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本人に自覚なし!?脳外傷で起こりやすい高次脳機能障害 血栓性脳梗塞?って何?

救急車

家族が思わぬ事故。なんとか一命を取り留めて、体も今までどおりに動かるようになったみたい。でも、前と人が変わってしまったように感じる。それは、高次脳機能障害かもしれません。

 

脳外傷とは

交通事故や転落事故など外傷によって脳が損傷することを脳外傷と言います。

・脳挫傷

損傷を受けた部分が限局的に損傷を受けている状態

 

・びまん性軸索損傷

脳は、頭蓋骨の中に髄液という水のようなものの中に浮いていて柔らかくそれを外からの大きな刺激によって揺らされると、中心の部分だけ損傷を受けてしまいます。ちょうどカップ入りのプリンを大きく揺すった時の様子を想像してもらえるといいと思います。

 

・急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫など

脳や硬膜と呼ばれる膜の血管が損傷して血液が出て溜まってしまい、脳を圧迫します。外科手術などで治療されます。

 

脳外傷で起こりやすい症状

麻痺はないか、軽度のことが多いですが、高次脳機能障害が起こりやすいです。特に、交通事故などであれば、前から大きな衝撃が加わることが多いので、脳の前側にある前頭葉とびまん性軸索損傷によって中心部にある記憶の回路が障害を受けることが多いのが特徴的です。

前頭葉症状

・注意障害

・判断力の低下

・複雑な状況を理解できない

・スケージュールを立てたり、スケジュールに沿って行動することが難しい

・柔軟に考えることが難しい

・問題解決能力、創造力の低下

・自発性の低下

・抑うつや不安

・興味関心が薄くなる

・自己洞察の欠如(自分自身を的確に認識できない)

・衝動的になる

・自己中心的になる

・機転が効かない

・過度なふざけ症 など

 

記憶障害

・新しいことが覚えられない

・昔の事が思い出せない(思い出せても虫食いになったり、前後関係が曖昧になったりする)

 

自宅に帰ってから気づくことも多い、高次脳機能障害。本人は自覚がなく、「なんともない」と話すことも多いのが特徴です。ご家族で気がついたら、抱え込まずに医療者などに相談してみてください。

 

高次脳機能障害を知ろう!記憶障害とは

高次脳機能障害でよくみられる記憶障害。記憶とは、記憶障害とは一体何なのでしょうか。

 

記憶の分類

記憶の分類は見方によって様々に分類され、その一例です。

 

内容による分類

・手続き記憶:自転車の乗り方、泳ぎ方、シャワーで目をつぶっていてもシャンプーの位置がわかったりなど、いわゆる「体で覚えている」記憶のこと

・意味記憶:百科事典の知識のように、この言葉の意味、このものの使われ方は何だったかという記憶

・エピソード記憶:○月?日~のようなことがあったなどの体験したことの記憶

 

過程による分類

・記銘:記憶の入力

・保持、把握:記憶の貯蔵

・再生、想起:記憶の出力

 

時間による分類

・即時記憶:1分以内程度の記憶の再生

・近時記憶:数分~数時間の記憶の再生

・遠隔記憶:遠い過去の記憶の再生

 

生活の中で見られる記憶障害の症状

記憶障害の症状は人それぞれですが、新しい事を覚えられない前向性健忘と、昔の事を思い出せない逆向性健忘に分けられます。

・同じことを何度も言う

・さっき言われたことを忘れてしまう

・話をしていても部分的にしか覚えていない、肝心な部分を忘れてしまう

・人に尋ねられると、覚えていないことに対して話を作ってしまう

・人の名前、顔を覚えられない

・出来事を覚えられない、思い出せない

・スケジュールを覚えられない、思い出せない

・約束自体を忘れてしまうため、忘れた事を指摘しても言いがかりだと怒ってしまう

・鍋に火をかけていたことを忘れてしまう

・病気や怪我の前後のことが思い出せない など

 

記憶障害の評価

神経心理学的検査にて検査を行います。単語を複数個覚えるといった単純なものから、ニュース記事を覚えたり、タイマーをセットして約束を覚えたりなど日常生活に近い状態をシュミレーションして覚えるものもあります。

各検査ごとに標準値が決まっており、それと比較して記憶障害の程度や、どんなことが覚えにくいかなどを検査します。

 

入院中、自宅退院後にこのような症状が見られた場合は病院などで検査を行い、リハビリテーションや支援の方法の検討を行います。

 

高次脳機能障害を知ろう!注意障害とは

高次脳機能障害で最もよくみられる注意障害。注意障害は全ての機能に影響を与えています。

 

注意機能とは

・注意を維持できる:適切な強さで、持続的に注意を向けていられる

例:授業を一定時間聞いていられる、仕事に一定時間集中して取り組むことができる など

 

・選択的に注意を向けられる:大量の情報から特定の刺激を選択する能力

例:周りでラジオの音や他の人の声が聞こえていても、自分の取り組むべき仕事に集中して取り組むことができる、たくさんの文章の中から目的とした文章を見つけ出すことができる

 

・注意の制御:注意を配分できる、転換できる

例:仕事に集中していても話しかけられるとそちらに注意を向けることができる、作業を中断した後にすぐに自分の仕事に戻ることができる、鍋を火にかけながら材料を切るなど2つ同時に作業ができる

 

 

注意機能が障害されると

・仕事のミスが多い

・やらなければいけないことを見落としてしまう

・たくさんのものの中から目的のものを見つけられない

・仕事に非常に沢山の時間がかかる

・同時に複数の事を進められない

 

