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「非小細胞がん」と「小細胞がん」での余命の違いは?~死亡率が高い肺がんの基礎知識~

近年増加の傾向にある肺がんですが、1993年にはそれまでがんの中でも死亡率が1番高く日本人に多くみられる「胃がん」を抜いて1位となりました。かかると死亡率が高いがんです。肺がんはガス交換を行う重要な臓器であり、たくさんの大きな血管やリンパ節が引き入れられていますので、がん細胞が全身に転移しやすいといった特徴が影響しています。また、他のがんでもそうですが、特有の症状が無く、症状が気になって受診した頃にはすでにかなり進行していたということもあります。タイプにもよりますが、基本的には発見が早期であるほど予後は良好であるようです。

 

非小細胞肺がんの場合

肺がんの平均余命は,「組織型」というがんの種類と、「病期」というがんの進行度、その人の体力などによって異なります。組織型を大別したうちの一つ「非小細胞がん」の平均余命を病期ごとにみると、比較的初期であるI期,II期の段階では,5年生存率が50%~70%であるようです。次の段階であるIII期では,5年生存率が20%前後であり、IV期では10%未満のようです。それぞれの病気のタイプや治療の状況、本人の体力・気力によってはこのような統計結果に当てはまらない場合もあるでしょう。

 

小細胞肺がんの場合

細胞が小さく増殖するスピードが速く、転移もしやすいという特徴を持った「小細胞肺がん」は、無治療である場合、比較的初期であっても3~4ヶ月で約50%の人が亡くなっています。全身に転移している場合は1~2ヶ月で半分の人が亡くなっています。局所を対象にした手術よりも、抗がん剤や放射線による治療を行うことになりますが、治療を受けた場合は肺以外に転移していない場合で約50%の人が20ヵ月,30%の人が3年間生存しているというデータがあります。転移が全身に広がっている末期の状態では,半分の人が1年未満の生存となっているようです。

 

 

統計的にこのような生存率となっているようです。それぞれのタイプによっても異なってきますので、主治医の診断が重要となります。

 

胸や肩にも痛みが出現?!痛みが続けば肺がんの疑いが!

肺がんは、男性におけるがんの罹患率第2位で、増加傾向にあります。また、男女ともに、肺がんの死亡率は急速に増加しています。

 

(癌はどうしてなるの?)

肺は呼吸器系の臓器の一つで、肺がんは、肺から発生するがんの総称を言います。実は、肺がんは症状の出にくい疾患で、早い段階で発見するのが難しい病気なのです。癌というのは細胞に発生ます。細胞は通常、分裂を繰り返していますが、過度な細胞分裂に起因して起こる細胞の異常なかたまりを癌と言います。癌は、悪性腫瘍ともいわれており、逆に細胞の異常なかたまりの中でも、命を脅かさないものを良性腫瘍と言い、経過観察などが必要となります。この悪性腫瘍の悪いところは、他の場所に転移してしまう事です。

 

このがん細胞は、まわりの組織を破壊します。しかも、かたまりから分離したがん細胞は、血流やリンパ系に入って体のあちこちに移動します。移動した先でも新しく癌を作るため、最初は肺がんだったのに、気づけば他の臓器も、がん細胞に侵されていることがあります。これを転移と言い、転移した場合は治療が困難になります。

 

(パンコースト腫瘍)

肺の上部(肺尖部)にがんができると、鎖骨などがあり、肺の影が見えにくく、胸部X線検査でも発見が困難です。この場所にできた肺がんをパンコースト腫瘍と呼び、治療も困難です。症状としては、肺尖部から周囲の胸壁に達して神経を侵すことで症状が現れます。最初は腕の内側が痛くなり、痛みやしびれが起きます。そのうちに、胸や肩の痛みが出現します。

 

このような痛みがあって整形外科を受診しても痛みが続くようであれば、呼吸器科か呼吸器外科を受診してみることをお勧めします。

 

病状が進行するまで自覚症状がほとんどない恐ろしいがん!肺癌

日本人の死亡率第一位の疾患

おもな症状は、咳や痰、血痰、胸部痛、背部痛、呼吸困難ですが、病状がかなり進行するまで自覚症状がほとんどないことも少なくありません。

 

患者さんの半数は、病状が進行し、症状が出てから発見されるため、効果的な治療が期待できず、よい経過が望めないのが実情です。

 

肺癌の発生部位は非常に範囲が広く、発生部位によって、肺門癌ろ肺野癌に分かれます。

肺門部は気管から左右の気管支に分かれる中枢部分で、肺野部は、細かく枝分かれする気管支から先端の肺胞までの部分をいいます。

肺門癌は早期から自覚症状が出やすく、胸部X線検査では発見されにくい、逆に肺野癌は早期は無症状のことが多く、胸部X線検査で発見されやすいという特徴があります。

 

また、肺癌は、癌細胞の種類によって、非小細胞癌(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)と小細胞癌のふたつに分類されます。

扁平上皮がん、小細胞がんは肺門部にできやすく、腺がん、大細胞がんは肺野部にできやすいのが特徴です。

 

肺癌は日本人の癌の死亡率第一位で非常に高い死亡率を示す病気です。

とくに男性に多く、40歳以降の中高年からの発症が圧倒的に多く見られます。

 

原因

現在のところ、はっきりとした原因はわかっていませんが、喫煙が大きく関係し、最大の危険因子であることは各種調査によって判明しています。

 

また、腺がんなどは非喫煙者にも多く発症していることなどから、排ガスなどによる大気汚染や、粉じんの多い場所などで長期間従事する職業汚染なども、肺癌の発症に大きく影響すると考えられています。

 

治療

どの病気も同じですが、良好な経過をたどるためには、とくに肺癌の場合は早期発見・治療が何より大切です。

 

肺癌の治療方法は、肺の病巣部分を切除する手術療法が基本となりますが、患者さんや病巣の状態、進行度によって、抗がん剤による化学療法、放射線療法などが併用されて行われます。

 

最近では気管支鏡を使用し、特定波長の低出力レーザー光線で癌細胞を攻撃する光線力学的治療や、胸腔鏡による癌切除手術など、大きく開胸しない治療法も行われています。

 

ただし、小細胞肺癌は転移しやすく、手術での切除が難しいため、化学療法と放射線療法を併用します。

 

肺がんのステージ分類とは?

