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癌生疼痛が起きるメカニズム~鼻副鼻腔がんや骨への転移で伝わる「痛み」

鼻のがんは「鼻副鼻腔がん」といい、鼻と4種類の副鼻腔のいずれかにがんができる場合を指します。できる部位や進展する方向によってあらわれる症状も異なってきますが、狭い空間ですので腫瘍が大きくなってくると比較的早期のうちに症状が出ることもあり、気付きやすい場合も多いがんです。

 

■副鼻腔は4種類8箇所

副鼻腔は4種類、左右対でありますので全部で8箇所存在します。そのうちどこにできるかによって症状が変わってきますので、まずはそれぞれの位置とがんができやすい場所や症状を確認しておきましょう。

 

・上顎洞(じょうがくどう)

左右の頬骨の奥に位置します。副鼻腔の中でも大きな空洞で、最も膿が溜まりやすく副鼻腔炎になりやすい場所です。がんの発生が最も多い副鼻腔です。鼻水や鼻詰まり、血や膿の混じった鼻水、頬の腫れや痛み、歯痛や歯肉痛、眼球突出、頭痛、口を開けにくい、口蓋に腫瘍ができる、など鼻・目・口周辺の症状が出ます。初期は無症状であることが多いのですが、周囲への浸潤が進むとこれらの症状が出はじめます。

 

・全頭洞(ぜんとうどう)

目の上の鼻寄り、眉頭の奥あたりに位置します。

 

・篩骨洞(しこつどう)

目と目の間に位置します。蜂の巣のような形状をしています。副鼻腔の中で2番目に多くがんがみられる箇所です。血や膿が混じった鼻水、眼球突出、耳の閉塞感や聞こえにくくなるなどの症状が出ます。

 

・蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)

目の奥のほうに位置します。篩骨洞より奥にあります。

 

鼻の症状をはじめ、目・口・耳などに異変が起きてきます。風邪や副鼻腔炎、頭痛などが悪化しただけだと思っていたらがんだった、ということもあります。このような症状があらわれたら早めに病院で検査を受けるようにしましょう。

 

がんの痛みは全身に広がる

がんは腫瘍のことですが、具体的にどんな症状が出るのか想像がつかないという方もいます。

がんによって出る症状は色々とありますが、8割のがん患者は痛みという症状を抱えています。がんの痛みにはいくつかの種類があり、全身に痛みが出る可能性も否定できません。

 

●がんが転移したことによる痛み

がんが転移するとしびれや痛みを覚えます。がんの痛みのうち半分以上はがんの転移による痛みといわれています。

 

骨に転移すると痛む部分がわかりやすく、内臓に転移すると全体的にじんわりと痛みが襲ってくるという感じです。内臓転移の場合は、通常の腹痛や胸やけに近い痛みと感じる方もいます。

 

●寝たきりになることで起こる痛み

通常の生活を送っていれば、1日のうちに歩いたり走ったりという基本的な動きがあります。ですが、がんで治療をしていると運動することがないので全身が衰弱していきます。そのために起こる痛みも存在します。

寝たきりになってしまうと褥瘡の可能性もあるので、がん以外の病気でも、長期的な治療を必要とする場合には、これらの痛みに対する治療も必要です。

 

●痛みはある程度抑えられる

いくつかの要因から発生するがんの痛みですが、鎮痛剤によってある程度は取り除くことも可能です。

痛みを抱えたまま長い闘病生活を送るのは楽ではありません。痛みを感じているのであれば、がんだけではなく痛みに関しても適切な治療を受けてください。

 

癌生疼痛が起きるメカニズム~がんが骨へ転移した場合~

がんは最初のうちは、初めにできた臓器や部位のなかで増殖していきます。やがて、がん細胞が血液やリンパの流れに乗って身体中のあらゆる場所に移動し、そこで増殖を開始します。内臓だけでなく骨や筋肉や皮膚などの組織に転移することもあり、このような場所に転移して生じる痛みを「体性痛」といいます。なかでも骨転移による体性痛が起こるメカニズムはどういったものなのでしょうか。

 

骨転移がおこりやすい例

乳がんや肺がんなどは骨転移がおこりやすいがんです。特に肺がんでは、たくさんの血管が肺に出入りしているため、全身に広がりやすいとされています。乳がんでは、比較的若い年齢の人に発症しやすく、高齢者に比べ細胞分裂などが活発なため、がんも進行しやすく骨にも転移しやすいようです。

 

痛みがおこるメカニズム

がん細胞が骨に浸潤してくると炎症が起きる場合があり、それにより痛みを生じさせる物質がたくさん作られ、痛みがおきることがあります。また、できた腫瘍によって骨が圧迫されることでも痛みが出ます。体を動かしたり体重をかけた時に、ズキッと痛むという症状がでることもあります。骨へのダメージが蓄積すると骨がもろくなり、骨折しやすくなります。脊髄が圧迫されて背中に痛みを感じたり麻痺がでることもありあます。

