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解離性健忘の治療でもっとも注意したい症状『思い出し』健忘には5つのタイプが!別人格の認知・記憶はどうなるの?解離性健忘の治療

 

過去のことをすっかり忘れ、ある瞬間や出来事の記憶がぽっかりと空いてしまうのが解離性健忘の特徴です。

普通、人間は過去のことを徐々に忘れていくことはあっても、完璧に空白になってしまうことはありません。ぼんやりと消えていくのが特徴です。

ところが解離性健忘では、本当に何があったかまったく覚えていないのです。

 

●解離性健忘とその治療

解離性健忘は記憶の喪失が基本的な症状で、記憶の喪失とともに抑うつ状態になる方も多いです。

過去の記憶の忘れ方は人によって違いますが、すべての記憶がないタイプもいればある特定の期間の記憶がないタイプもいます。

また、その期間の記憶はあるが特定の出来事に対する記憶がないタイプも、解離性健忘の1つの分類です。

治療では薬物療法がおこなわれるほか、催眠や心理療法を用いることもあります。

 

●『思い出し』に注意

物事を忘れる理由として考えられることが、『本人にとってつらい記憶である』ということです。

例えば幼いころに虐待されたことを、大人になるまで忘れていた方などもいます。

その記憶があるとつらくて生きていくのが難しいから、自分で記憶を閉じ込めたとも言えなくはないのです。

そのため、解離性健忘の治療では消えていた記憶を思い出すときには、十分な注意が必要とされます。

本人にとって消してしまいたいほどの苦痛な記憶ですので、向き合うことが出来ずに精神的に大きなダメージを負う危険性があるのです。

医師やカウンセラーによる心理的なケアはもちろん、周囲の人間によるサポートも思い出しの時期には欠かせません。

 

解離性健忘の人が思い出しの時期に来ているとき、周囲の人間はなるべくトラウマに触れないようにしましょう。

葛藤の解決を手伝う医師やカウンセラーと連絡が取れるなら、今患者にとって必要な手助けはなにか確認してみるのも効果的です。

 

 

なぜ忘れる?解離性健忘…健忘には5つのタイプがあります!

「特定の出来事や記憶を想起できない」という想起障害を健忘と言います。健忘は、「自分が自分であるという感覚が失われる」解離性障害においては、ほとんどの場合で起こりうるとされています。

 

 

なぜ忘れてしまうのか?

健忘が起こる原因には、状況依存的学習理論で考える原因と、精神分析的理論で考える原因の二種類があります。

 

状況依存的学習理論でみる原因

人はある状況に依存してその出来事の学習を行います。特定の行動や情動、環境において学習されたことは、しばしば同じ状態を再体験しているときに、より難なく思い出すことができます。

例えて言えば自転車のライトのスイッチは、部屋のベットで寝ているときよりも自転車に乗っているときにより思い出しやすいです。

そこで外傷的出来事の記憶が放棄されると、その時に苦痛であった感情が強く残る為、その時に知った情報もすべて思い出せなくなるのです。

 

精神分析的理論でみる原因

解離性健忘は意識を変容させることによって、負の感情や葛藤、ストレスに対処する防衛のメカニズムと考えられています。

解離性健忘は精神医学における疾患であるため、どちらかと言えば精神分析的理論の原因で語られることが多いように見受けられます。

 

5つにわけられる解離性健忘

解離性健忘は健忘の程度や内容によって5つに分類することができます

 

・限局性健忘…局所性健忘とも言いますが、数時間から数日と言う短時間の出来事の記憶を消失します

 

・選択性健忘…短時間に生じた出来事の一部分を思い出すことはできますが、全てを思い出すことができません

 

・全生活史健忘…全般性健忘とも言いますが、生涯全般にわたって記憶を喪失します

 

・持続性健忘…ある出来事が生じた後から今までの記憶を喪失します

 

・系統的健忘…ある事柄や特定の人に関する記憶を喪失します

 

容易に忘れたものを思い出せてしまうこともありますが、しばしば医師が記憶を想起する手伝いをすることもあります。

 

 

解離性同一性障害患者はこんな特徴を持つんです!解離性健忘の可能性も…!?

解離性同一性障害は、ひとりの人の中に複数の人格状態が形成されてしまっている状態です。この解離性同一性障害はその人の精神の中で起こっているものですから、演技なのか、ふりなのか、そうでないのかという部分を診断に際してはしっかりと見極めていく必要があります。

 

解離性同一性障害でよく見られる特徴

診断に際しては、DSM-Ⅳの規定する診断基準を参考にするのは当然ですが、それ以外にも目の前の患者さんで見られている特徴を注意深く観察する必要があります。

 

 

時間が歪んでいる

時間に空白があったり、連続性がない

自分が覚えていないことを他人からやったと言われる

自分が知らない他人に知り合いと言われる

自分の知らない人に別の名前で呼ばれる

患者が自分自身を別の名前で呼ぶ

患者が自分のことを第三者だという

催眠中あるいは麻酔面接中に他の人格があらわれる

面接の際に患者さんが自分を複数形で呼ぶ

患者が所有するものに見覚えのないもの、説明できないものが存在する

頭痛症状がある

心の中から生じた声を聞く

5歳以下の心的外傷経験が存在する

過去の治療の不成功がある

自己破壊的行為が見られる

思考障害は存在しない

 

他にも性別や年齢などを気にする必要がありますし、同じような症状を持つ境界性人格障害の併発あるいは鑑別を慎重に行わなければなりません。

また記憶に連続性がない場合、それは解離性同一性障害ではなくて健忘を主症状とする解離性健忘の可能性もあります。いずれにせよ他の疾患との鑑別を丁寧に行いながら、焦らずに診断を進めていくことになります。

 

子どもの場合には、自分の中にある人格状態が空想上の遊びの延長あるいはその中にあるものである場合もあります。

解離性健忘の診断は患者に合わせた内容で診断を行う必要があるということです。

 

 

解離性同一性障害だと別人格の認知・記憶はどうなるの?

