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健診の血液検査を正しく読んで『肝障害』を早期発見しよう!~検査値まとめ

 

毎年の検査結果を比較することで、『肝障害』の兆候が分かる

 

肝臓は『沈黙の臓器』と呼ばれるように、自覚症状がなく状態の悪化が進行していく可能性のある臓器であり、定期的に健診と病気の兆候がないかをモニタリングしていく必要があります。年に1度の健康診断で受け取る血液検査の結果は、異常値と判定されなければそのまま仕舞ってしまうという人も多いですが、各項目の多くは組織の細胞破壊が起こることで漏出するものであることから、毎年変化を比較することで臓器にどのような損傷が起こっているのか読み取ることが出来ます。以下では、肝臓系の血液検査について詳細を見て行きたいと思います。

 

血液検査で代表的な肝臓疾患を読むには?

 

肝臓疾患には主に【ウイルス性、アルコール・薬剤性、自己免疫性】の3つに分類することが出来ます。慢性肝疾患の約7割が【ウイルス性】であると言われており、まず『HBs抗原・HCV抗体』の異常をチェックすることが必要です。異常がないと判明したら、他の検査項目を見ていくことになります。

 

◆ウイルス性

B型肝炎HBs抗原陽性)、C型肝炎HCV抗体陽性)かどうか?⇒ともに陰性の場合、アルコール性を疑う。

 

◆アルコール性

アルコール性肝臓病アルコールの大量摂取(日本酒換算3合を10年以上、γGTP高値、肥満:BMI>25)かどうか?⇒いずれも陰性の場合、薬剤性を疑う。

 

◆薬剤性

薬剤性肝臓病副作用欄に肝機能障害の記載があるか?⇒無い場合、自己免疫性を疑う。

 

◆自己免疫性

原発性胆汁性肝硬変ALP・γGTP上昇、AST・ALTやや上昇、無症候性の場合もある)

自己免疫性肝炎肝臓の炎症所見:CPRが強い、AST・ALT、γGTP高値、γグロブリン高値)⇒異常のない場合、以下を疑う。

 

<その他の原因>

◆胆道系の異常による肝障害

(γGTP・ALP高値

 

◆遺伝性肝臓病

ウイルソン病、肝性ポルフィリン症、ヘモクロマトーシス(肝機能障害以外に神経・皮膚・眼・などの器官に障害

 

◆ストレス性肝障害

活性酸素増加による細胞損傷

 

血液検査項目の詳細について

 

◆トランスアミナーゼ:AST(旧表記:GOT)・ALT(旧表記:GPT)

 

AST・ALTは細胞内で作られる酵素で(ASTは肝臓・心筋、ALTは肝臓に多く、細胞の損傷程度に応じて漏出する)、体内でのアミノ酸代謝・エネルギー代謝の過程で重要な働きをする。感度が高く肝障害の診断に有効であるが、例外的に病態が進行していても値が上昇しない例があるという報告がある。

 

<代表的な肝疾患>

ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝疾患、肝硬変

 

◆γ-グルタミルトランスフェラーゼ:γ-GTP

 

腎臓に最も多く、肝臓・膵臓にも存在する酵素(血清中のγGTPは肝臓由来:腎由来酵素は血中遊出してこない)で、生体内ではグルタチオン(解毒酵素)の代謝に関与しており、長期間の薬剤服用やアルコール摂取で活性が上昇する。また、胆汁うっ滞や胆管細胞の破壊が生じると、胆汁中のγ-GTPが血液中に漏れ出し、数値が上がることもある。

 

<代表的な肝疾患>

アルコール性肝障害、薬剤性肝障害、胆汁うっ滞、原発性胆汁性肝硬変、(その他胆石、胆道閉塞など)

 

◆アルカリ性ホスファターゼ:ALP

 

肝疾患、特に胆管閉塞症では、胆汁うっ滞により胆汁によって酵素と細胞膜の結合部分が切断されることによって、血中に遊離する。また、この際には同時にLAP(ロイシンアミノペプチターゼ)やビリルビンも上昇する。またALPは骨でも産生されているため、成長期の子どもや骨の病気でも数値が上昇する。

