メンタル
PTSD患者との接し方~大事な3つのポイント 急なフラッシュバックや感情の爆発に気をつけて
PTSDは心的外傷後ストレス障害という病気で、心に与えられた衝撃が後々にまで影響するのが特徴です。
急性のものでは、2011年3月11日に起きた東大震災の津波・地震によるPTSDなどがあります。
慢性的なものでは、虐待、いじめ、強姦、体罰などによって受けた傷でPTSDになることがあります。
ここでは、どちらかといえば慢性的な心的外傷によって起きたPTSD患者への接し方を見ていきます。
1.PTSD患者と接するとき-責めない・威圧しない
慢性的な心的外傷によるPTSDの患者の多くが体験した『心的外傷』とは他人や近しい人から抑圧される体験であることが多いです。
虐待が最もわかりやすいですが、心理的虐待でも暴力でも相手を威圧して自分の思い通りにコントロールしようとする加虐者の心があります。
PTSD患者は抑圧・威圧された経験を『恐ろしいもの』として記憶しているので不用意に責めたり威圧しないように心がけましょう。
2.PTSD患者と接するとき-フラッシュバック中は冷静に-
PTSD患者は発作的に過去のことを追体験し、言動や行動が現在の話ではなく的を得なくなったりもします。
そんなときに接する方が感情的になるとますます大事になりかねないので、冷静になりましょう。
自傷行為や自殺企図などがなければ力ずくで発作を落ち着かせる必要はありません。
3.PTSD患者と接するとき-連携を組む
どんなことが患者にとってNGなのか、フラッシュバックを引き起こすカギとなるのかを事前に知っておければベストです。
そうでなくとも患者の近しい人や医師などと連携をとって、今はどんな段階にあるのか、どんなふうに接しているかを参考にしてみるのもよいでしょう。
PTSD患者と接するときには急なフラッシュバックや感情の爆発にびっくりしてしまうこともあるかもしれません。
まずは冷静になり、責めないことや相手を否定しないことを意識しましょう。
PTSD治療の選択肢の一つ「漢方薬」フラッシュバックに効く漢方とは
つらい体験をした後に、それを何度も思い出してトラウマに感じたりするのは正常な反応です。
これが病的になればPTSDと診断されますが、PTSDの症状が出ても、多くの場合は時間の経過と共に自然に回復していきます。
PTSDはどんな治療をする?
PTSD症状が出ても、自然回復をすればそれでよいのですが、回復しない場合には積極的な治療が必要です。
病院によって取り扱っている治療は若干異なるかもしれませんが、基本的には薬物療法と心理療法があります。
薬物療法はPTSDの症状を軽くするための治療で、疾患そのものの治療には認知療法などの心理療法が行われます。
ただ、PTSDは治療が長期間になることもあります。その間、薬を飲み続けることに抵抗を感じる人も少なくないでしょう。
そんな場合に選択肢の一つとして考えておきたいのが、漢方薬による治療法です。
漢方薬がPTSDに効く!?
漢方薬は効果が緩やかで、しばらく飲み続けてその効果を実感するという特徴があります。
その点で言えばそもそもの治療に時間がかかるPTSDの治療には合っているといえるかもしれません。
具体的に、PTSDの治療に高い効果が期待されている漢方薬には、以下の2種類があります。
桂枝加竜骨牡砺湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
昔から精神的に虚弱な人や、精神的に不安定な人に用いられてきた漢方薬です。
PTSDの治療においては、うつ症状やパニック症状などを減らすことができるとされています。
柴胡加竜骨牡砺湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
桂枝加竜骨牡砺湯に比べると、より体力がない人、気力が低下している人に用います。
特にPTSDの治療においては、精神安定剤として大きな効果をもたらすとされています。
フラッシュバックに効く組み合わせ
PTSDの症状のひとつに、フラッシュバックがあります。自分が体験した出来事を、ふとしたときに思い出してしまうというものです。
そんなフラッシュバックに効くとされている漢方の組み合わせが「四物湯」と「桂枝加芍薬湯」です。
「四物湯」は自律神経が失調した状態をただし、「桂枝加芍薬湯」は腸内でのセロトニン代謝に影響し、精神面での改善効果があるのだそうです。
西洋薬剤から漢方薬に移行しても…
PTSDの治療を開始したときには、西洋医学の薬剤(精神安定剤など)を服用していってもよいでしょう。
そもそも最初はその部分を判断する余裕がないかもしれませんからね。
漢方薬を選択するのは、治療が進んでいってからでもよいでしょう。
精神安定剤などを服用していて、どうしても体に合わないなどの理由で漢方薬に移行していくこともあります。
最初からすべて選ばなければいけないわけではなく、治療の進行と共に医師と相談していけるとよいです。
PTSDに対する治療法、薬物療法と精神療法を理解しよう!
