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不整脈を薬で治療!でも副作用が心配…抗不整脈薬の副作用ってどんなもの?リスクとなる「潜在性(隠れ)QT延長症候群」や注意すべき既往と薬剤は?

不整脈が出ている場合は薬での治療も考えられますが、薬で治療するとなると副作用のことが気になりますよね。

 

そこで抗不整脈薬の副作用についてまとめてみます。

 

催不整脈作用について 

抗不整脈薬の副作用の中でも特に注意したいのが、催不整脈作用というものです。これは抗不整脈薬によって逆に不整脈が誘発された状態のことです。

 

日病薬誌2007年版の記事を元にして、実際に催不整脈作用が出た例を紹介します。

 

今回の事例で紹介されたのは70歳代の身長156cmの女性、元々は閉塞性肥大型心筋症を持っている方です。心筋症の治療のために飲んでいたアテノロールという薬は不整脈の治療にも使われています。

 

その他に、同じく脈の調子を整えるピルメノールの服用経験があり、倒れる直前には同じく不整脈の薬であるフレカイニドも服用していました。

 

最初にアテノロールを飲み始めてから3年後、女性は歩行中に失神し、心房細動(不整脈の一種)を引き起こしました。個人によって薬を代謝・排泄する力が違うことから、薬の血中濃度が高まり失神や不整脈を引き起こしたと考えられます。

 

口の渇きや頭痛などの副作用もみられます 

また、そのほかに抗不整脈薬にみられやすい副作用として口の渇きや頭痛などもあります。

 

口の渇き、頭痛、めまい、発疹などは一時的な症状となることが多いですが、あまりにも症状がひどく日常生活に対する影響も大きいようであれば病院へ行った方が良いです。

 

不整脈の治療薬は逆に不整脈を引き起こす危険性も秘めているので、服用には注意も必要です。不整脈の薬を飲んでから心臓が痛い、以前のような不整脈の症状を感じるなら早めに病院で治療を受けましょう。 

 

不整脈のリスクとなる「潜在性(隠れ)QT延長症候群」、注意すべき既往と薬剤は? 

QT延長症候群とは、先天性・後天性(二次性)の要因によって心電図を取った際にQTと呼ばれる心拍の波形が正常よりも長く延長してしまう症状のことを言います。この異常な延長によって、心筋の動きに異常が生じ、重症の場合「トルサデ・ポアン」と呼ばれる心室頻拍(不整脈)が生じる場合があります。

 

このQT延長症候群の中でも特に注意すべきであるのが「潜在性」の場合で、先天性の遺伝子多型(異常)を持ちながら心電図には波形の異常が現れず、QT延長作用のある薬剤を使用した際などに通常よりも大きく反応が起こり、先のトルサデポワンのリスクとなるというものです。

 

またその他の潜在性の要因から重症QT延長が起こりやすい特徴として、「特定の遺伝子多型」「複数のQT延長作用のある薬の併用」「心臓病」「電解質異常」「高齢」など様々な要素が挙げられており、20ms程度の大きなQT延長作用のある薬を使用する際には、これらの項目を必ず確認することが必要となります。

 

二次性(後天性)QT延長が起きうる条件とは? 

QT延長を起こしうる明かな兆候(遺伝子多型・失神症状など)がない場合に、二次性(後天性)QT延長が起きる可能性があるのは、以下の条件によります。

 

1)QT時間を延長させる薬剤を服用している 

QT延長の機序は「Kチャンネルの抑制作用」によるものとされていますので、Kチャンネル抑制作用を持つ薬はすべてQT延長症候群のリスクがあると考えられます。

例)一部の抗不整脈薬、抗生剤(マクロライド系)、抗真菌薬、抗ヒスタミン薬、向精神薬、抗うつ薬、抗潰瘍薬、脂質異常症治療薬など

 

2)複数の薬の併用で、QT延長薬剤の濃度が高まっている(特定の代謝酵素を阻害する薬剤を服用する、またはグレープフルーツの摂取などにより) 

QT延長作用をもち、かつ代謝酵素シトクロムP450(CYP)で代謝される薬剤服用中に、ほかのCYPにより代謝される薬剤またはCYP阻害薬を服用し、前者のQT延長作用が増強された場合。

 

3)循環器の活動低下に関わる疾患を持っている 

心疾患又は下記の疾患があればQT延長を惹き起こしやすいと考えられています。

 

■二次性QT延長症候群と関係する疾患

□心疾患 

・心筋梗塞 

・拡張型心筋症・うっ血性心不全 

・肥大型心茄症 

・高血圧(持続的な高血圧で心肥大となる) 

・徐脈(遺伝・老化・薬剤性などで発生) 

・川崎病・心筋炎

 

□心疾患以外 

・電解質異常(低カリウム血症、低マグネシウム血症など) 

・糖尿病(低血糖のリスク) 

・拒食症(低カリウム血症などによる) 

・肝障害時(薬剤の血中濃度増加が生じる) 

・頭蓋内出血 

・甲状腺機能低下症(循環器系の活動低下のリスク) 

・強いストレス 

・女性(男性よりも高率) 

・高齢者(65歳以上)

 

実際の症例でも、後天性で重症不整脈の兆候は見られるか? 