例:事務仕事

・書類を作っていても、速度が遅く、誤字脱字も多い。

・書類に書くべき必要な項目を見落として書いていない

・備品を発注しようとしてもカタログの中から目的の品物を見つけることができない

・2つ以上の仕事を頼むと、どちらか一方しかできないか、どちらも中途半端になってしまう

・周りの声に反応してしまって、自分の仕事が進まない など

 

例:料理

・レシピを見ていても、調味料を見落としてを入れ忘れてしまう

・同時に違う料理をつくることができない

・電話がかかってきても気がつかない

・電話に出た後すぐに作業に戻ることができない

・一つづつ調理をするので時間がかかる など

 

注意障害の評価

神経心理学的検査を行います。たくさんの時の中から目的のものを選び出したり、数字やかなの羅列を覚えたりなど机上での検査と、行動観察を行って作業療法士、言語聴覚士、看護師などが評価を行うものもあります。

 

評価は主に病院でも行いますが、評価では見えにくいものも多く、評価では正常値なのに、日常生活では影響があることもあります。家族や同僚など周りの人の評価も大きな参考になります。

 

最近増えているアテローム血栓性脳梗塞って何?

脳梗塞は血管が詰まる原因によって、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞の3つのタイプがあります。

 

アテローム血栓性脳梗塞は、日本人に2番目に多いタイプで、脳梗塞の30%前後を占めており、最近増加傾向にあると言われています。

 

また、TIA(一過性脳虚血発作)が前触れとして一番多く起こるタイプと言われています。

 

アテローム血栓性脳梗塞についてまとめてみました。

 

アテローム血栓性脳梗塞って何?

・脳の太い動脈や頸部の動脈で起こる脳梗塞です。

 

・アテロームは、コレステロールが原因で動脈の内壁にできるどろどろとした粥状のかたまりの事です。コレステロールなどがたまってできたアテロームが破れ、そこに集まった血小板によって血栓ができ、血管が詰まります。

または、血栓が血管からはがれて、動脈に流れていき詰まらせることで起こります。

 

アテローム血栓性脳梗塞の発作

・体の左右のどちらかの手足が麻痺して動かなくなる運動麻痺、体の左右のどちらかの半身にしびれが現れる感覚障害、失語、手足の動かし方が分からなくなる失行、物や概念の認識ができなくなる失認が起こります。

 

・徐々に血管が詰まっていくので、症状は比較的ゆっくり進行します。梗塞がはっきりするまで数時間~数日かかる事があります。

 

アテローム血栓性脳梗塞の起こりやすい年齢と原因

40歳以上で多発しやすいと言われています。また、動脈硬化や動脈硬化を促進させる高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙も原因と言われています。

 

アテローム血栓性脳梗塞はいつ発症するの?

アテローム血栓性脳梗塞の発症の誘引は、急激な血圧の低下、脱水、感染症による血液の濃縮と言われています。

また、日中活動している時間帯や睡眠中などの安静時に起こります。

 

アテローム血栓性脳梗塞の原因である高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙が一つでも該当する人は生活習慣の改善や検査を受診し、アテローム血栓脳梗塞を予防しましょう。

 

日本人に一番多いラクナ梗塞って何?

脳梗塞は血管が詰まる原因によって、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞の3つのタイプがあります。

ラクナ梗塞は、日本人に多く、脳梗塞全体の約35%を占めています。

これは日本人は、細い血管が動脈硬化になりやすい遺伝的な特徴が原因だと言われています。

ただ、最近ではラクナ梗塞は減少傾向で、アテローム血栓性脳梗塞や心原性脳梗塞が増加傾向と言われています。

 

ラクナ梗塞についてまとめてみました。

 

ラクナ梗塞って何?

・脳の深部にある直径0.1~0.3mmの細い動脈(穿通動脈)が、動脈硬化によって厚くなり、血管の中が狭くなったり、詰まって起こる直径15mm以下の梗塞のことをいいます。

 

ラクナ梗塞の発作

・発作の前触れとして、一過性の麻痺、片目の視力障害が起こります。

・発作は比較的ゆっくり進行し、アテローム血栓性脳梗塞や心原性脳梗塞と違い、大きな発作が起こることはありません。

・症状は、体の左右のどちらかの手足が麻痺して動かなくなる運動麻痺、体の左右どちらかの半身にしびれや感覚のにぶさが出る感覚麻痺で、1回の発作だけなら軽症で予後が比較的良好です。

・繰り返し梗塞を起こしたり、知らないうちに梗塞が増えると「脳血管性認知症」、「パーキンソン症候群」の症状が現れることがあります。

 

ラクナ梗塞の起こりやすい年齢と原因は?

・40歳以上で多発しやすいと言われています。

・最大の原因は、動脈硬化を促進させる高血圧です。糖尿病、脂質異常症、喫煙も危険因子です。

 

ラクナ梗塞はいつ発症するの?

・ラクナ梗塞の発症の誘引は、急激な血圧の低下、脱水、感染症による血液の濃縮と言われています。

・睡眠中や安静時の両方で起こります。

 

 

最近は脳ドッグの普及によって、症状がまだ現れていないラクナ梗塞(隠れ脳梗塞)が発見されるようになりました。

40歳を過ぎたら、脳ドッグを受診し、早期発見・早期治療をしましょう。

(Photo by:http://www.ashinari.com/2008/08/20-006803.php)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-05掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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