると言われています。

日本では、動物由来感染症は約50種類ほど確認されており、その内ペット由来の感染症が約30種類あります。

 

病原体としては数cmもある寄生虫から数μmの真菌、細菌、リケッチア、クラミジア、さらに数nmもの非常に小さいウイルスまで様々です。

発生頻度の高い病気は以下になります。

 

ネコひっかき病

【病原体】バルトネラ菌(細菌)による。子ネコが引っ掻く・咬むなどで感染(爪・口腔内・血液・皮膚に存在:保菌率7%)。ネコノミによっても感染(繁殖時期の夏から秋にかけ発症しやすい)。

 

【症状】引っかかれた後1週間で虫さされ様の丘疹ができ、2~3週間でリンパ節の腫れと痛み・発熱・悪寒・倦怠感などの風邪様症状が出現。通常は自然治癒で治る(5~10%で重症型:脳炎・眼の奥の炎症)。

 

【予防法】ネコと接触した後の手の洗浄、ひっかき傷の消毒、ネコの爪を切る、ネコノミの駆除が必要。

 

【治療法】ほとんどは自然治癒で治る。解熱剤や鎮痛剤で対症療法を行い、経過観察を行う。重症の場合、外科処置として切開して排膿をした上で、抗生物質の処方をする。

 

オウム病

【病原体】クラミジアが原因。インコ類やトリの乾燥糞の吸入、餌の口移し(唾液中にクラミジア)により感染。輸入トリの50%が保菌している。感染の兆候としては、さえずりがない、眼を閉じて羽を逆立ててふくらんでいる、お尻が汚れている(下痢)など(成鳥では無症状のことがある)。ストレスにより感染しやすくなるので、飼い始めの鳥は特に注意。

 

【症状】1~2週間の潜伏期の後、突然高熱で発症し、頭痛、倦怠感、筋肉痛などインフルエンザ様症状が特徴。重症の場合は肺炎が生じる。

 

【予防法】ワクチンはない。餌の口移しなど鳥類との過度に密接な接触を避ける。乾燥糞を吸引しないようマスクをする。鳥かごは定期的に熱湯消毒する。

 

【治療法】テトラサイクリン系などの抗生物質が有効。

 

Q熱 

【病原体】コクシエラ菌による。猫、犬などの尿・糞・羊水・乳汁等に含まれる菌を人が吸引することで感染。

 

【症状】50%は無症状、50%は急性のQ熱を発病する(2~4週の潜伏期の後、1~2週間の高熱・頭痛・悪寒・筋肉・咽頭痛・倦怠感・抑うつ症状などのインフルエンザ様症状の出現:うち20%が肺炎・肝炎症状)。急性Q熱死亡率は1~2%。

 

【症例】日本においては、年間30例程度のヒトの症例報告がある(1999年、72歳の女性が近隣のネコの出産を期に急性肺炎・呼吸不全を発症など)。

 

【予防法】妊娠動物の胎盤や羊水に多く含まれるので、出産時の動物、特に死産、流産を起こした動物の取り扱いに注意。

 

【治療法】急性Q熱治療においてはテトラサイクリン系抗菌薬が第一選択薬。大抵は投与後2~3日以内に解熱する。

 

トキソプラズマ症 

【病原体】トキソプラズマ原虫による。ペットではネコが感染源となり、糞便中の原虫が排泄されて数日経過で感染性型に変化する(経口吸引で感染)。

 

【症状】無症状の場合が多く(まれにリンパ節炎)、成人の5~40%のヒトが感染しているとの報告がある。妊婦の初感染時に、流産や胎児の先天性障害(脳炎、脳水腫、発育障害等)をまれに起こす。

 

【予防法】猫の排泄物は速やかに始末し、検便を行なう。

 

パスツレラ症

【病原体】パスツレラ属菌による。家ネコの口腔にほぼ100%、爪に70%、イヌの口腔に、約75%の高率で存在し、引っかき・咬まれることで感染。糖尿病、アルコール性肝障害の罹患者は重症化しやすい。

 

【症状】傷からの発赤・腫脹・化膿(蜂巣炎)や気管支炎・肺炎などの呼吸器疾患などが生じる(まれに髄膜炎)。ひっかかれてから約30分~数時間後に激痛を伴う腫れと精液様臭の浸出液が生じる。死亡例もある。

 

【予防法】犬、猫から引っ掻き、噛み付かれないようにすることが基本(爪を切る)。口を舐めるなど濃厚な接触を避ける。

 

【治療法】ペニシリン系、セフェム系抗生物質が有効。

 

サルモネラ症 

【病原体】犬、猫、うさぎ、サル、鳥類、爬虫類(蛇、亀等)によって感染。特にカメの保菌率が高い。

 

【症状】感染型食中毒で、菌が腸管上皮細胞に感染して炎症が生じる。主な症状は、腹痛、嘔吐、下痢、粘血便などの消化器症状、発熱(高熱)など(まれに内毒素による敗血症を合併、死亡例もある)。

 

【症例】1960~1970年にかけて米国でミシシッピアカミミガメに由来する感染と死亡例の報告がある。

 

【予防法】動物に触れた後に石鹸で手を洗う、台所などで飼育の汚水を処理しないなどの衛生管理が必要。特にカメの水槽の掃除には、ゴム手袋の装着と、水槽を塩素系漂白剤で消毒するなどの措置が必要。

 

【治療法】対症療法とニューキノロン系抗菌剤による除菌が主になる(但し、欧米では耐性菌誘発の可能性や、治癒を遅らせることから、高齢者・小児を除き抗菌剤は投与すべきでないという考えが主流)。

 

動物感染症を防ぐために

上記のまとめとして、動物感染症を防ぐためには、以下の5点が重要です。

これらの点に注意するだけで、大部分の病気は容易に防ぐことが出来ます。

 

1)過剰な接触を避ける(口移しでの餌やり、食器の共用、一緒の布団で寝るなど) 

2)手を洗う(ペットに触った後、野外での土を触った後など)

3)清潔を保つ(ブラッシング、定期的なシャンプー、ペット用品や小屋の清掃、粉塵を吸引しないよう注意)

4)野生動物は飼わない(一般的なペットに比べ情報が少ない) 

5)犬には予防注射をする(狂犬病予防のワクチン接種は法律上の義務)

 

(photoby: //pixabay.com )

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-04掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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