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心不全で水分制限をする理由は?心不全になったら気をつけること

 

心不全とは心臓のポンプ機能が低下した状態で、ほとんどの心臓病は重度になればやがて心不全に至ります。

そんな心不全の治療の中で注意したいことのひとつが水分制限です。なぜ水分制限を行うのか、そしてどれくらい水分制限を行えばよいのかを見てみます。

 

血液量を増やすから水分制限をするんです 

心不全の治療の際に水分を制限する理由は『血液量を増やしてしまうから』です。

大量に水分を摂取すると、一時的にとは言えども血液全体の量が増えてしまうデメリットがあります。

 

血液量が増えるということは体の中の血液を流す心臓の負担が増えることにもなるので、水分制限が重症心不全治療の中では欠かせないのです。

 

ちなみに水分を摂取しすぎると心臓がうまく働けなくなって血の巡りが悪くなり、臓器不全を引き起こす可能性があります。

 

水分制限はすべての人には行われない 

心不全ではあってもどうにかコントロールが出来ている、軽度の心不全という場合には特別水分制限をしなくてもOKです。

 

水分制限が必要なのは重度の心不全、心不全のコントロールがうまくいっていない場合などが中心です。

 

医師から水分制限を言い渡されたら水分摂取を気にしましょう。

 

人によっては1日500-600mlの水分摂取をする 

水分制限の量については心不全の重症度や年齢・体格などによっても異なってきます。

 

少ない方では1日500-600ml程度の水分摂取となるケースもあり、体に入れる水分に非常に気を遣わなければならない方もいます。

 

水分摂取を言い渡されてはいないけれど、今後の為にも水の飲み過ぎは防ぎたいと思う時におすすめなのは『2,3口飲んで少し休む』という方法です。

 

体全体が渇いているのではなく喉だけが渇いているのであれば2,3口で十分なこともあります。 

 

 

心不全の進行度合を知ろう!重症度を測る指針  

心不全は、息切れが主な症状です。初期段階では、息切れは運動時に起こります。

しかし、進行するにつれて、安静時にも息切れや動悸が起こります。

これは、血液中の酸素濃度が低下するからです。

 

重症になると、あおむけが辛くなります。上半身を少し起こすと多少楽になります。

他にも、手足のむくみや体重の増加がみられます。

 

心不全は、進行度合いによって、5段階に分けられています 

これは重症度を測る目安にもなります。

 

●0度

基礎疾患の有無に関わらず、心不全は起こっていません。

 

●Ⅰ度 

運動時の息切れがありますが、心不全の兆候が現れている段階です。

しかしこの時点では、心不全ではありません。

 

●Ⅱ度 

心不全を起こした状態です。

運動時の疲労や息切れ、倦怠感、体のむくみがあります。

この段階は通院治療でも十分完治可能です。

 

●Ⅲ度 

わずかな運動時でも息切れがあります。安静時にも息切れや疲労が起こる事もあります。

足のむくみもあり、この段階になると入院治療をしなくてはなりません。

 

●Ⅳ度 

わずかな運動時の息切れや動機、安静時にも同様の症状が見られます。

Ⅲ度との違いは、寝ていても寝られない程の苦しさがあります。

入院治療が必要です。

 

●Ⅴ度 

特に重症の状態です。絶対安静が必要です。

安静時の息切れも激しさを増し、呼吸困難の状態に陥ります。

この段階では、入院治療と安静が必要です。

 

この段階はあくまでも目安です。

初期の0度から徐々に上がっていくものでもありません。

特に0~Ⅲの場合は、無症状に感じる方も多くいらっしゃいます。

また、急性心不全の場合は、急激に悪化し、Ⅴ度の症状が急に出る事もあります。

その為、心臓の状態を年に一回は診てもらっておくことをお勧めします。

 

心不全は、原因となった疾患の治療を同時に行う必要があります。

早く心臓の状態を知っておく事で、治療がスムーズに行え、心不全に対しての心構えが出来ます。  

 

 

うっ血性心不全になったら、生活を改善して再発を防ごう 

何らかの原因によって、心臓の機能が低下する事で、血液が全身に送られにくくなります。その状態を『心不全』と言います。原因は様々ですが、心臓病が主な原因となります。

 

うっ血性心不全は、この全身へ送りだす血液が低下するので、肺や抹消の組織がむくんでしまい、息苦しくなってしまいます。

 

症状は主に、呼吸困難です。他には、肺がむくむ肺水腫の為に、夜間の発作性呼吸困難が特徴です。また、脳への血液が不足する為に、酸素不足へ陥ります。めまいや錯乱、神経障害が出る事もあります。

 

うっ血性心不全の原因は? 

