カラダノート家族の健康を支え笑顔をふやす
  1. カラダノートTOP >
  2. ガン・悪性腫瘍 >
  3. 食道がん >
  4. 嘔吐が食道がんの下地をつくる!

ガン・悪性腫瘍

嘔吐が食道がんの下地をつくる!

食道がんになる原因として、日本人に最も多いとされているのが「喫煙・飲酒」です。女性よりも男性のほうが6倍かかりやすいのは、こういった因子が男性には多いからだと考えられます。

 

食道の内壁の表面は粘膜になっており、「扁平上皮細胞」という平たい形をした細胞で覆われています。喫煙や飲酒が原因となる場合、この扁平上皮にがんができる「扁平上皮がん」が多いようです。日本人の食道がんの9割がこの種類のがんです。

 

そして2番目に多いのが粘膜の下の層である「粘膜下層」内部にある食道腺の細胞「腺細胞」ががん化する「腺がん」です。こちらは煙草や酒をのむことが無い人であっても、習慣的に嘔吐を繰り返していると、発生する危険性が高くなる種類のがんです。

 

腺がんの下地を作ってしまう嘔吐・逆流

胃は胃酸によって飲食したものを消化しますので、酸に強くできています。しかし隣接している食道は酸に弱くできています。

 

普段は胃の入り口にある括約筋によって、胃の内容物が逆流しないようにしっかり閉じられているのですが、括約筋の筋力が低下する「逆流性食道炎」や「嘔吐」などにより、逆流してしまうことがあります。

 

強い酸により、食道の表面の扁平上皮細胞が損傷します。これを繰り返していくうちに、食道は身を守るために自らを変化させます。平たかった細胞が円柱状に変化し始め、やがてさまざまな形の細胞が入り乱れた状態となっていきます。

 

このような状態を「バレット食道」といいます。バレット食道はがんになる下地を作っているようなもので、特に腺がんの原因になることがわかっています。

 

無理な嘔吐は他の病気になる下地も作っている

何らかの疾患で嘔吐してしまう場合ではなく、過食や拒食などで無理な嘔吐を繰り返している場合は、やめるために対策をとる必要があるでしょう。

 

嘔吐で十分に栄養を摂取しないことは免疫機能を低下させ、さらに食道がんのリスクが高まるだけでなく、他の病気になる可能性もあります。どうしてもやめられない場合は、専門家に相談するようにしましょう。

 

食道がんは遺伝する?

がんの発生において考えられることが多いのが遺伝によるがんの発生です。親が婦人系の臓器でがんを発症すると子どももその危険があるというのはよくあることです。

 

食道がんの遺伝

がんが遺伝するというとがん遺伝子が親から子へ伝わっていくイメージを持つと思いますが、食道がんの場合指摘されている遺伝はがんそのものの遺伝子性ではなく、食道がんになりやすい体質の遺伝です。

 

アルコール

食道がんにおいて大きな原因の一つに挙げられるのが飲酒です。これはタバコと並ぶ二大原因で、その相互作用も指摘されるほど食道がんに関係が深い要素です。そもそもアルコールはそれ自体発がん性があるものだという指摘がされています。人によってアルコールに対する強さは異なり、日本人、特に女性は一般的にアルコールに弱いとされています。

 

アルコール分解能力

アルコールは体の中に入ると消化酵素によって無害なものに分解されるのですが、この処理速度は人によって異なります。この処理速度が遅い人、つまりお酒に弱い人はアルコールの分解が間に合わず、アルデヒドという発がん性物質が体の中に残ってしまうことになります。殊食道に関してはこのアルデヒドから受ける影響が大きく、そのため食道がんにおいて遺伝的要因が関係するのです。

 

しかし

食道がんの原因は飲酒だけではありませんし、喫煙やその他生活習慣の影響も非常に大きいのです。遺伝的要因という側面で言うのであれば、家族は生活習慣や食習慣を共有する部分が多分にあり、そうした遺伝的要因とは離れたところで、さも遺伝的要因によって食道がんになったと考えてしまうような要素は否定できません。しかしやはり実際はがんのそのものが遺伝するというよりは体質の遺伝という考え方の方が有効に考えられているようです。

 

家族が食道がんを発症したならば、遺伝というよりは同じ生活習慣をしていることに対して注意を払う方が現実的なようです。

 

急に進行が速まる!?食道がん

食道の壁は内側から順番に粘膜、粘膜下層、固有筋層、外膜の4つの層にわかれています。粘膜と筋層の間の粘膜下層には血管とリンパ管が豊富です。日本人が発症する食道がんの多くは食道の粘膜組織から発生する扁平上皮がんが大多数です。

 

食道の周りにある大切な器官

食道がんは食道の内面の粘膜から発生します。粘膜から発生したがんは広がるにつれて粘膜下層、筋層、外膜と広がっていくのですが、食道の周りには気管や気管支、心臓、肺といった大事な器官があるのでがんがこれらの臓器に広がることがあります。

 

