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メンタル

不可逆の神経細胞損傷・突然死を引き起こす、合成麻薬『MDMA』の危険性

 

合成麻薬『MDMA』は認知機能低下や突然死など重篤な副作用を引き起こす

 

近年、テレビなどで有名人が覚醒剤や合成麻薬などを所持・服用していたとして逮捕されるという事件を頻繁に耳にするようになりました。覚醒剤と聞くと、白い粉末状のものを思い浮かべる場合が多いと思いますが、現在では覚醒剤の形状も多様化しており一見しただけでは麻薬と分からず、危険性に対する認識も甘くなる例が多く見られます。

 

MDMAもその中の一種で、パステルカラーで可愛い模様が描かれた丸い錠剤であり、一見するとラムネ菓子のようにも見えます。しかし長期的な服用によって、『不可逆的な神経細胞の破壊』が起こり、認知機能低下やパーキンソン様症状など重篤な副作用が生じる危険性があります。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

MDMAとはどのようなものか?

 

<MDMAとは?>

MDMAは、脳内ドパミンとセロトニンを過剰分泌させることで、幻覚を誘発させたり精神的な多幸感・他者との共有感などを引き出させる作用を持つとされる、合成麻薬のことを言います。俗称として、『エクスタシー、×(バツ)、ラヴ・ドラッグ、アダム』などと呼ばれています。覚醒剤の成分である『アンフェタミン・メタンフェタミン』と化学構造が類似しており、中枢神経刺激薬に分類されますが、日本の法律においては麻薬の一種であり『麻薬及び向精神薬取締法による規制対象薬物』です。

 

<MDMAの歴史>

MDMAは1912年にドイツのメルク社が食欲抑制剤(やせ薬)として開発したのが始まりで、1970年代にはアメリカで精神科医によってPTSD(外傷後ストレス障害)の治療薬に使用されたという歴史があります(※PTSD=過去の辛い体験を受け入れられないことが原因の精神疾患であるが、MDMA服用下でカウンセリングを受けると容易に思い出し、事実として受け入れられるという治療法。現在は法規制の対象となっており行われていない。)

 

<MDMAの用途とは?>

MDMAが乱用されるようになったのは1980年前後からと言われており、パーティーで盛り上がる目的や性的快感を高める目的の『レクレーション・ドラッグ(通称エクスタシー)』として、主に若者の間で広まっていきました。MDMAが好まれる理由には複数の間で使用することによって、多幸感が生まれ『他者との共感・心の壁が消え失せる』などの幻覚作用に負うところが大きいようです。

 

重篤な副作用に『不整脈・認知障害・突然死』

 

神経伝達物質が適切な量だけ分泌されるのであれば、精神病薬と同様に有用と言えますが、問題なのは大量に分泌されること、また常習性があること『他の薬物が混入している可能性が高く、その場合効果が掛け算式に増強されること』であると言われています。ドパミン系やセロトニン系の異常亢進により不整脈や、長期間の服用によって平常時の神経伝達物質の生産能力が低下し、認知機能低下やパーキンソン病様症状を引き起こします。

 

<不可逆の副作用>

MDMAの長期使用によって、以下のような不可逆の器質的な障害が生じるといわれています。

1)脳神経細胞の損傷(思考・記憶をつかさどる分野。記憶障害・注意集中困難等。例:霊長類による動物実験で4日間の使用によって6~7年後に脳障害の発生が確認された。

2)セロトニン神経系の破壊(精神機能障害。不安障害・衝動性の亢進・気分障害・パニック障害など)

3)妊娠中の服用による先天性奇形(イギリス国立奇形情報サービスの情報によると、被験者78例中、12例に認められた(15.4%)。)

 

<その他副作用>

◆強い精神依存

◆精神障害幻覚、妄想

◆フラッシュバック

◆血圧上昇、急性心不全

◆離脱時の強い疲労感、倦怠感、脱力感

◆ドパミン過剰分泌による症状不整脈、異常発汗、高体温症

◆脱水症状による随伴作用低ナトリウム血症、急性腎不全、横紋筋融解症などによる死亡)

◆肝臓・腎臓の障害

◆手足のふるえ、しびれ、麻痺

 

※脱水症状による死亡は、MDMAの交感神経刺激作用によって高揚状態になり、疲労を感じることなくダンスし続けることで極度の高体温を生じ、横紋筋融解症・腎不全から死に至るという機序によるものです。

 

最後に

 

上記でも述べましたが、MDMAは医薬品として製造されたものではなく、不純物や他の成分が混ざっていることが多くあるようです。複数の薬物が組み合わされると、予想外に増強された作用を示すことも報告されており、脳細胞への影響から後遺症が残ったり、致死的な症状が生じるなどの事例も数多くあるようです。MDMAをはじめ、薬物の乱用は再生不可能な人体の損傷を招くものであるという認識を持って、関わりを持たないことが大切です。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E8%96%AC-%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%B3%95-%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88-%E8%96%AC%E5%B1%80-%E5%8C%BB%E7%99%82-%E7%97%85%E6%B0%97-%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99-257389/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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