妊娠・出産
妊娠するとこんなに変わる?母体の生理学的変化まとめ
妊娠した時の変化は外見だけではなく、体の内部の器官の働きも変化します。今回はそんな、妊娠中の体内の変化についてご紹介します。
循環器の変化
胎児への血液も確保する必要があるため、循環血液量が増加し血漿は約40%増加します。循環血量が増えるとそれだけ心臓に負担をかけてしまいますので、左心部分が肥大し体全体に送られる血液量は多くなります。
そのため、血圧は上昇すると予想されますが、プロゲステロンと呼ばれるホルモンが血管を広げるのでちょうど打ち消しあって血圧は変化しないか、もしくは低下する形になります。
血液系の変化
妊婦さんの体は分娩時の胎盤剥離に備えるため、血液を固めようとする力が強くなってしまうので血栓ができやすくなります。また、白血球の数も増加し、虫垂炎や感染症にかかっていてもその症状を隠してしまうことがありますので注意が必要です。
消化器の変化
プロゲステロンが増えることによって消化器の筋肉が弛緩したり、子宮の拡大によって消化器が圧迫されたりして消化機能が低下してしまいます。そのため、食べ物が胃に残ってしまうことが多く、つわりを引き起こしてしまったり、便秘になりやすくなったりしてしまいます。
泌尿器の変化
プロゲステロンによる尿路の拡大や子宮の拡大による圧迫で尿管が広がってしまうので、尿路感染症のリスクが増大してしまいます。また、これらに加えて循環血液量も増加するので頻尿になってしまいます。
他にも変化は様々ありますが、こうした妊娠中の変化は出産が終わると自然にもとの状態に戻っていきます。体が妊娠前の状態に戻るまでの期間を産褥期といいます。
こうした変化のなかで妊婦さんはさまざまな不調に見舞われやすく、無理をしないようにしましょう。
同時に、こうした体の変化を深刻に受け止め過ぎないこと、かつ異変を感じたらすぐに医師に相談することが必要になります。自分では異常なものか自然な変化か判断しづらい場合がありますので自己診断してしまわないことが大切です。
(Photo by http://pixabay.com/)
著者: カラダノート編集部