血管やリンパ管が豊富な粘膜下層

さて、最初に書いたように粘膜下層には血管やリンパ管が豊富ですし、食道の周囲も同じく血管やリンパ管が豊富です。これによってがん細胞はリンパ液や血流に乗って食道を離れ、食道とは別のところに移動します。リンパに乗ったがん細胞はリンパ節でかたまりをつくり、腹部や首のリンパ節に転移することもありますし、血液の流れに乗ったがん細胞は肝臓や肺、骨に転移することがあります。

 

このようにがん細胞が粘膜下層にたどりついたとき、急に進行速度が速まりますし、他の場所への転移が加速するので、こうなると食道のがん細胞だけを見ていればいいというわけにはいかなくなります。

 

進行速度の速い食道がん

こうした理由から食道がんはがんの中でも進行速度が速いがんの一つとして知られています。進行速度が早速い理由にはこの粘膜下層からの進行の急加速もありますが、初期段階での自覚症状の少なさも理由の一つと言えます。初期に病気に気づけないことが、病気の急速な進行に感じてしまうのです。

 

初期段階での自覚症状のなさと、粘膜下層からの急激な進行の変化が手伝って、がんに気づいたときには、がんが食道から他の場所に転移しようとしている段階だったというケースが多いようです。

 

飲酒・喫煙が好きな中高年男性はリスクが高い!食道がん

歳を取るにつれて、様々な病気になるリスクは増えてきます。

癌もその1つであり、食道がんは特に高い死亡原因として有名です。

 

食道癌の統計

飲酒や喫煙の経験のある中高年の男性に多く、男女比は5:1と言われています。

最近では医学の発展と共に早期診断や早期治療が進んでいるので、早期の食道癌の治療患者数が増えています。

 

食道癌の症状

食道癌は早期は無症状ですが、進行するにつれ下記のような症状が現れます。

 

・食道がわずかにしみる感じがする

・食べ物(特に固形物)が飲み込みづらくなる

・胸の痛み

・声が嗄れる

 

食道癌の発見・検査

造影検査で、食道に形がおかしい影が見られる場合、食道癌の可能性があります。

 

<検査の流れ>

 

1

食道造影・内視鏡による検査

癌の有無を確認します。

 ↓

 

2

生検

細胞を摂取し、癌であるか診断します。

 

3

超音波内視鏡(EUS)やCT、頸部・腹部エコー

癌の進行具合を調べ、治療方法を決定します。

 

食道癌の治療方法

①粘膜内の癌でリンパ節転移(-)の場合

癌がリンパ節に転移していないので、内視鏡的治療が可能なので開創せずに治療が行えます。

 

②粘膜下層(SM)以深の場合

癌が周囲に転移してしまうので、食道の切除や、癌の周囲のリンパ節を結合組織と共に切除する外科的治療や化学放射線治療が必要です。

 

③切除不能な場合

化学療法、放射線治療が必要です。

 

癌は日本における死亡原因の第一位です。

手術ともなると、長時間におよび、出血量も多いので、大変危険です。

 

発症早期は症状が自覚しづらいので、少しでも食道がしみたり、食べ物が飲み込みづらいなど感じることがあれば、早急に医療機関を受診して下さい。

 

逆流性食道炎はバレット食道を引き起こす!食道がんの原因となる食道炎

ほとんど初期症状の無い食道がんですが、がんの引き金となりかねない症状というものがあります。それは食道炎です。食道がんに見られるのどのつかえや体重減少などの症状が出てからでは、がんがかなり進行していて治療が難しくなることがあります。食道炎が慢性化している状態であれば、早めにきちんと治しておくことが重要です。

 

がんが起きやすい状態になる「バレット食道」とは

食道炎を繰り返していると、食道の粘膜の胃に近い部分の細胞が変質してしまうことがあります。これは食道炎などで酸にさらされているうちに、酸に対抗できるようになるために、胃の粘膜に似た性質に置き換わってくるというものです。この細胞に異常が起きている状態を「バレット食道」といいます。日本人の食道がんの原因としては飲酒や喫煙が多いと考えられていますが、欧米ではこのバレット食道がきっかけとなっているものが多いとされています。

 

バレット食道の原因となる病気

バレット食道を引き起こす病気には「逆流性食道炎」があります。これは胃の入り口にあり内容物の逆流を防いでいる「括約筋」の筋力が低下し、内容物が食道のほうへ逆流するという病気です。食道は酸に弱く、胃酸によってダメージを受け食道炎になります。また「食道アカラシア」という、括約筋がしまったままになってしまい、胃に行けず食道に停滞してしまった飲食物により食道炎をおこすという病気も、バレット食道の原因となります。

 

バレット食道を放置することは、がんが発生する下地を作っているのと同じことになります。これらの病気をきちんと治療する必要があります。日本人の食事が欧米化しているため、今後バレット食道がきっかけで食道がんになる率が上がるのではと危惧されています。放置せずに対処するようにしましょう。

 

(Photo by: [http://www.ashinari.com/])

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-13掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

食道がんに関する記事

逆流性食道炎はバレット食道を引き起こす!食道がんの原因となる食道炎

  ほとんど初期症状の無い食道がんですが、がんの引き金となりかねない症状と...

「しみる」感覚には要注意!初期症状は無症状が多い食道がん

食道とは、喉から胃の入口あたりまでのびており、全長約25cmの飲食物の通り道...

カラダノートひろば

食道がんの関連カテゴリ

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る