狭心症や心筋梗塞、高血圧からの心疾患、弁膜症、心筋症等が挙げられます。いずれも生命に関わる病です。

 

心不全になったら気をつける事とは? 

心不全になると一番気をつけなければならないのが、高齢者が心不全の場合です。特に、高齢者は心不全になる事で、寝たきりになりやすいと言われています。

 

心不全は安静にする事が必要です。

 

しかし、この安静が寝たきりを招くのです。安静状態が長く続くと、下肢の筋肉が弱ってしまいます。歩けなくなったり、杖や車椅子が必要になったりもします。また心不全の高齢者は、一度回復し退院しても再び入院するという事が多くあります。

 

うっ血性心不全と診断された場合の場合、薬の服用と生活改善、原因疾患の治療に努めましょう。症状の程度によって異なりますが、薬の服用は、強心剤や利尿剤等が使用される事が多いようです。

 

まずは利尿作用を促し、肺等に溜まった水分を排出します。肺からの水分がなくなる事で、息苦しさは多少軽減します。

 

また、原因疾患の治療は、疾患によって治療法が異なりますが、生活改善はご自分でもできますのですぐに始めると良いでしょう。

 

生活改善の4つのポイント! 

・高血圧の方は、減塩食にしましょう。 

一日の目安塩分量6グラム未満を目安にしましょう。

 

・高脂血症の方は、油分の多い食事を減らしましょう。 

和食中心の食生活を心掛けましょう。

 

・喫煙者は、禁煙しましょう。 

どの病気にも共通しますが、禁煙は必須です。難しい場合は、禁煙外来を受診し、禁煙の手助けをしてもらうと良いでしょう。

 

・多量の飲酒をしている方は、なるべく飲まない様にしましょう。

心不全の場合、水分摂取も制限されています。飲まない方が良いでしょう。

 

この4点を改善するだけでも、他の病気のリスクが低くなります。

病気を予防する為にも、健康な体を手に入れる様にしましょう。 

 

 

既存の治療薬を20%上回る効果?!心不全治療の期待の新薬『LCZ696』とは 

心不全とは、心臓のポンプ機能が弱まることで、うっ血・浮腫・呼吸困難などが生じる疾患ですが、現在、その心不全治療薬としては2種類(『心筋の収縮力を増強させる薬』と『血流を低下させることで、心臓への負担を軽減させる薬』)があります。現在の主流としては、主に血流を低下させる薬、中でも『アンジオテンシン系薬(ACE阻害剤・ARB阻害)』が使用される傾向にあり、その改良薬は年々発売されていましたが、臨床成績が飛躍的に向上するような新しいタイプの新薬は数十年間発売されていませんでした。

しかし、現在米国の臨床試験で現行の治療薬を20%程度上回る成績が確認されたとして話題となっている新薬に『LCZ696』というものがあります。以下では、その詳細について、見て行きたいと思います。

 

新薬の詳細について 

『LCZ696』とは、ノバルティス社より発売される予定の、新しい作用機序を持つ新薬で、単剤ではなく【1)アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬+2)ネプリライシン阻害剤との合剤】です。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、既存の薬と同じものですが、『ネプリライシン阻害剤』が新たな配合薬となります。

 

<ネプリライシンとは?> 

ネプリライシンとは、生体に広く分布している蛋白分解酵素の一種で、主に脳と心臓において以下のようなペプチド(蛋白質)分解作用があります。

 

◆脳・・・βアミロイド蛋白(アルツハイマー病の原因の1つ)を分解

◆心臓・・・ナトリウム利尿ペプチド(末梢血管を拡張し血圧降下作用がある)を分解

 

⇒つまり、ネプリライシンは、脳においてはβアミロイドを分解するアルツハイマー薬の『善玉』として働くが、心臓においてはナトリウム利尿ペプチドを分解することで、心不全の『悪玉』として働いてしまう。

 

⇒『LCZ696』は、脳への移行を少なく設計することで、副作用を軽減し、新たなメカニズムの心不全治療薬になると期待されている。

 

<アンジオテンシン系薬との合剤で期待できることとは?> 

アンジオテンシン系薬の作用機序は、血管を拡張させ、心筋の増殖や線維化を抑制することにより、心不全の改善に結び付くというものですが、ネプリライシン阻害薬による作用機序は、ナトリウム利尿ペプチド(ANP・BNP)を増加させ、アンジオテンシン系とは別個の働きで心不全の改善作用が期待出来るため、合剤による相乗効果が期待されています。

 

臨床試験の結果とは? 

