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超音波で、切らずにがん細胞を死滅!最新乳がん治療法『FUS』とは?

 

『メスを使わず日帰り可能』、最新の乳がん治療法とは?

 

現在、乳がんの最新治療として『メスを使わない治療法』に注目が集まっています。中でも『MRガイド下集束超音波療法(FUS)』という治療法は、2004年から臨床試験がスタートした最新治療で、外部から超音波の照射を行い体内で集束され熱に変換し、がん細胞を死滅させるというものです。手術による傷も無いため、日帰りで治療を受けられるというメリットがあります。では、その治療効果はどれ程のものなのでしょうか?以下では、他の最新治療法も含め、詳細について見て行きたいと思います。

 

最新療法の適応基準とは?

 

メスを入れない治療方法としては、以下の3療法が注目を集めています。

 

◆ラジオ波焼灼療法(RFA)

◆冷凍凝固療法

◆MRガイド下集束超音波療法(FUS)

 

それぞれ、治療を受ける条件があり、ほぼ『温存術(乳房を全摘出せずに部分切除する療法)』の場合の条件と同じと言われていますが、腫瘍の大きさに関してはRFAで『2cm』、FUSで『1.5cm』以内と早期発見が条件となっています。現在では、マンモグラフィー検査で小さな早期がんの発見も可能となっているので、条件を満たす患者数も多くなってきていると言われています。その他の条件に関しては、以下になります。

 

<適応基準について>

18歳以上の女性であること。

針生検による浸潤乳癌の確定診断がなされていること。

超音波検査やCT、またはセンチネルリンパ節生検明らかな転移リンパ節がないこと。

乳がんの進行度(病期分類)が、0期~1期であること。

腫瘍の大きさ1.5cm以下であること。

腫瘍から皮膚までの距離1cm以上であること。

腫瘍の位置乳輪乳頭下にないこと。

治療乳房周辺外科手術の既往がないこと。

化学療法、内分泌療法、放射線療法等受けていないこと。

 

また、上記3療法のうち『ラジオ波焼灼療法(RFA)』に関しては、デメリットとして『再発の可能性』が報告されており、注意が必要です(FUSに関しては、現在再発の報告はないようです)。

 

MRガイド下集束超音波療法(FUS)とは?

 

MRガイド下集束超音波療法(FUS)は、前述のように、超音波を集束させてがん部分を焼き、死滅させるという治療方法ですが、メスを使わないため局所麻酔も行う必要が無く、鎮痛剤と鎮静剤のみを投与後、MRI(磁気共鳴画像装置)を使って乳がん部分を特定するとともに超音波を集束照射します。

 

<超音波の照射とは?>

超音波は、人間が聞くことの出来ない高い振動数(約2万ヘルツ以上)の振動波で、人体に安全で副作用なども報告されていません。集束による熱産生とは、黒い紙の上に虫眼鏡で太陽光の焦点を当てると燃えると言ったようなものであると説明されています。

 

<手術の概要とは?>

MRIによって、標的腫瘍の位置を正確に把握し、208本の超音波によって照射・集束することで、腫瘍の一帯だけを温め(60~90℃)、がん細胞に熱凝固を起こさせます。(がん細胞は、60℃で1秒、43℃で4~5時間で死滅する)。

 

<手術の順序>

 

1)治療前に、鎮痛剤・鎮静剤を静脈注射し、閉所での不安を軽減させる。

2)検査着(ガウン)に着替え、MRIの円筒状の機械の中で開始治療。

3)医師・MRI技師が『MR温度分布画像』をモニタリングしながら照射準備を行う。

4)熱を伝えるニードルは乳房に刺入する必要はなく、外から照射を行う。(照射時間:約2分/回×40~50回(2時間~2時間半)、毎回90秒の冷却時間をはさむ)

5)『スポット』と呼ばれる小さな超音波を積み重ねていく(患者が非常ボタンを押すと、エネルギー出力停止する)。

6)死滅させたがん細胞は、取り除く必要は無く、自然に体内分解され正常組織に置き換わる。

5)手術後、傷はまったく残らず、治療後1時間ほど安静の後日帰り可能

 

臨床検査の結果について

 

大阪のブレストピアなんば病院において、2004年4月~翌年2月までの臨床試験の結果が公表されています。

 

<臨床試験について>

 

◆ブレストピアなんば病院でのFUS臨床試験(2004年4月~翌年2月)

 

【対象】適応基準に合致し臨床試験への同意を得た乳がん女性患者28名

【試験内容】FUSを実施後、2週間以内に通常の乳房温存手術を行い(1名全摘)、切除腫瘍を顕微鏡で検査して病理学的な効果を判定する。

【結果】28対象症例のうち15症例で、切除腫瘍は100%壊死させることに成功。残り10症例で、95~97%壊死、3症例で95%未満の壊死となった。

 

⇒その後再発の報告は行われていない。 

 

最後に

 

FUSの現在の問題としては、1)手術費用に関して、現在厚生労働省から保険の承認が行われておらず、臨床試験又は自由診療の形で実施されているため、高額(150万)であること。また治療効果が温存術などとの比較検証が行われておらず、又術後のデータも3年までしか存在しないため、再発リスクの評価が不十分である点などが指摘されています。今後、保険適用と時間をかけた検証によって治療法への確立化が望まれています。

 

 (photoby://pixabay.com/ja/%E5%A5%B3%E6%80%A7-%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88-%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%AD%90-%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB-%E7%BE%8E%E3%81%97%E3%81%95-%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2-259004/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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