 

<代表的な肝疾患>

胆汁うっ滞、薬物性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、(その他、胆石、胆道閉塞、骨の病気など)

 

◆総ビリルビン

 

総ビリルビンは、老化した赤血球内のヘモグロビン破壊される際に生成される黄色い色素のことで、肝臓で処理される前のビリルビンを『間接=非抱合型ビリルビン』、処理された後を『直接=抱合型ビリルビン』がある。肝障害により胆汁うっ滞が生じると、胆汁中の直接ビリルビンが血液中に漏れ出し、数値が上昇し、また過剰に赤血球が破壊されると間接ビリルビンの数値が上昇する。慢性肝炎、初期の肝硬変ではあまり上昇しないが、肝硬変が進展すると上昇していく。

 

<代表的な肝疾患>

胆汁うっ滞、肝硬変、(その他、胆石、胆道閉塞、溶血性貧血、ジルベール症候群など)

 

◆アルブミン

 

血清たんぱくには、アルブミンとグロブリンがありますが、約67%はアルブミンが占めており、物質の輸送や体液濃度調整に関与しています。アルブミンの低下には【蛋白質摂取不足:低栄養、合成機能低下:肝硬変、ネフローゼ症候群(蛋白尿)、異化亢進:甲状腺機能亢進症】が原因として挙げられる。慢性肝炎、初期の肝硬変ではあまり変動しないが、肝硬変進行で、アルブミン3.0~2.0台の低値となる。

 

<代表的な肝疾患>

肝がん、肝硬変、劇症肝炎、(その他ネフローゼ症候群など)

 

◆血小板

 

肝障害では、肝臓で合成される血小板増加のホルモン・トロンボポエチンが減少するため、血小板値が低下します。また、肝臓が硬くなる(線維化)ことで門脈圧が上昇し、脾臓の機能も亢進することで、血小板破壊作用が上昇します。つまり肝臓の線維化の進展により血小板数が低下し、10万以下では一般的に慢性肝炎から肝硬変へ進展したと考えられています。

 

<代表的な肝疾患>

ウイルス性肝炎、肝がん、肝硬変

 

◆乳酸デヒドロゲナーゼ:LDH

 

嫌気的解糖系の最終段階、ピルビン酸と乳酸の反応を触媒する酵素で、心筋・肝臓などに広く分布。何らかの異常で肝細胞が破壊されることで血液中に漏出する行した癌、転移性肝癌などで上昇することがある。

 

<代表的な肝疾患>

ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、肝硬変

 

◆コリンエステラーゼ:ChE

 

神経伝達物質のアセチルコリンの作用後の分解に関与する酵素で、肝臓で合成されており、肝障害が生じると血中濃度が低下する。また、栄養多過よる脂肪肝では数値が上昇する。

 

<代表的な肝疾患>

低値の場合:劇症肝炎、肝硬変

高値の場合:脂肪肝

 

◆HBs抗原、HBs抗体、HBe抗原、HBe抗体

 

HBs抗原、HBs抗体は、B型肝炎ウイルスの感染状況を示します

 

◆HCV抗体

 

HCV抗体は、C型肝炎ウイルスの感染状況を示しますAST・ALTが異常値を示すときは、ほとんどの場合、現在C型肝炎ウイルスに感染している。

 

 

最後に

 

上記の兆候があった場合、早期に精密検査を受けることが重要です。慢性肝炎の治療薬としては、代表的なものに『強力ネオミノファーゲンC』や『ウルソ錠』などの肝機能改善薬が出ており、それぞれステロイド様作用や胆汁分泌改善・T細胞抑制作用などがありAST・ALTの数値改善に繋がるとされていますので、一度医師に相談することが重要です。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E3%83%9C%E3%83%87%E3%82%A3-%E8%A1%80%E6%B6%B2%E3%81%AE%E5%BE%AA%E7%92%B0-aterien-%E9%9D%99%E8%84%88-%E5%9B%9E%E8%B7%AF-%E8%99%AB%E7%9C%BC%E9%8F%A1-75303/?oq=%E8%A1%80%E6%B6%B2)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-04掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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