健康診断・健康管理
若い女性にもありうる!AST数値が“低い”場合、危険はあるの?
“ASTの数値が高い”場合には、問題視され、食事療法などを行ったり精密検査を行うなどの情報を得ることが出来るのですが、逆にASTの数値が低くて悩まれている方も存在します。
“高い”ことでの対策や話は色々聞くけれど“低い”場合には、どんな問題が起こっているのでしょうか?
“低い”ことはさほど問題ではない?
ASTの数値が低い場合に、考えられる症状・病気・疾患としては腎機能低下や妊娠中、ビタミンB6欠乏などがあります。しかし、低い数値が出てしまった場合でも、さほど心配する必要はありません。
医師に相談をし、ビタミン剤などの処方や、経過観察などで様子を見ていくようになります。
年齢も関係する?!
たとえばAST数値が低すぎると気にされる方の中には、高齢な方も多く存在します。それは、年齢と共に代謝が衰えていることも関係していますし、肝臓も“壊れる細胞がない”状態になってしまっている可能性もあります。
この場合(壊れる細胞がない状態)には、すでに疾患を持って病院にかかっていたり、肝臓の壊死が広範囲になってしまっていた場合にはASTの数値は低く出てしまいます。また、透析中であっても低めの数値が出てしまうことも。
若い女性では一桁代の人も!
ASTの数値が低いことは、文頭でも申し上げたように、とくに問題として取り上げられることはありません。若い年代の女性であれば、中には数値が一桁代の方も見かけます。
年齢や、普段の生活の様子で数値が変動してしまうので、ASTの数値だけでは判断しません。
他の項目と照らし合わせ、異常を見つけるので、ASTの数値が低すぎるからといって異常があるという訳ではありません。逆に数値が高い場合には考えられる疾患や病気がいくつか上げられてしまうので医師から、生活改善の指導をされるケースも増えていきます。
ASTの数値が低いからといって、頭を抱えて悩むような問題ではないということは解りました。
しかし、低い状態が続いていたり、症状として体に異変を感じていたりする場合には、様子を見るのではなく、医師にちゃんと相談をしてみましょう。
検査の結果によっては、重大な病気を発見することもあります。
肝機能の異常を調べるためにはどうしたら良い?
「最近、なんだか肝臓に違和感がある・・・」や「お酒の飲みすぎで肝臓に負担がかかってないかな?」などと心配になったり異変を感じたりしている方はいませんか?肝機能の異常を調べるためにはどうしたら良いのか、考えてみましょう。
『肝臓は物言わぬ臓器』まずは自ら向き合おう
肝臓は、障害が起きていたとしても、体に症状として出ることがなかなか無く、あったとしてもその症状を自覚することが難しいとされています。
肝臓に問題が起きているかもしれない!と感じるころには、すでに肝臓にはかなりのダメージを受けていることも。まずは、自ら、肝臓・肝機能の状態を知ることが大切です。
肝臓・肝機能の異常を知る方法とは?
一番は、検査をおこなう事です。血液検査や尿検査などを定期的に受けることで、発見できます。そのためには、会社の健康診断や、年に1度の人間ドックなどをしっかり定期的に受け、その検査結果をしっかりと見ることが大切です。
「異常アリ」と言われることがあれば、精密検査を受ければよい!という心構えでなく、事前に、「注意しなければならないレベル」の数値を把握しておいて、検査結果によってしっかりと判断することが大切です。
注目すべきは『AST』と『ALT』の数値!
検査結果や診断結果をもらった場合に、もらっただけで満足せず、しっかり見直してください。『AST』と『ALT』の数値は、肝機能に関する数値を示しています。肝機能に関して、異常の有無を知りたい場合には、このAST数値とALT数値を注目してみると良いです。
ASTとALTの数値と肝機能の異常は比例する!
ASTとALTの数値が上がっている場合には、必ず、肝機能に何かしらの原因があると思いましょう。その数値の値にもよりますが、あまりに高い値を示している場合には、早急に病院で検査をうけ、治療を行う必要があります。
肝機能の違和感が、数値として問題アリだと診断されたとしても、その診断結果には、日常的に飲んでいる薬が原因で数値に反映されてしまうということもあります。検査を受ける場合には、しっかりと医師に薬の服用歴や、現在服用中の薬などを伝えることも大切です。
ASTとALTを比較して違いを知ろう!