以下の症例の遺伝子解析による結果では、「心疾患以外の薬剤によってトルサデポワンを起こした場合、高率で遺伝子変異が見られ、多くは事前に軽度のQT延長が見られた」と述べられています。

 

■非心疾患薬によって後天性QT延長からトルサデポワンを起こした場合、潜在的遺伝子変異が高率で見られた(上原記念生命科学財団研究報告集, 24(2010) 126.pdf) 

(試験内容)

薬剤性のトルサデポワンをきたした20名の患者を対象に、関連遺伝子の検索を行った(服用薬剤:QT延長作用のある心疾患治療薬/抗精神病薬/抗生物質/抗ヒスタミン薬など)。

 

(結果)

・20名すべてにおいて、「薬剤服用前の軽度なQT延長(446±29ms)」「薬剤服用後の有意なQT延長(616±91ms)」「薬剤中止後は速やかなQT延長の短縮(441±33ms)」が見られた。

・後天性の方がトルサデポワンを発症した年齢に高齢が多かった(先天性:平均19歳、後天性:平均65歳)。

・後天性の方がQT延長時間が短かく、重症度スコアが小さかった。

・遺伝子多型の保有率に関しては、抗不整脈薬群で約20%、それ以外の薬剤群で約80%であった。

・家族歴は見られなかった(先天性では家族歴があった)。

 

⇒まとめると、心疾患治療薬以外のQT延長作用のある薬を服用して重症不整脈を起こすタイプの方は、「薬の服用前から軽度のQT時間異常が見られることがあり」、「その原因は潜在性の遺伝子異常によるところが大きく」「家族歴はなく」「高齢である場合が多い」と考えられそうです。

 

「薬剤処方前の聴取」や「心電図の確認」が何より重要 

潜在性QT延長を事前に予測するためには、遺伝子検査(KCNQ1/KCNH2/SCN5A/KCNJ2/KCNE1/KCNE3)を行うという手段もありますが、現在把握されている遺伝子タイプ以外の関連性(D85Nなど)も指摘されているため、万能ではないと考えられています。  

 

少なくとも、前述の疾患の既往歴があるか、QT延長薬剤を併用していないか、年齢のリスクはないか、服用後の心電図はどうか等を確認したうえで、医師とよく相談されることが重要となります。

 

不整脈を治すペースメーカーの注意点 

徐脈性不整脈など、脈拍の乱れを直すための治療としてペースメーカーの埋め込みという治療法があります。

 

不整脈というのはそれほど珍しい病気でもなく、想像以上に罹患している人がいて、さらにはこのペースメーカーを埋め込む治療を受けている人がいるのです。

 

これはそれだけ多くの人が、ペースメーカーという機械に命を握られている状態にあるということでもあります。

 

徐脈性不整脈の患者が身近にいると言うだけでなく、それ以外の人でもペースメーカーを埋め込み治療をしている人がいるという認識とその注意点を理解しておく必要があるでしょう。

 

普段の何気ない行為が、ペースメーカーの機能を狂わして、人の生命を危険にさらしてしまうことにもなりかねないのです。

 

■ペースメーカーで注意すべきポイント 

1.強い電磁場に近づかない 

●各種溶接機、誘導型溶鉱炉、発電施設、レーダー基地、強い電磁波を発生する機器 

●携帯電話

●ICカード読み取り機

●使用中のIH調理器、IH炊飯器

●低周波治療や電気風呂、高周波治療器、医療用電気治療器など

 

2.ペースメーカーの埋め込み部分を圧迫しない 

●重い荷物を持つことなど制限

●激しいスポーツにも制限

 

ペースメーカーは徐脈性不整脈を正常化させるために、心臓に電気刺激を送るためのものです。

これは使用者にとっては生命を左右するものであり、上記の注意点はそのために遵守しなければならないものとなっています。

特に電磁波を放つものは社会にありふれたものであり、それらを意識して近づかないようにしなくてはいけません。

 

(参考:日病薬誌 プレアボイド広場2007 http://www.jshp.or.jp/banner/oldpdf/p43-11.pdf)

(Photo by: http://pixabay.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-04掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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