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『胃ろう』造設するべきか?年齢に応じた判断基準について

 

『胃ろう』造設するべきか?年齢に応じた判断基準について

 

最近の新聞記事に、胃ろうの造設について以下のようなものがありました。「胃ろうへの誤解 苦痛少なく回復も期待」。胃ろうは終末期医療のイメージがあり、一度作れば二度と離脱できないようなイメージがあり、若い年齢の方でも胃ろうを躊躇う場合が少なくないと言います。胃ろうは静脈栄養と比べ、感染リスクが少なく、また状態が整えば離脱することも可能と言われています。

 

また一方で高齢の方においては、一度作ると離脱が難しく、また生存期間の延長に寄与するという証明がなされていないとして、安易に胃ろうに踏み切るべきではないとされています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

胃ろう造設の基準とは?

 

日本静脈経腸栄養学会のガイドラインでは、胃ろうの造設基準として、『腸から栄養を吸収できる場合は、胃・腸から届けるのが基本であり、その補給期間が4週間以上になると胃ろうが良い(4週間以下では鼻腔チューブ)』とされています。腸が使用できない場合に、血管に栄養を入れる静脈栄養が行われますが、これには苦痛が大きく、感染のリスクが高くなるというリスクがあります。胃ろうは、設置も外すのも容易に出来、穴も自然にふさがれることから、メリットの多い方法ではありますが、『離脱』の問題により造設したくないという人が多く見られます。

 

終末期では離脱は『6.5%』という報告

 

ある医師によれば、50歳で脳梗塞を発症した患者に、胃ろうを造設しても十分離脱は可能である、と説明されていました。しかし、認知症や終末期の高齢者の患者に関しては、Suzukiらの報告では離脱できる確率は6.5%とされています。また、継続する割合を増加させる要因のひとつに、『いったん始めた胃瘻という治療を中止すると、死期を早める可能性がある』ということから、医療者側も家族にも、心理的負担が大きいことから、胃瘻が継続されることが多いと言われています。

 

<日本は軽度でも胃ろう造設する例が多い>

厚労省は、日本の胃ろう造設数が英国の10倍(胃ろう造設数(人口100万人当たり):日本⇒657件、英国⇒55件)と諸外国と比較して多いことを問題視しています。

 

⇒胃ろう造設時に嚥下機能の評価を実施していない事例が22.9%。逆に評価を実施してから胃ろうを造設する医療機関は25.8%にとどまっている。

 

<リハビリ適応者とされる割合は約1割程度>

経管栄養(胃瘻、経鼻胃管)をしている患者の嚥下リハビリ適応者は全国平均では1割という報告があります。

 

胃ろうを造設するか、決める際のポイントとは?

 

では、胃ろうを造設するべきか、何を判断基準とすべきなのでしょうか?以下の4点が重要とされています。

 

1)摂食障害の程度

⇒摂取量が減って痩せが見られるか、咽る頻度、肺炎への傾向。

 

2)患者の病状の程度(アルツハイマー・癌など)

⇒どれぐらいの余命が望めるか。

 

3)認知機能、人間としての高次機能がどれぐらい保たれているか

⇒家族の名前が分かるか

 

4)本人の希望はどうであるか

⇒本人が自分の意思を表現できないときは、元気であったときの本人の生き方、考え方から推測する。

 

最後に

 

胃ろう造設後は、全く経口摂取が出来ないということはなく、『嚥下機能検査』によって嚥下能力が確認できれば、徐々に胃ろうと経口摂取の併用に移行していく場合もあります。胃ろうについてはじめから拒否するのではなく、まずは正しい知識や症例に関する情報を得てから判断することも大切なのではないかと思います。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E6%89%8B%E8%A1%93-%E6%93%8D%E4%BD%9C-%E7%97%85%E9%99%A2-%E5%A4%96%E7%A7%91%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0-%E5%8C%BB%E5%AD%A6-%E5%86%85%E9%83%A8-%E5%8C%BB%E5%B8%AB-%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E5%B8%AB-79584/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-27掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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