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健康診断・健康管理

夏の疲労回復に有効な『補中益気湯』とは?~慢性疲労症候群(CFS)の治療法から

夏は、暑さによって体力が奪われるだけでなく、室内外の気温差によって、自律神経が乱れ疲労や様々な症状が現れます。

疲労を回復したい、という時に思い浮かぶのが『クエン酸』『アルギニン』『ニンニク注射(ビタミン複合剤)』『スッポン(アルギニン)』『エゾウコギ(エンドルフィン)』など様々なものがありますが、国立健康食品の有効性・安全性情報などによると、いずれの代替療法も明確な疲労回復の臨床試験結果がない(あるいは大きな効果が見られない)と報告されています。

 

上記の中で最も効果であり、静脈注射であることから効果がありそうなニンニク注射でも、5割の医師は効果に疑問があり推奨しないとされています。

 

では、効果に信頼が持てる疲労回復方とはどのようなものでしょうか?

そのひとつに『補中益気湯』『清暑益気湯』いった漢方が挙げられています。以下では、慢性疲労症候群の治療法とともにその詳細について見て行きたいと思います。

 

体力が低下した際に処方される漢方とは?

 

漢方薬の中でも、『人参』『黄耆』を含んだものは、気力と体力の回復が期待できると漢方処方を行う医師によっても推奨されています。人参と黄耆を含んだ漢方薬には以下のものがあります。

 

<人参と黄耆を含み気力回復効果のある漢方>

◆補中益気湯(ほちゅうえっきとう)⇒疲れ全般

◆十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)⇒貧血様症状や皮膚のカサカサがあるとき

◆人参養栄湯(にんじんようえいとう)⇒冷え性

◆大防風湯(たいぼうふうとう)⇒リウマチ患者

◆帰脾湯(きひとう)⇒不眠

◆加味帰脾湯(かみきひとう)⇒不眠

◆半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)⇒めまい

◆清暑益気湯(せいしょえっきとう)⇒泌尿器疾患

◆当帰湯(とうきとう)⇒腹部膨満感や腹痛

◆清心蓮子飲(せいしんれんしいん)⇒残尿感、頻尿

 

慢性疲労症候群への漢方治療(臨床試験)について

 

『慢性疲労症候群(CFS)』は、原因不明の強度の疲労が長期間(一般的に6ヶ月以上)に及び継続する病気で、身体や思考力両方の激しい疲労とともに日常生活が著しく阻害されると言う疾患です。

その発症原因は、【感染症・ストレス・遺伝・アレルギー・化学物質】など様々なものが推測されていますが、未だ特定にはいたっていません。

 

<CFSの診断9項目>

CFS患者の疲労の程度は、PS値(パフォーマンス・ステイタス)により判断されます。CFSでは、通常PS値が3~9の間と言われています。

 

1)通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、疲労を感ずるときがしばしばある。

2)通常の社会生活はでき、労働も可能であるが、全身倦怠感のため、しばしば休息が必要である。

3)全身倦怠感のため、月に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。

4)全身倦怠感のため、週に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。

5)通常の社会生活や労働は困難である。軽作業は可能であるが、週のうち数日は自宅にて休息が必要である。

6)調子のよい日には軽作業は可能であるが、のうち50%以上は自宅にて休息している。

7)身の回りのことはでき、介助も不要であるが、通常の社会生活や軽労働は不可能である。

8)身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就床している。

9)身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。

 

<CFSへの漢方治療の効果は?>

近年、名古屋大学医学部附属病院の研究で『慢性疲労症候群』への漢方治療が実施されました。

 

【対象】名古屋大学医学部附属病院CFS外来を受診し漢方診療を行った18名(女性12名、男性6名)

【試験内容】問診および舌診による証に従い漢方処方を行う。方剤は以下の12種類

◆虚実分類

◇虚証:補中益気湯、人参養栄湯、六君子湯、八味地黄丸

◇実証:柴胡加竜骨牡蠣湯、柴胡桂枝湯、五積散、調胃承気湯

◇虚実錯雑証:加味逍遙散、当帰芍薬散、清暑益気湯、温清飲

 

【結果】漢方治療6ヵ月後の時点のPSスコアは、初診時のPSスコアに比べ有意に改善し(2.3±1.5vs4.7±1.4、mean±SD、p<0.01)、18名中16名(89%)で改善を認めた。

⇒CFS治療の目標地点の一つが、「通常の社会生活が出来ること」とすると、PS値レベル2以下が目標ということになる。初診時にレベル3以上の患者は18名中16名で、漢方治療6ヶ月の時点でレベル2以下にまで改善した者は7名(44%)であった。

 

最後に

疲労に効果のある漢方処方は、この漢方を飲めば誰でも効果があるというものではなく、証による診断が重要です。以前処方された漢方が体質に合っており、効果があったという場合でも、証が変われば効果がなくなることも多いと言います。市販のものを自己判断で購入するより、一度専門家に診断してもらうことが大切です。

 

(photoby://www.ashinari.com/2012/04/16-360888.php

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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