ノバルティス社による臨床試験の結果は以下が報告されています。ネプリライシンとの合剤の方が、アンジオテンシン系薬単独よりも有意に血圧を低下させることが立証されていますが、ただネプリライシン阻害剤単独の使用においては、有意な血圧の低下は認められていないことから、現在使用しているアンジオテンシン系薬と合剤を併せた容量での使用が求められています。

 

<臨床試験の詳細> 

◆大規模臨床試験:PARADIGM-HF(ノバルティス社関連会社による試験)

【対象】標準的治療を受けている心機能の低下した中等~重症の心不全患者8442例(躯出率40%以下:心臓の働きの指標)

 

試験内容 

ACE阻害剤(エナラプリル:レニベース)使用群と新薬LCZ696使用群の2グループに分け、ACE阻害剤=20mg/日使用、LCZ696=400mg/日使用し、予後を比較する。

 

結果 

平均の観察期間が27ヵ月の時点で、明確にLCZ696群の方が予後が良いことが確認されたため、試験は途中で中断された。

 

⇒総死亡のリスクはLCZ696の方が16%有意に低く、心臓由来の死亡のリスクも20%、心不全による入院のリスクも21%、それぞれ有意に低くなっていた。

 

⇒エナラプリル20mgと比較して、明確にLCZ696の予後改善効果が示された。 

(参考ウェブページ:六号通り診療所所長のブログ)

 

LCZ696は、現在のところ来年2015年発売予定とされていますが、このまま脳への副作用(認知症の進行性の有無)が問題ないと立証されれば、今後心不全治療薬の標準治療薬になると予想されています。一日も早い新薬の発売が待たれています。

 

 

急性心不全を起こしたらどうしたらいい? 退院後、気をつけること 

心臓の機能が急激に低下すると、全身の血液が滞ってしまいます。

その事で、酸素交換が上手くいかず呼吸困難になったり、全身の血液循環が悪くなりチアノーゼ(唇や皮膚等が紫色になる)になったり、血圧低下でショック状態にもなったりします。

この状態を急性心不全と言います。

 

急激に症状が出る為に、一刻を争う重大な病です。

原因は、急性心筋梗塞が多くみられます。他には、心臓弁膜症や拡張型心筋症等です。

急性心不全になると、激しい呼吸困難や咳、痰、動悸等の症状が現れます。

痰は泡の様な赤身のかかったピンク色のものが出ることもしばしばあります。

手足の冷えや、冷や汗、頻脈、喘息の様な喘鳴等の全身症状も見られます。

 

急性心不全を起こしたら!? 

あおむけで呼吸困難が悪化します。その為、心不全を起こしたら半座位といって、上半身を起こして呼吸を楽にさせます。

酸素吸入や利尿剤、血管拡張剤、強心剤を使って緩和させます。利尿剤を使うと呼吸は多少楽になります。

 

また、同時に行うのが、原因となった病気の治療です。

急性心不全の病状が出たら、必ず救急車を呼びましょう。

高齢者、心疾患を持っている方は特に、自力で行く事は避けた方が良いでしょう。急変する事もあります。

 

退院後、気をつけることって? 

退院した後も、注意が必要です。

再発防止の為にも、食塩と水分は控える様にしましょう。

又、過剰な飲酒も止めましょう。

 

処方された薬は、必ず規定通りに服用する必要があります。

急性心不全の原因にもよりますが、再発する恐れがある場合、家の状態を見ておきましょう。

苦しくなった時に、連絡が取れる状態にする、家族へ知らせるアラームを設置する等、の対策を取っておく事をお勧めします。

 

(Photo by:  http://www.ashinari.com/2014/02/27-386414.php )

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-05-23掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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