妊娠・出産
高齢になるほど危険?妊娠高血圧症候群って何?~高齢出産のリスク~
妊娠高血圧症候群とは、一昔前は妊娠中毒症と呼ばれていた症状です。通常、妊婦健診で発覚しますが、特に高齢出産の場合に多く見られる傾向があると言われています。
妊娠高血圧症候群とは一体どのような症状が出て、どのように対処すればよいのでしょうか。
妊娠高血圧症候群とは
妊娠前にはなかった症状で、「高血圧」「尿たんぱく」「むくみ」のうち、妊娠してから1つ以上見られるようになった場合に、妊娠高血圧症候群と診断されます。
妊娠中毒症から妊娠高血圧症候群に名前が改められたのは、毒のようなものの中毒ではなく、妊娠によって起こる色々な生理現象に、母体が上手く適応できないために起こる症状だとして2005年に名前が変更されました。
妊娠高血圧症候群の発症率は年齢で変わる
この妊娠高血圧症候群は、どの年齢の妊婦さんにも起こります。しかし、高齢になるほど発症率も高くなるのです。34歳以下の発症率が11%に対して、40歳以上では30%という、高い確率で発症しているというデータもありますので、高齢出産の場合は特に注意が必要となります。
高齢出産では特に「高血圧」に注意
「高血圧」「尿たんぱく」「むくみ」のうち、一番気をつけなければいけない症状は「高血圧」です。加齢とともに、血管は老化します。妊娠したことで、血液量が増え、血管にはいつも以上の血圧がかかることに。
しかし、老化している血管はその変化に対応しきれません。そのため、高齢であればあるほど、高血圧になり、妊娠高血圧症候群になる確率が高くなるのです。
この症状を軽く見て放っておくと、子宮へ流れる血液の量が減少し、胎盤の働きが低下する場合も。そうなると胎児の発育が遅れたり、母体自体の肝臓や腎臓に障害がおきる可能性もあり、とても危険な状態に陥ります。
妊娠高血圧症候群の対策には「減塩」
妊娠高血圧症候群の予防は、減塩と体重減量が効果的。妊娠前から血圧が高い人や肥満傾向の人は、妊娠したら食生活には特に注意しましょう。
妊婦健診で、妊娠高血圧症候群と診断された場合は、医師の指導を受けて、食事の改善や運動療法等を取り入れて行きます。
産後も高血圧が続くと母乳は禁止
出産後は基本的に、血圧は緩やかに下がり、正常値となっていくことがほとんどです。しかし稀に下がることなく、そのまま高血圧が続く場合があります。
その場合は、血圧を下げることが最優先!そのため、降圧剤という薬を服用することになります。服用中はもちろん母乳は禁止。つまり望む望まないにかかわらず、赤ちゃんをミルクで育てることになってしまうのです。
母乳には色々な免疫力になる栄養素が、豊富に含まれています。今のミルクは、母乳により一層近い成分が入っていますが、母乳をあげるという行為は、栄養分を摂るためだけでなく、スキンシップの時間でもあるのです。
その大事なスキンシップの時間を奪われないためにも、妊娠中から高血圧にならないよう、減塩をしてくださいね。
産後は安静にして血圧を上げない
産後は何かと休まる時間がありません。赤ちゃんへの授乳は3時間ごとですし、その合間に家事をこなしたり、自分の睡眠をとったりと、1日がめまぐるしく過ぎていきます。
また、それによりストレスも溜まってしまい、この生活習慣が高血圧を助長しかねません。特に高齢出産だと、加齢によって自己回復力も低下しているため、ストレスがたまりやすい状況に陥りがちです。
産後は里帰りなどをして、1ヶ月程度は実家でお世話になるなど、周囲のサポートを受けて自分の身体を休めるようにしましょう。リラックスすることが、血圧を下げるいい薬になります。
高血圧はトラブルのもと!普段から減塩を心がけよう
高血圧は妊娠中だけ起こることではありません。そして、妊娠中だけリスクがあるものでもないのです。高血圧は心筋梗塞や、脳梗塞、腎不全などの病気を引き起こすと言われています。妊娠中だけでなく、産後も高血圧にならないよう、減塩を心がけましょう!
著者: カラダノート編集部