肺がんは早期発見をすれば治療は難しくない病気ですが、その早期発見が難しいためにがんによる死亡原因として上位を占めています。肺がんの診断治療においてがんがどれくらい肺に広がっているかが重要になります。一般的に言う、がんのステージというものです。

 

非小細胞性肺がんの場合

非小細胞性肺がんとは肺がんの約80%を占めるもので、さらに腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどに分類されます。腺がんは日本で最も頻度の高いがんで性質や進行の仕方が多岐にわたります。次に多いのが扁平上皮がんで、最も少ないのが大細胞がんですが、大細胞がんは増殖が速く進行してしまってから見つかることの多いがんです。

 

潜在期…潜在期のがん細胞は肺から喀出した粘膜中に見られますが、肺を含め胸中のどの場所に病巣があるのか特定はできません。

 

0期…がんの病巣が肺にあると限定できます。がんは細胞層の一部にのみあります。

 

ⅠA期…腫瘍は肺だけに限定され、腫瘍の大きさは3㎝以下です。

 

ⅠB期…腫瘍が3㎝を超え、肺を覆う膜の奥の層までひろがります。腫瘍が気管や気管支をふさぎ、肺炎を引き起こします。

 

ⅡA期…腫瘍が3㎝以下で、腫瘍と同じ側の胸のリンパ節に広がります。

 

ⅡB期…腫瘍が3㎝を超え、肺を覆う膜の奥の層までひろがります。腫瘍が気管や気管支をふさぎ、肺炎を引き起こします。

 

ⅢA期…がんが胸膜、胸壁にひろがります。元の病巣がある側の肺門リンパ節、または心臓や食道のある場所のリンパ節まで転移しています。

 

ⅢB期…がんが元の病巣がある側や反対側の心臓や食道のある場所にリンパ節にひろがったり、胸膜へ転移をしたり、首のつけ根のリンパに転移したり、胸水がたまるなどします。

 

Ⅳ期…脳や肝臓、骨、腎臓など肺の他の場所にがんが転移します。

 

小細胞肺がん

小細胞肺がんとは、肺がんの15~20%で起こり、増殖が速く、脳やリンパ節などに転移しやすい悪性度の高いがんです。ステージは上と同じですが、それ以外に限局型、進展型にわけられることがあります。

 

限局型…がん細胞が片方の肺とその離隔のリンパ節に見つかる。

 

進展型…がんが肺の外に広がり、転移が他の臓器で見つかる。

 

このように放っておくと他の場所に転移するなどして、肺だけではおさまらなくなってしまいます。

 

喫煙の影響は副流煙だけじゃない?!側にいなくても影響がある!サードハンドスモークの恐怖

40歳後半以降の男性に多い肺がんですが、もちろん女性にも罹患する人はいます。そして、その原因の1つと考えられているのが「副流煙(=セカンドハンドスモーク)」。つまり、たばこの煙です。

職場で夫が喫煙者であったり、職場で周囲の男性が喫煙をしている場合は、喫煙をしている本人よりも煙を吸った人の方が有害な物質を吸い込んでいることがわかっています。

 

夫からの受動喫煙で、妻の肺がん(腺がん)が増加

国立がん研究センターから発表されている研究結果では、夫が喫煙している女性の肺がん発生率が高いことがわかりました。特に、夫が1日20本以上の喫煙をしている場合、そうでない場合の2.2倍の確率で肺がんにかかっています。

 

たばこを吸わない女性の肺がん(腺がん)のうち、4割が夫の喫煙が原因

肺がん(腺がん)にかかった女性の4割が、副流煙がなければがんを発症しなかった確率が高いというデータが出ています。

 

側にいなくても影響がある!サードハンドスモークの恐怖

「子供や妻がいる横で吸わなければいい」という考えは、最近の研究で否定されてきています。その正体は、「サードハンドスモーク」。

たばこの煙がしみ込んだ部屋や車内にいるだけで、毒物が体に影響を及ぼしてしまうのです。特に小さな子供や乳幼児には、その影響は大きいと言われています。

 

副流煙(セカンドハンドスモーク)・サードハンドスモークの防ぎ方

●マスク

通常のマスクでは、たばこの煙に含まれる有害物質はすり抜けてしまいます。特殊加工されたマスクならば防げますが、とても日常的に着用できるものではありません。

 

●空気清浄器

空気清浄機では、たばこの煙の中の有害物質を取り除くことはできません。却って室内に有害物質を広げてしまうという報告もあります。

 

副流煙やサードハンドスモークを防ぐには、喫煙者に屋外で煙草を吸ってもらい、喫煙後30分は室内に入らないように注意してもらうのが最善の方法です。

もちろん、喫煙者本人も守るためには、『禁煙』が一番良いことは言うまでもありませんね。

(Photo by: [http://www.ashinari.com/2014/02/15-385901.php])

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-18掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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