PTSDは、日本語では心的外傷後ストレス障害といい、心に傷、すなわちトラウマを受けた後発症する精神疾患の一つです。
この病気は、生死に関わるまたは重症を追うような出来事を通じて心的に傷を負ったがゆえに、様々な症状がその後現れます。では、具体的に、PTSDの患者には、どのような治療法が現在のところ用意されているのでしょうか。
PTSDの治療法とは
PTSDに関する治療法については、症例が数多くあり、研究結果が集約されつつあります。大きくわけるとPTSDの治療法には二つあり、薬物療法と精神療法があります。
PTSDに対する精神療法
PTSD患者に対してはまずはじめに精神療法が試みられます。
精神療法の一つである認知行動療法とは、認知に働きかけることで患者の精神状態を楽にする療法です。
バランスある考え方を取ってストレスをできるだけ上手に対応することができるように導いていく方法で、誤った認識を正し、症状を悪化させる陥りがちな思考パターンの癖をコミュニケーションを通じて客観的でよりよい方向に修正することを目的としています。
PTSDに対する薬物療法
PTSDに対して薬物療法を行うのは通常成人の患者に限ります。成人のPTSD患者に対しては、SSRI系の抗うつ薬を用いるのが通例ですが、以下の2つの場合に限ります。
・精神療法が成果を上げない場合、または精神療法を行うのが困難な場合
・中等度以上のうつ病が併発している場合
SSRI系の抗うつ薬にはパロキセチンやフルオキセチンなどがあります。
以上のように、PTSDに対しては、治療法として精神療法や薬物療法があり、PTSDの治療にあたっては精神療法が先に用いられます。
そして、精神療法が成果をあげないなどの場合に限って、薬物療法を行うのが通例であるといえます。
周りの人がPTSDを発症したら、どう接するべき?何を優先するべき?
あなたの周りに強いトラウマを抱えている人はいるでしょうか?
心の傷は目に見えない分、周りの人からの誤解も多く、同時に周囲の人間もどう接すればよいのかわからないことが多くあります。
PTSDを抱えた人
ひどくつらい経験の後に、PTSDを発症する人がいます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)はつらい経験が記憶に残り、それがトラウマになって、体験を何度も思い出したり、恐怖感がいつまでも残り続けるといった病気です。
これは特別心の弱い人が発症するものでもなく、圧倒的に大きなストレス下に置かれれば、誰しもが発症する可能性があります。
ですから自分や知人友人が発症しても何らおかしくありません。
PTSDを発症した人に対して考慮すること
自分の周りの人がPTSDを発症したと思われる、あるいはそう診断された場合、その人にどう接すればよいのでしょうか?
周囲の人の接し方は治療の効果を上げるためにも必要なことですので、よく心得ておくとよいでしょう。
PTSDは正常な反応だと理解する
自分の体験に過剰に恐怖を感じたり、その時の記憶を思い出せなくなるのがPTSDです。
それによって生活に支障が出てしまうのですから、他人から見れば苦しいこととは分かっていても、頭のどこかで「いちいちそんなことで」と思ってしまうかもしれません。
しかし当然そうした考えは本人にはつらいものです。
多くの文献などで、PTSDは「異常事態に対する正常反応」と記されています。
それを理解しておくことは本人に接する人の心構えとしても必要です。それにそれを本人に伝えること自体、気持ちの余裕にもつながります。
新たなトラウマを生みやすくなっている
今PTSDを発症している、あるいは過去に発症していたという場合でもそうですが、その場合新たなトラウマを作りやすくなっています。
つまりストレスの多い体験に対して脆弱になっているということです。
その点に注意してあまり無理なことなどをさせないように配慮してあげましょう。
かなり時間を置いてから発症することもある
PTSDは体験後すぐに発症しません。
3ヶ月以内に発症する場合を急性、3ヶ月以上経ってから発症する場合を慢性と分けます。
そのため、体験との結び付けがなかなかできないかもしれません。
特に多いのはその人がした体験が収束し、日常生活が戻ったときに、PTSDを発症するというケースです。
なによりもまず安全安心を
PTSDからの回復は本人が進んで行っていく治療にかかっていますが、周囲の人間ができることはいくつかあります。
その一つが接し方ですし、正しい配慮です。
そして何よりも、本人の安全と安心を優先してあげてください。
もし本人が安全な環境にいられないのならば、犯罪被害者センターなど公的な機関を利用するのも一つの方法です。
(Photo by: http://pixabay.com/static/uploads/photo/2012/12/24/08/39/woman-72153_640.jpg )
著者: カラダノート編集部