ALTやASTという値は肝臓の細胞が傷つけられているかどうかを指すものと言われます。しかし、肝臓の不調を指す値になぜ二つの値があるのでしょうか。
ALTとAST
ALTは主に肝細胞でつくられるアラニントランスアミナーゼという酵素のことです。肝細胞に異常が生じるとこの酵素が血中に出てくるため、血液検査で測定することができます。このALTの数値が高い分だけ肝細胞が破壊されているということになります。
一方ASTはアスパラギン酸アミノ基転移酵素という酵素です。これは肝臓だけでなく心臓や腎臓といった他の場所の細胞が破壊された場合にも血中に出されます。
この違いからALTが高い場合は肝臓の異常と特定できますが、ASTだけが高い場合には肝臓に障害があるのかそれ以外の臓器の細胞が障害されているのかわかりません。
考えられる症状
肝臓の数値が高くなる場合、ほとんどの場合でどちらの数値も高くなります。特にALTの大部分は肝細胞に含まれるため、ALTの数値が高い場合には、肝臓の病気が疑われますし、ASTの数値だけが高いのであれば心筋梗塞や筋肉の組織が壊れたという判断をすることができます。
二つを比較して
二つの値が高いといっても、二つの値を比較してどちらが高くどちらが低いということを言えます。この二つの値は以下のように比較することができます。
ALTがASTより高い:脂肪肝、慢性肝炎など
ASTがALTより高い:肝硬変、肝臓がんアルコール性肝炎、心筋梗塞
広く肝臓が不調であると言ってもいまいちピンとこないかもしれません。しかし、二つの値を比較して具体的な疾患の名前が出てくると、より数値に対して実感を持てるのではないでしょうか。
AST・ALTの値が高いときは、筋肉障害の可能性もある!?
肝臓は人間にとって非常に重要な器官の一つです。体内の毒を浄化してくれたりと、小さな臓器ではありますが重要度は高いです。
そんな肝臓の問題を表す数値が健康診断でも測ることが出来るAST(GOT)やALT(GPT)です。
このAST(GOT)やALT(GPT)の数値に関して、注意しなければいけないことが一つあります。それは筋肉障害の影響でASTやALT値に影響を及ぼすということです。
AST(GOT)やALT(GPT)は筋肉細胞にも住んでいる!?
ASTやALTが肝臓病の指標とされているのには、これらの細胞が肝臓に住んでいるからです。
AST(GOT)やALT(GPT)が肝細胞から漏れだし、しかもその血中濃度が高いということは肝臓に何らかの問題があるため、肝臓病の指標として使われます。
ただし、ASTについてもALTについても肝臓だけがその住処というわけではありません。
ASTやALTが住んでいる場所には筋肉細胞もあります。
筋肉障害で偽高値の可能性
人間が運動をするとその分筋肉細胞は傷つきます。これは運動をした結果であり、その後長らく筋肉細胞の異常が見られなければ健康に問題はありません。
ただし、ASTやALTの偽高値が出るケースがあるのが問題点です。
筋肉細胞が傷つくことで、大量のASTやALTが筋肉細胞から血中に流れだし、それが検査結果に影響するケースが見られます。
CKによる測定で確定診断
検査の時に血中で見つかったAST(GOT)やALT(GPT)が肝臓から漏れ出したものなのか、筋肉細胞から漏れ出したものなのかはCKという物質の測定で簡単にわかります。
ですので肝機能には気を遣っている、前回の検査とは大きく違う異常値が出た(生活習慣をそれほど変えていない)というのであればCKの検査をしてみるのがよいです。
ASTやALTの偽高値を引き起こす原因に運動があります。運動で筋肉細胞が傷つくとASTやALTが血中に流れ出してしまうからです。
CKの測定でどこ由来のAST・ALTなのかはわかりますが、CKは一般的な健康診断では行われません。追検査となります。
偽高値を避けるためには、検査の前には激しい運動をしないことが重要です。
著者: カラダノート編集部