 

骨への転移が見つかったら、進行を抑えるための治療や、痛みを取り除くための放射線治療、鎮痛薬などで対処します。放射線治療を行うと、多くの場合数日で痛みが緩和されてくるようです。薬での治療は症状によって効きにくいもの・よく効くものが異なってきますので、状況に応じて対処します。骨への転移がどの程度すすんでいるかも、様々な検査で詳しく調べることができます。

 

「ズキズキ」「ビリビリ」原因によって異なる癌生疼痛の症状について

がんによる痛みは多くの患者さんが抱えている悩みです。現在ではほとんどの痛みが取り除くことができるものだと言われています。痛みのケアも行う緩和ケアは、末期の患者さんに施されるものだという誤解がありますが、今はがんが宣告されたその時から始まり、進行とともにケアのしかたも変化してくる、というものになっています。

 

また、痛みの治療に使用する「モルヒネ」についても多くの誤解がありますが、適切に使用すれば安全に痛みを取り除くことができます。まずは痛みの治療に恐怖や不安を感じたり遠慮したりせず、自分の抱えている苦しみについて医師に伝えることから治療が始まります。がんの痛みにはいくつかの種類があり、それによって痛みの出方も違うということも知っておくと良いかもしれません。

 

痛みの種類と痛みの出方

痛みの種類とその痛みの出方は次のようになっています。

 

【侵害受容性疼痛】

がん細胞によって組織が傷つけられることでおきる痛みで、次の2種類にわかれます。

 

1)内蔵痛・・・がん細胞に胃や腸などの内臓が傷つけられることでおきる痛みです。痛む箇所が曖昧であり、離れた場所が痛むこともあります。鈍くズーンとした重い痛みであったり、しぼられる、圧迫されるような痛みと表現されます。

 

2)体性痛・・・がん細胞に筋肉や皮膚、骨などが傷つけられることでおきる痛みです。ダメージを受けている場所そのものが痛む場合が多いでしょう。キリキリ、ズキズキと痛んだり脈打つような痛みがおきたりします。

 

【神経障害性疼痛】

がん細胞が末梢神経などを圧迫、損傷することによりおきる痛みです。ビリビリと電気が走るように痛んだり、しびれるような、ジンジンするような痛みと表現されます。

 

それぞれで効く薬も異なってきます。自身の痛みの性質がどのようなものであるかを知るための参考にしてみて下さい。

 

癌生疼痛の痛みの症状を伝えるポイントは?痛みを評価するスケール

がんになると、約8割ほどの人が痛みを感じると言われています。がんが恐れられている理由の一つとして「強い痛み」があげられるでしょう。「がんだから痛みが出るのは当たり前」と思い、我慢してしまうこともあるでしょう。しかし、現在は癌生疼痛の9割は取り除けるものだとされています。WHO(世界保健機関)でも緩和ケアの概念や疼痛治療の方針などが提唱されており、日本でもそれを取り入れた緩和ケアが充実してきています。

 

その痛みの種類や程度は十人十色であり、同じ種類のがん・進行度であっても感じる痛みはさまざまです。正確に症状を把握するには、患者さん自身が痛みについてどのようなものか医師にしっかり説明できること、評価するためのスケールを用いて症状の度合いを見えやすくすることが重要です。

 

痛みを伝える時のポイント

がんの痛みには、がん細胞によって傷つけられることで生じるものやがんに圧迫されることで生じるものなど、幾つかの種類があります。どのような性質ものか判断してもらうには、次のようなポイントをふまえて伝えられると良いでしょう。

・いつから痛むのか

・どこが痛むのか

・程度が強いいのか弱いのか

・どのくらい持続するか

・どんな時に痛みが出たり軽くなったりするのか

・鈍い痛み、刺すような痛み、ズキズキと脈打つような痛みなど、痛みの性質はどうか

・痛みにより一番困っていることは何か

 

これらの項目について、明確に説明できないものもあるかもしれませんが、自分なりの表現でまとめておくとよいでしょう。

 

痛みを評価するスケール

緩和ケアでは、痛みを評価するスケールが用いられている病院も多いようです。主に次のようなものがあります。

 

・VAS・・・痛みの強さを「痛みが無い」を0、「想像できる中で最もひどい痛み」を10として、その中でどの程度なのかを評価します。

・NRS・・・「痛みが無い」という0から「これまでで最悪に痛かった」を10とし、10段階で痛みを評価します。

・フェイススケール・・・描かれた顔の表情を見て、痛みがどの程度に該当するかを評価します。「痛くない」は微笑んでおり、「一番痛い」は苦しい表情で泣いている、といった具合です。

 

これらによって痛みをより正確に把握し、治療に役立てることができます。

(Photo by: http://www.photo-ac.com/ )

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-05掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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