解離性同一性障害は多重人格とも呼ばれる病気で、複数の人格が1人の体の中に存在する病気です。

元々あった人格を基本人格と呼び、支配時間が長い人格を主人格、主人格よりは支配時間が短い交代人格などがいます。

 

●別人格のことは覚えていないケースが多い

解離性同一性障害の場合、主人格にしても交代人格にしても、そして基本人格にしても他の人格のことは覚えていないケースが多いです。

他の人格の存在及びほかの人格が行ったことについて、ある程度知っているケースもありますが、その場合もすべての人格と記憶を網羅できるわけではありません。

どこかしらに穴があるのが、解離性同一性障害の人格に対する記憶です。

 

●ほかの人格の記憶を持っているなら話が通じるケースも

さまざまな人格の中でも主人格、主人格に近い交代人格の場合はほかの人格への説得役を引き受けてくれる場合もあります。

彼らはその他の交代人格の存在、そして交代人格から得た情報を元にさまざまな判断をしているケースが多いからです。

人格統合の必要性を理解し、人格統合について前向きに考えてくれる人格は治療の際に役立ちます。

 

●空白の時間は『空白』のまま

解離性同一性障害でほかの人格が出ているときの記憶がない場合、『よくわからないが時間が飛んだ』ということで本人の中では処理されることがほとんどです。

解離性障害の仲間に解離性健忘や解離性遁走がありますが、いずれの場合も健忘した時間や遁走したときのことは『よくわからないけど覚えていない』のが特徴です。

このことから、よくわからない、知らない時間、やった覚えのないことの結果(知らない場所にいる、部屋の様子が違うなど)があれば解離性障害の疑いがあります。

 

解離性同一性障害の人格は、必要に応じて作られると考えられます。

心理的なストレスや強烈な虐待体験があればあるほど、1つ1つの物事に対応する人格が出来上がっていきます。

宗教団体と親からの虐待を描いたノンフィクションの『ジェニーの中の400人(ジュディス・スペンサー著)』では、破片的人格(人格の初期のようなもの)も合わせると400人が1人の中にいました。

 

 

忘れた記憶を取り戻す~解離性健忘の治療

強いストレスを心で受け止めきれなくなると、体を守る方法としてその記憶を忘れてしまうことがあります。これは解離性障害の中の一つの症状で解離性健忘と言います。記憶が飛んでしまう範囲は様々ですが、外から見ると忘れたふりをしていたり演技をしているように見られてしまうこともしばしばですので、決めつけずに適切に診断してもらう必要があります。

 

 

診断

診断に際して、医師はまず患者の記憶を間違った方に誘導して、実際のものと異なる記憶を作り出さないようにすることが必要です。そのため医師は自分の行動に細心の注意を払う必要があります。その上で、医師は患者の症状を注意深く観察します。そこでまず記憶がなくなった原因に身体的な要因がないことを確認するために、MRI検査や脳波検査、血液検査などを行います。これによって器質的な原因を排除した上で、心理検査を行います。患者の解離体験の特徴を聞きだし、必要に応じて特定の心理検査を行い、治療計画を立てていきます。

 

治療

治療に際してはまず患者の安心感と患者との信頼関係を整えることが大切です。一定期間記憶が回復しなくてもその後自然と記憶が戻っていくことも十分にありますので、基本的には患者の安心できる環境を作ることが優先されます。

それに対して医師が積極的に記憶を回復させる方法に記憶想起法があります。これは失われた記憶が自然に回復しない場合や緊急に記憶を取り戻す必要がある場合に行われるもので、催眠と薬物療法を利用した面接の中で、医師が過去のことについて質問していきます。これは記憶の失った記憶に対する患者の不安を軽減するとともに、患者が不快によって思い出さないように作り上げた壁を突破、あるいは迂回するのに役立ちます。ただしこの方法では医師は思い出すべき記憶を示したり、不安を引き起こしたりしないように注意する必要があります。そしてこの方法はしばしば正確さを欠く記憶が再生されることもあります。そのため最初に再生される記憶が正確でない場合もあるということを伝えておきます。ただしこの方法で全ての人が記憶を再構築できるというわけではありません。

 

治療後

失った記憶をできるだけ埋めることによって、その人の自己認識の連続性を取り戻すことができます。記憶を取り戻した後も心理療法を受けるなどして改善をはかります。

 

 

どの方法をとるにせよ、患者を丸ごと受け入れる環境が整えられていることが大切です。

 

(Photo by: [http://pixabay.com/static/uploads/photo/2014/03/27/21/09/fear-299679_640.jpg])

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-26掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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