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遠近両用の水晶体手術が可能?!白内障の先進医療『多焦点眼内レンズ』とは?

加齢によって生じる『老人性白内障』とは、眼内レンズである水晶体という組織が白く濁ったために(たんぱく質の変性)、外界の光が眼内へ十分入らなくなった結果、物が見えにくくなるという病気です。これまでの白内障に対する治療法は、化学療法では病気の進行を遅らせる点眼薬・飲み薬が主であり根治療法とは言えず、また外科手術では、『単焦点レンズ』という遠近の焦点を調整できないレンズを用いるため、遠近どちらかに焦点を合わせると、もう一方を眼鏡で補わなければならないという問題がありました。

 

近年、この問題に対し『超音波による水晶体摘出法』という安全性が確立された手法とともに、『多焦点眼内レンズ』という遠近両用に対応できる水晶体手術が先進医療として認可され、眼鏡無しでも快適な視界が保てることから非常に注目を集めています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

多焦点眼内レンズとは?

 

眼内レンズとは、白内障で濁った水晶体を音波乳化吸引装置で摘出し、その代わりに挿入する人工レンズのことを言いますが、先進医療である『多焦点眼内レンズ』とは、遠近両用の機能を持った人工レンズのことを言います(近方では、30~40cmの距離で新聞程大の文字が読めるようになる)。

 

<レンズの構造は?>

回折型のレンズで、遠く用の焦点に65%、近く用の焦点に35%光が集まるように設計されており、特に目線や顔を意識して動かさなくても自然に遠方も近方も見ることができます。(ドイツCarl Zeiss社のAT.LISA)

 

<多焦点眼内レンズには2タイプある?>

『多焦点眼内レンズ』は、遠近両用で便利な反面、『ハローやグレア』という光の散乱により通常よりも光が眩しく見えるという難点がありました。(製品例:アメリカAMO社のArray(アレイ))

 

しかし、この難点を克服したレンズが『多焦点調整可能眼内レンズ』と言われる、ハロー効果が出にくいタイプのレンズです。(製品例:AMO社のReZoom(リズーム))

 

この新タイプのレンズでは、手術の安全性も向上しています(切開創6~7mm⇒2~3mmに縮小。シリコン素材で折り曲げて挿入できるため、術後の乱視のリスクが下がる)。

 

<臨床試験の結果について>

『多焦点眼内レンズ』と『多焦点調整可能眼内レンズ』の臨床試験の結果について、以下が報告されています。

 

◆多焦点眼内レンズ(例:アレイ装着時)

【単焦点眼内レンズとの比較】遠見時の裸眼視力⇒両製品同等、近見視力(1.0以上)⇒多焦点レンズ:28%、単焦点レンズ:7.3%

【ハローやグレアの発生比率】多焦点レンズ⇒41%、単焦点レンズ⇒9%

 

◆多焦点調整可能眼内レンズ(例:リムーズ装着時)

【遠方or中間視用メガネ非使用率】遠方⇒93%以上、中間視用⇒92%以上が眼鏡を必要としない。(※中間視:パソコン使用時など)

 

<まとめ>各レンズのメリット・デメリットとは?

 

『単焦点レンズ』、『多焦点眼内レンズ』、『多焦点調整可能眼内レンズ』の3タイプの人工レンズのメリット・デメリットは以下のとおりです。

 

◆単焦点眼内レンズ

◇メリット

1)健康保険の適応なので、手術費用が安い。

2)焦点を合わせた距離がはっきり見える。

3)夜間の光のまぶしさやにじみが出ない。

◇デメリット

1)遠方に焦点を合わせた場合は老眼鏡が、近方に焦点のある場合は遠方用のメガネが必要になる。

 

◆多焦点眼内レンズ

◇メリット

1)遠・近ともにある程度眼鏡なしで見える。

◇デメリット

1)夜間や暗所などで、光が強く・にじんで見える(通常は日常生活に影響しない程度)。

2)近方では30~40cmの距離に焦点が合うよう設計されているこれより距離が離れると見えにくくなる)。

3)細かな文字(辞書など)を見る際には、老眼鏡が必要になる。

4)視力が安定して自然な見え方になるまで3~6ヶ月かかる場合がある。

5)健康保険の適応外なので、手術費用が自費になる。

 

◆多焦点調整可能眼内レンズ

◇メリット

1)遠・近ともにある程度眼鏡なしで見える。

2)夜間や暗所での光のにじみ(ハロー・グレア)が出にくい。

◇デメリット

1)乱視用レンズがない(乱視矯正の場合、白内障手術の後にレーシックが必要になる)。

2)細かい文字などを見る際には、老眼鏡が必要になる。

3)視力の安定まで3~6ヶ月かかる場合がある。

4)健康保険の適応外なので、手術費用が自費になる。

 

最後に

 

現在の治療費としては、公的保険の適用ではないため、片側で約30万~40万円程度と非常に高額であるのが問題となっています。早期に保険適用となることが望まれています。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%8D-%E8%AA%AD%E3%81%BF%E5%8F%96%E3%82%8A-%E5%AD%A6%E3%81%B6-%E6%9C%AC-%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%88-%E8%9B%8D%E5%85%89%E3%83%9A%E3%83%B3-%E3%83%9A%E3%83%B3-%E7%9F%A5%E7%9A%84-272401/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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