不眠・睡眠障害
熱帯夜の快眠のための効果的なエアコンの使い方と注意点
夏の熱帯夜は頭寒足熱、頭を冷やせ!家の中にあるもので頭を冷やす方法とは?
夏の熱帯夜の中では、なかなか「眠りにつく」ことが難しいです。冷房をつけてもいいですが、ずっとつけていると冷えてしまいますし、料金もかさみます。そんなときに使える快眠テクニックが「頭寒足熱」です。
頭寒足熱ってなんだ
頭寒足熱というのは、睡眠そして健康につながる方法として、昔から言われています。文字通り「頭を冷やして足を温める」ということで、夏の場合は基本的に暑いですから足を積極的に温める必要はなく、頭を冷やしてあげることで、頭寒足熱になります。
どうやって頭を冷やせばいい?
頭を冷やす方法は色々とあります。できれば頭と同時に、太い血管が通っている首も冷やしましょう。具体的に頭を冷やす方法としては以下のようなものがあります。
・氷枕を使う
・少し濡らして冷やしたタオルを枕に乗せる
・熱を冷ましてくれるシートを張る
・保冷剤適量をくるんで枕カバーに入れる
家の中にあるものでもできますので、すぐに始められると思います。
どうして頭や首を冷やすのがいいの?
熱帯夜で熱いのは全身なのに、どうして頭や首を冷やせばいいのでしょうか。
そもそも人は眠るときに、体の機能をエコモードにするため、体温も下がります。ですが夏の気温では、どうにもうまく体温を下げることができません。そこで外から体を冷やしてあげるのがこの方法です。
どうして頭や首だけでいいのかというと、頭や首には血管が集中しているからです。この部分の血液が冷やされれば、冷やされた血液が体に回って体温が下がりやすくなります。さらに頭を冷やすことによって、脳が「冷たい」という感覚を受け取りやすくなるのです。
頭や首を冷やすだけならば、手軽にできます。ただしやりすぎてしまうと、今度は体は冷えすぎて、体が体温を上げる方向に働いてしまう可能性がありますので注意してください。
気持ちが良くてもガンガンに冷やしすぎないこと、ある程度気持ちよく冷えたら冷やしているものをとることをしてください。
暑い夏だから寝ているときもクーラーを…これって大丈夫?就寝中のクーラーの悪影響
暑い夏は寝るのも一苦労。ついつい、クーラーをつけて部屋を快適にして寝てしまいます。
しかし、クーラーを使ってしまうことは睡眠リズムを崩すといわれています。
具体的にはどのような点で悪影響があるのでしょうか。
就寝中のクーラーの悪影響
クーラーは室内温度を一定に保つことができ、極端に低くしなければ問題ないと考える人もいます。
しかし、通常温度設定のときに睡眠中の体温低下を考慮していないため、眠りを浅くしてしまうのです。睡眠中は体の中で代謝量を抑える機能が働き人間の体温は低下していき、安静状態となります。
このことは逆に言えば人体が無防備な状態になり、体の抵抗力は弱まります。
起床する2-3時間前には1度ぐらい体温が下がり、そこから起床時に向かって徐々に上昇していきます。
このように体がもつ体温の調節機能があるにもかかわらず、活動中の体温に合わせて快適だと感じる温度設定をしてしまうと、抵抗力が弱まっている体により一層負担をかけることになるのです。
そのため、クーラーをかけて寝た翌朝に、腰痛や腹痛、関節痛・胃腸障害、肌荒れなどが起こりやすくなり、風邪を引いてしまう人もいるのです。
激しい温度差も要注意
また暑い夏は気温差が非常に大きい環境に身を置きます。
外は炎天下で暑い一方で、室内に入るとクーラーがガンガンきいた状態で、人は快適に感じるかもしれませんが、人体の体温調節メカニズムには大きな負担を与えているのです。
これらが頻繁に繰り返されると活動と休息・睡眠を司る交感神経・副交換神経のリズムに乱れが生じます。
その結果、神経が高ぶって眠れなくなったり、深い睡眠が得られなくなったりするのです。
クーラーは確かに便利ですが、安易に使ってしまうと体にダメージを与えてしまうので、慎重に使ったほうが良さそうです。
知っておくべき!夏の快眠のために効果的なエアコンの使い方・使うときの注意点
夏は寝苦しい夜が続きますが、エアコンを上手く利用することで快適な睡眠を得ることが可能です。では、どのようにエアコンを使えば良いのでしょうか。
快適な睡眠を得るための室内環境とは
そもそも夏場に快適な睡眠を得るための室内環境についてしっかりと理解しましょう。まず室温ですが、26度ぐらいが快眠を得るためにベストな温度とされています。この温度は日中のエアコンよりもやや低めである点がポイントです。
また、湿度ですが、湿度は50-60%が快眠には最適とされています。夏の湿度はだいたい70%以上になります。
快適な室内環境を作るためのエアコンの使いかたとは
エアコンで室温を下げると湿度もあわせて低下しますが、できれば湿度計を用いて室内の湿度を把握しておいたほうが良いでしょう。
温度が数度高いぐらいであれば、エアコンの除湿モードを使えば、冷房を使うよりも電気代を節約できますし、湿度もあわせて下げられるので一石二鳥です。
エアコンを使うときの注意点
エアコンを使うときに気をつけなければならないのは、直接エアコンからの風が当たらないようにすることです。風が直接当たってしまうと体の一部が冷えすぎてしまい、血行不良の原因になります。
夜の眠気のメカニズム
では、どうして日中よりも温度を低くした方が良いのかというと、体温が低下することで眠気を強くさせることができるからなのです。
寝る2時間前にお風呂に入って体の芯から温めるのが良いとされていますが、それはどうしてかというと、その後の体温低下をよりしっかりと実現できるからなのです。
入浴などで上昇した体温が26度の寝室で冷やされていく中で快適な睡眠へと誘ってくれるのです。
以上のように、体温が低下する中で眠気を強めていくというからだのメカニズムがあるので、エアコンをうまく使って体温を低下させ快適な睡眠を実現しましょう。
(Photo by:足成 )
著者: カラダノート編集部