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鳩の糞に含まれる菌が人の体の中に入って、感染症を起こす!?危ないクリプトコックス菌の症状とは?治療に使われる薬にはどんなものがあるの?

 

自然の中にはいろいろな病原菌がいるものですが、鳩の糞に含まれる菌が人の体の中に入って、感染症を起こすことがあります。真菌の一種である、クリプトコックスによって引き起こされる、クリプトコックス症はその中のひとつです。

 

多く見られるクリプトコッカスによる髄膜炎

免疫不全患者(HIV患者、ステロイド長期服用者、臓器移植後の患者、がん患者など)において、髄膜炎を発症する原因は多岐にわたります。ただその中でも多いのが、クリプトコッカスによる髄膜炎です。

このクリプトコックス髄膜炎の2~3割は免疫が正常な場合にも起こりますが、免疫不全者に比べると症状はごくごく軽いことが多いです。

 

クリプトコックスが全身に広がる!

原因菌であるクリプトコックスは、気道から体内へと入って肺胞内にたどり着きます。

肺胞にたどり着くと、クリプトコックスは免疫機能によって防御されます。しかし、免疫機能が低下している場合、免疫細胞に食べられたクリプトコックスの一部は、免疫細胞の内部で存在できるほか、増殖することもできます。

増殖したクリプトコックスが免疫細胞内で満ちると、最終的に免疫細胞は死んでしまいます。

その結果、菌自体が血管内に流出します。しかし血液内では防御機能が強く働くため、クリプトコックスはその攻撃を避けて臓器などの免疫細胞内でまた増殖します。これを繰り返して血液循環に乗って全身に広がり、全身への播種が可能になります。

免疫低下の状態では、クリプトコックスが増殖しやすく、この播種性と言われる、全身に広がるクリプトコックス症を生じやすくなります。

 

髄膜の中では増殖しやすい

さて、クリプトコックスと髄膜炎の関係ですが、クリプトコックスが免疫細胞内に潜んだまま、脳血管を通過し、脳内へと侵入した後、免疫細胞から外に出ていくという方法で起こります。脳内へ侵入したクリプトコックスは髄液の中で増殖し、髄膜炎が成立します。

クリプトコックスにとっては、血液中よりも、髄液中の方が増殖しやすいので、症状として出やすいのです。

  

HIVかそうでないかによって症状が違う

クリプトコックスによる髄膜炎は、HIV感染者かそうでないかで症状が変わることも、特徴的です。

HIV感染者がクリプトコックスによる髄膜炎を生じた場合、

脳脊髄液の正常化により時間を要する

初診時に中枢神経以外にも、腎臓障害をきたしている

ことが多いです。これに対してHIVに感染していない場合、症状がより軽微になることが多いです。

 

 

クリプトコックス髄膜炎が疑われる場合、播種性クリプトコックス症である可能性があります。つまり血液にのって、全身にクリプトコックスが感染しているかもしれないのです。そのため、他の臓器の診察も必ず行われる必要があります。

 

 

致死率はなんと12%!播種性クリプトコッカス症でみられる症状を知ろう!全身への症状、脳に影響も…?

通常の免疫能力ではかからない菌に感染することを日和見感染と呼び、播種性クリプトコッカス症も、日和見感染症のひとつです。

一体どんな菌に感染し、どんな症状が出るのかを見ていきます。

 

●空気中や土壌にもある菌の仲間

播種性クリプトコッカス症の原因となる菌は、『酵母様真菌』と呼ばれる菌で、大きく分類するとクリプトコッカス属の真菌です。

クリプトコッカス属の菌は、空気中や植物など、どこにでもみられる菌ですので、特に危ないものではありません。

ですが、免疫力が弱っている方にとっては、この酵母様真菌が、命に係わる病気への引き金になることもあるのです。

 

●全身への症状、脳に影響も

『播種性』という言葉は『全身に広がる』という意味を持っており、播種性の病気とは疾患が全身に広がるのが特徴です。

播種性クリプトコックス症の場合は肺での感染が多いですが、最終的に髄膜炎や脳炎になり、全身症状を呈すると言われています。

特に髄膜炎になった場合は発熱や昏睡、記憶障害など、命に係わるような症状になることもあります。

 

●致死率はなんと12%!

播種性クリプトコッカス症にかかってしまうと、10人に1人以上は亡くなってしまいます。

100万人あたりで年間10人もかからない病気ですが、かかってしまった場合は重篤な症状・後遺症・命を落とす可能性も低くはないと考えてください。

なお、ガン患者やHIV患者、白血病の患者などは免疫力が弱っているので播種性クリプトコッカス症にかかりやすく、中でもHIV患者は、患者発生率は通常の人の1000倍近くなります。

 

播種性クリプトコッカス症で症状が出るのは、肺から菌が移動し、髄膜炎や脳炎になってからと言われています。

最初は何の症状もないが、感染が広がると症状が出るタイプの病気です。

 

 

免疫機能が低下しているとかかりやすい!播種性クリプトコッカス症はどんな症状を示す病気?

播種性クリプトコッカス症といわれても、ピンと来ない方もいらっしゃると思いますが、免疫機能が低下している方に感染・発症しやすい病気です。今回は、播種性クリプトコッカス症の症状についてご紹介します。

 

播種性クリプトコッカス症の症状は?

