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健康診断・健康管理

腎臓病だけでなく癌の有無も知ることが出来る!『尿沈渣』検査について

 

『尿沈渣』について詳しく知ろう!

 『尿沈渣』検査とは、尿中の遠心分離された含有成分を顕微鏡などを用いて詳細に調べる検査で、腎臓病だけでなく癌細胞の存在も調べることが出来る極めて重要な検査です。通常、尿沈渣は試験紙による定性試験に陽性反応が見られた場合、さらにその原因や疾患部位を検査する目的で行われますが、人間ドックなどの総合健診では一度に実施されることが多く、検査結果を読むことが出来れば体の様々な部位の状態をより詳細に把握することが出来ます。以下では、尿沈渣の項目について詳しく見て行きたいと思います。

 

『尿沈渣』では何が分かる?

 尿沈渣では、尿を試験管に入れ遠心分離機にかけた際に沈殿する血球(赤血球・白血球)や、細胞、結晶成分(尿酸)などの固形成分がどの程度含有されているのかを調べることで、腎臓のろ過機能や細胞の脱落によって癌細胞の有無を知ることが出来ます。

 

<尿沈渣検査の手順は?>

尿の試験紙による定性試験(尿蛋白・尿糖・尿潜血)で陽性(+)が出れば行なわれます。方法としては、10mlの尿を試験管に入れ遠心分離機にかけ、沈澱物(赤血球・白血球、尿酸結晶、細胞、細菌)を顕微鏡で観察し、基準値との増減によって病状の経過観察を行います。

 

各検査項目の詳細について

赤血球(基準値:4以下/HPF1視野当たり:400倍顕微鏡で))

通常、健康な状態でも1日に約2万個の赤血球が尿中に排泄されますが、試験紙ではほとんど陰性になります。定性試験の結果、陽性であれば腎臓・膀胱・尿道などに異常(出血)があることが予想されます。また、試験紙の反応に比べ赤血球が少ない場合、糸球体ろ膜が破れて出てきた赤血球が壊れたもの(大小不同性)、もしくは筋肉中のミオグロビンなどの物質が誤って反応したことが原因と思われます。

 

<異常の際に疑われる疾患>

出現する赤血球の形態によって出血部位の予測が可能。

 

均一赤血球⇒尿路・生殖器出血性疾患(膀胱炎、前立腺炎、尿路結石、膀胱癌

 

変形赤血球⇒腎性出血性疾患(糸球体腎炎、IgA腎症、腎盂腎炎

  

白血球(基準値:4以下/HPF

試験紙による定性検査で陽性の場合、沈渣でも白血球が見られ、その増加した種類によって炎症部位や状態を予測することが出来ます。細菌などの場合は好中球増加が見られ、アレルギー性の炎症の場合は好酸球増加が見られます。また、新鮮な尿において死んだ白血球が多く見られる場合、採尿した後に混入したことが考えられます。

 

<異常の際に疑われる疾患>

好中球⇒腎尿路系疾患全般、急性炎症

好酸球⇒アレルギー性膀胱炎、間質性腎炎、尿路変更術後、尿路結石

リンパ球⇒慢性炎症、腎移植後拒絶反応時腎尿路系結核

単球⇒慢性炎症、薬物性腎障害による腎炎

異型細胞⇒悪性リンパ腫、白血病

 

円柱(基準値:1/HPFの硝子円柱をのぞく全て)

円柱とは、通常尿細管由来の分泌物ヒアリン円柱(蛋白の円柱状固形物)を指しますが、病変があると蛋白質の中に様々な異物が混ざります(赤血球・白血球・脂質・上皮細胞など)。混入していると言うことから、尿細管かさらに上流の糸球体で病変が生じたと考えられ、また混入物によってその病変部位が予測できます。血尿があり、円柱中にも赤血球が含まれている場合には糸球体由来のものだと考えられ、慢性糸球体腎炎による可能性が強いことを示しています。

  

<異常の際に疑われる疾患>

正常尿ではほとんど観察されません。種類・性状の観察によって、尿細管の崩壊過程と尿停滞の程度を知ることができ、円柱の数は病変の広がりを示します。

ガラス円柱⇒蛋白尿、健常人でも運動後に出現

顆粒円柱⇒慢性腎炎、ネフローゼ

赤血球円柱⇒急性腎炎、腎出血

白血球円柱⇒腎盂腎炎

上皮円柱⇒尿細管病変

ロウ様円柱⇒腎炎、ネフローゼ

脂肪円柱⇒ネフローゼ、ループス腎炎、糖尿病性腎炎など

 

上皮細胞(基準値:全視野にてひとつも認めない)

尿細管など尿に接する尿路部分には、上皮細胞が被っており、部位によって形状が異なるため、観察によってどの部位の細胞が脱落したのかが分かります

 

<異常の際に疑われる疾患>

立方上皮(尿細管上皮細胞由来)増加⇒尿細管障害

移行上皮(腎孟から膀胱由来)増加⇒尿路の炎症、腫瘍など 

 

結晶成分(基準値:病的結晶(シスチン、チロシン、ロイシン、ビリルビン、コレステロール、DHA結晶)。正常結晶(尿酸結晶)で≧2+の時)

体温から室温に冷却される際に、尿中に結晶が析出しやすくなります(結晶の存在が結石を意味するわけではない)。pH・投与薬剤・食事などによっても変動します。健康な状態でも析出される結晶成分【リン酸塩・シュウ酸塩・尿酸塩・炭酸塩・酸化ナトリウム】

 

<異常の際に疑われる疾患>

シスチン(無色、正六角形板状構造)⇒シスチン尿症

チロシン(針状)、ロイシン(円形放射状)、ビリルビン(針状)⇒重症肝障害

コレステロール(無色、長方形板状)⇒ネフローゼ症候群

 

細菌(基準値:4/視野以下(新鮮尿)

尿沈渣ではしばしば細菌を認めることがあります。白血球が同時に検出された場合は注意が必要です。

 

<異常の際に疑われる疾患>

尿路感染症(大腸菌、緑膿菌、プロテウス、腸球菌など)

カンジダ症

皮膚糸状菌

腟トリコモナス

 

最後に

 前述のように、尿沈渣は腎疾患だけでなくがんや生殖器、感染症など様々な臓器の異常を知ることの出来る、重要な検査です。各検査値の意味する内容を知り、健康の改善に役立てて行きましょう!

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著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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