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関節痛・腰痛

神経ブロックが効かない難治性腰痛に効果!『エピドラスコピー』手術とは?

慢性腰下肢痛の治療は、主なものとして『薬物療法』『光線療法』『神経ブロック療法』が行われますが、これらの方法を用いても効果が得られない難治性の症例(椎間板ヘルニアなど)もあります。この場合、先進医療として細く柔軟な内視鏡(軟性鏡)を用いて背骨と脊髄の隙間(硬膜外腔)の癒着を剥離させる『エピドラスコピー』という手術が有効であるとして、現在非常に注目されています。癒着の剥離により、これまで患部に届かなかった局所麻酔薬も届くようになり、鎮痛効果が得られると言います。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

エピドラスコピーの詳細について

 

エピドラスコピーとは、『硬膜外腔内視鏡』を意味する言葉であり、硬膜外腔とは『背骨に沿って走る脊髄を覆う硬膜と、背骨との間のすき間』のことを指します。このような細い隙間に内視鏡を入れるのは従来は困難でしたが、技術の進歩によって『軟性鏡』と呼ばれる、自由に曲げることの出来る内視鏡が開発され、エピドラスコピー手術が可能となりました。癒着をはがすことで、脊髄神経などへの圧迫がなくなり血流が改善され、神経機能の回復が促進されます。また同時に局所麻酔薬が届かなかった状態が改善され、鎮痛効果が得やすくなります。

 

⇒硬膜外腔の癒着が起こる原因としては、1)髄核(椎間板内部の組織)が線維輪の外にとび出す⇒椎間板ヘルニア、2)神経の周囲に生じる炎症、3)コラーゲン線維の増殖などが挙げられます。

 

<手術の適応は?>

◆薬物療法や神経ブロックで十分な効果が得られない難治性腰下肢痛

(腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎手術後に残存する腰下肢痛など)

 

<この手術によるメリットとは?>

◆侵襲度が低い(手術時間約1時間、入院2~5日)

◆通常の画像診断では見られない硬膜外腔の炎症や癒着などの所見が直接観察できる。

◆直視下で生理食塩水による灌流、洗浄ができ、癒着や瘢痕組織の剥離が行える。

◆病変部位に確実な薬剤投与ができる。

◆本法施行後の硬膜外ブロックの十分な広がりが期待できる。

 

<手術の手順について>

手術時間は1時間程度です。

 

1)患者は、うつぶせになり、おしりを突き出すような姿勢を取ります。

2)直径1mm以下の内視鏡を、仙骨裂孔(仙骨と尾骨の間)から硬膜外腔に挿入します。

2)生理食塩水を注入しながら、癒着をはがし、発痛物質を洗い流します。

3)造影で硬膜外腔の拡がりが確認でき、強い炎症所見があれば、仙骨裂孔から局所麻酔薬やステロイド薬を注入します(仙骨ブロック)。

 

<治療効果について>

以下の2つが報告されています。

 

◆JR東京総合病院でエピドラスコピーを受けた患者の調査結果(2009年)

【対象】難治性腰下肢痛患者109名(平均年齢63歳)

【結果】上記患者にエピドラスコピーを用いたところ、「非常に有効」が24.7%、「有効」が28.4%、「多少有効」が12.8%で、全体の約3分の2で効果が認められた。

 

◆日本でエピドラスコピーを受けた患者の追跡調査結果(2003年)

【対象】腰痛患者85例

【結果】有効性は時間の経過とともに減少(6カ月以上持続)するが、腰痛・下肢痛は著明に軽減し、入院期間の短縮・QOLの改善に繋がる。また重篤な合併症は認められなかった。

 

最後に

 

エピドラスコピー手術の合併症として、致命的な合併症の報告はないものの、感染症(刺入部,硬膜外捜瘍,くも膜炎,髄膜炎)や頭蓋内出血、脊髄梗塞、神経損傷、硬膜穿刺などの可能性は示唆されており、治療を行う際には、これらのリスクについて医師と十分話し合うことが必要となります。

 

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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