播種性クリプトコッカス症は酵母の1種の感染によって起こる感染症で、クリプトコッカス症の病型における分類の1つです。クリプトコッカス症病型は肺型、中枢神経型、皮膚型、播種型があり、播種型のクリプトコッカス症が播種性クリプトコッカス症にあたります。

播種性クリプトコッカス症では、病巣部が皮下小結節、長骨骨端、関節、肝臓、脾臓、腎臓、前立腺などにでき髄膜炎が起こります。髄膜炎は髄液(ずいえき)細胞増加が起こった状態であり、頭痛や発熱、意識障害、けいれん、項部硬直、髄膜刺激症状などの症状が出ます。播種性とは体腔内性転移とも言われ、菌が体内で増殖し、他の感染していない臓器にも感染するという意味があり、病巣部はさまざまな臓器に転移します。悪性の腫瘍における、体内の広がり方によくあるタイプです。

 

 

その他の病型のクリプトコッカス症の症状

その他の病型の症状は肺型では発熱、せき、喀痰、胸痛が起こります。中枢神経型では発熱,頭痛,はきけ,項部硬直などの髄膜刺激症状が起こります。皮膚型では膿疱性、丘疹性、小結節性、潰瘍化病変、座瘡、伝染性軟属腫が起こります。皮膚症状においては、基底細胞癌に類似したものができる場合もあります。

 

この播種性クリプトコッカス症やクリプトコッカス症は、健康な人においてはほとんど感染・発症しませんし、感染しても放っておけば治ってしまいます。しかし、免疫機能が弱っている高齢者の方や、各種の免疫機能を弱める病気にかかっている方は、注意が必要となります。

 

 

鳩の糞から感染する!?クリプトコックス症が引き起こす、典型症状3つ

犬や猫でも引っ掻かれたり、噛まれたりすることで感染症にかかることがあります。中でも鳩からの感染に注意しなさい、と言うのを聞いたことはないでしょうか。鳥インフルエンザのように、鳥が人間に病気をもたらす病原菌を保有していることがあります。

 

鳩の糞から感染!?クリプトコックス症

クリプトコックスという真菌の一種によって生じる感染症が、クリプトコックス症です。免疫機能が低下しているときに起こる感染症で、通常の免疫機能が働いていれば感染することはありません。

原因となるクリプトコックスは、自然界ではあらゆる環境にいる菌で、特に鳩の糞の中に含まれるクリプトコックスからの感染が有名です。

特に免疫機能が低下していると、播種性クリプトコックス症という状態になることがあります。播種性とは、病原菌が全身に広がる状態を意味しています。

 

クリプトコックスが侵す場所

クリプトコックス症では、典型的な症状がいくつかあります。

 

髄膜炎

髄膜とは、脳や脊髄を保護する膜のことで、外側から硬膜・くも膜・軟膜という三層構造になっています。クリプトコックスによる病変は広範囲には及ばず、典型例では、脳内に微細な病巣がいくつかできます。

また、発熱症状は通常軽微か、発熱しないということもあります。全般的にクリプトコックスによる髄膜炎は非特異的で、頭痛、霧視(霧がかかったように見える)、錯乱、抑うつ、興奮などの症状が見られます。

 

肺炎

肺炎は他の病原菌の場合もそうであるように、咳や呼吸器症状など、非特異的な症状がみられます。

ただし、HIV患者においては急性呼吸困難、X線画像で確認できる重度の進行性肺炎を呈することがあります。

 

皮膚症状

いかなる感染者においても、播種性の病変が起こりえます。そのときに起こるのが皮膚への拡大です。皮膚への感染の拡大は最も一般的で、膿胞性、丘疹性、小結節性(しこり)、潰瘍化病変を呈します。

 

 

播種によって広がった病巣は、皮下のしこりや、長骨の骨端、関節、肝臓、脾臓、腎臓、前立腺など、他の組織においても生じます。ただこれらに広がった病変は通常、症状をほとんど起こしません。

 

 

播種性クリプトコッカス症の治療に使われる薬にはどんなものがあるの?

播種性クリプトコッカス症は、免疫力の弱い人がかかりやすい日和見感染症のひとつで、髄膜炎などを引き起こす可能性もあります。

播種性クリプトコッカス症にかかった場合に、使われる治療薬にはどんなものがあるのかを見ていきます。

 

●基本は抗真菌薬を利用します

播種性クリプトコッカス症は感染症ですので、原因菌に対峙することが重要なポイントとなります。

ですので、治療で使われるのも抗菌薬がほとんどで、具体的にはミコナゾールやアムホテリシンBなどがあります。

どちらもカンジダの治療にも使われる薬で、ミコナゾールについては水虫の治療にも用いられます。

水虫の治療の場合は皮膚に塗りこむことになりますが、播種性クリプトコッカス症の治療の場合は点滴や注射が普通です。

また、HIV患者に対して播種性クリプトコッカス症の予防薬として用いられるフルコナゾールは、治療にも用いられています。

 

 

●髄膜炎や脳炎への治療も行います

播種性クリプトコッカス症では、髄膜炎や脳炎などで症状が出るケースも多いので、髄膜炎と脳炎の治療も行っていきます。

原因に対する治療は抗真菌薬で行えますので、随伴して出てくる症状の治療を別途行っています。

脈拍や血圧、呼吸などは常に監視しておく必要があり、痙攣などが出ないように注意しなければなりません。

播種性クリプトコッカス症は致死率が12%と高めですが、髄膜炎や脳炎からの死亡が多いです。

髄膜炎や脳炎への適切なアプローチが、播種性クリプトコッカス症で命を落とす危険性を低めることにもなります。

 

播種性クリプトコッカス症にかかりやすいのはガン患者、白血病患者、HIV患者などで、これらの病気の治療中にはあらゆる菌に感染しないように注意が必要です。

(Photo by:pixabay

 

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-09掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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