妊娠・出産
妊娠中に確認!妊娠・出産で『もらえるお金』!制度と手続きまとめてチェック!
妊娠・出産、そして育児には意外とお金がかかります。赤ちゃんができて嬉しいけれど、お金のことを考えると心配・・・という方も多いのではないでしょうか。実は『もらえるお金』もいろいろあります。
ここでは、すべてのプレママたちに関係してくる『もらえるお金』について、妊娠してからのおおよその時系列に沿ってご紹介します。
妊娠検診費の助成とは
妊娠検診費には保険がきかず全額自己負担となります。この負担を減らすために自治体が助成する制度です。
・妊娠したらやること
妊娠届を出して母子健康手帳・妊娠検査診察受診票をもらう
・該当者
妊娠が確定した人
・助成金額
妊婦検診14回分程度の費用
・申請時期
妊娠中
・受け取り時期
妊娠中
・必要書類等
妊娠届 など
・申請および問い合わせ先
住んでいる市区町村の役所の担当窓口
・備考および注意点
14回分の助成が基本です。無料で受けられる検査項目や上限額は自治体により異なっています。
・申請
妊娠確定後に申請します。申請に期限があることがあり注意する必要があります。
・受け取り
妊娠届を提出すると、母子健康手帳などと一緒にもらえます。市区町村によってはホームページ上で妊娠届の用紙ダウンロードができます。
手続き前に受診した費用(初診除く)が払い戻されることもあります。
「医療費控除(確定申告)」とは
自分又は自分と生計を共にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合には、確定申告時に申告することで、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。医療費控除の対象となると払いすぎた税金が戻ってくる可能性があります。
・事前にやっておくこと
家族全員分の医療費の領収書を集めておく
・該当者
家族全員の医療費の合計金額が1年間に10万円を超えた人
所得が200万円未満で医療費が1年間に所得の5%を超えた人
・戻る金額
「源泉徴収で前払いした所得税」ー「実際の所得税」(給与所得者の場合)
・申請時期
翌年1月~5年以内
・受け取り時期
申告してから1~2ヵ月後
・必要書類等
・確定申告書
・源泉徴収票(会社員・公務員の場合)
・医療費の明細を記入した用紙
・医療費などの領収書(原本)
・領収書の無い交通費についてのメモ
・保険金などで補てんされる金額がわかるもの など
・申請および問い合わせ先
住んでいる地域の税務署
・備考および注意点
申告しておくことで次年度の住民税が下がる可能性があります。
「1年間(1月1日~12月31日)の医療費の合計」ー「出産一時金などから受け取った金額」が該当者に該当する金額の人について、超えた分に応じた所得税が減額されます。
*医療費と認められるもの
・不妊治療費(医師が必要と認めた通常の不妊治療)
・妊娠検査費
・入院/分娩費
・通院交通費
・緊急事態や陣痛がはじまった時などのタクシー代
・入院中の治療に必要なものの購入費
(医師の指示かつ病院で購入した場合に限る)
・入院中に病院で支給された食事代
・介護費用
(指定の介護施設について費用の一部が認められる)
・薬代
(治療用の場合。市販薬も含む。ビタミン剤などは除く)
・歯の治療費、歯の矯正費
(子どもの発育上必要と医師が認めた場合のみ)
・眼鏡/コンタクトレンズ代
(斜視の治療などで必要な場合。医師による証明書が必要)
・治療のための鍼灸/マッサージ代
(場合によっては医師の証明書が必要) など
*認められないもの
・妊娠検査薬
・マイカー通院でのガソリン代
・駐車場代
・里帰り出産のための帰省費用
・入院時の身の回りの品の購入費
・人間ドック/健康診断の費用
・病気予防や健康維持のためのビタミン剤や健康ドリンク剤
・予防接種代 など
「傷病手当金」とは
病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。被保険者が病気やケガのために会社を休み、勤め先から報酬が受けられない場合に支給されます。
・事前にやっておくこと
病気やトラブルで4日以上休む場合は医師の診断書等を添えて申請する
・該当者
勤め先の健康保険(共済組合を含む)に加入している人
・助成金額
「月給」÷30×2/3×「待期期間後の休んだ日数」
・申請時期
休業4日目~2年以内
・受け取り時期
申請から約2週間~2ヶ月後
・必要書類等
・健康保険傷病手当金支給申請書
・出勤簿(写し)
・賃金台帳(写し)
・医師の診断書 など
・申請および問い合わせ先
人事・総務などの担当窓口。または健康保険組合等の窓口。
・備考および注意点
「月給」は標準報酬月給によって計算されます。
「待期期間」は連続して休んだ場合の最初の3日間です。
業務外の事による病気やケガの療養のための休業で、仕事に就くことができず、4日以上連続で無休で休み、休業した期間について給与の支払いがない時にもらえます。妊娠中でないときの傷病で4日以上休んだ場合も対象となる制度です。
申請書の「労務不能と認めた期間」の欄には休業した1日目を記入してもらいます。健康保険傷病手当金支給申請書はホームページからダウンロードできる場合もあります。
出産育児一時金とは
直接支払制度、受取代理制度、産後申請方式の3通りがあります。妊娠4ヵ月(85日)以上で出産した時に、一児につき42万円(産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は39万円)が健康保険より支給されます。
・事前にやっておくこと
出産退職するママは、退職後の健康保険を決めて加入しましょう。
仕事復帰・専業主婦のママは、出産育児一時金申請先の健康保険を確認しましょう。
「直接支払制度」を利用したい場合、出産予定の産院で利用できるか確認します。
・制度別の手続きの流れ
「直接支払制度」:産院で制度を利用する意思確認書類をもらい記入する
「産後申請方式」:健康保険で産後申請用の書類をもらう
「受取代理制度」手順1:健康保険から申請書をもらい産院で必要事項を記入してもらう
「受取代理制度」手順2:出産予定日2ヶ月以内になったら申請書を健康保険へ提出する
・該当者
健康保険の加入者またはその被扶養者で、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産した人
・助成金額
子ども一人につき、42万円(双子なら84万円)
・申請時期
「直接支払制度」:妊娠中
「受取代理制度」:妊娠中
「産後申請方式」:産後
・受け取り時期
産後
・必要書類等
「直接支払制度」:意思確認書 など(必要なものは産院によって異なる)
「受取代理制度」:出産育児一時金等支給申請書(受取代理用) など
「産後申請方式」:出産育児一時金等支給申請書、直接支払制度を利用しない意思確認書(提示された場合)、入院・分娩費の領収書 など
・申請・問い合わせ先
「直接支払制度」:産院
「受取代理制度」:自分が加入している健康保険(国民健康保険の人は役所)
「産後申請方式」:自分が加入している健康保険(国民健康保険の人は役所)
・備考
健康保険組合や自治体によっては「付加給付」として金額が上乗せされます。
直接支払で、入院・分娩費が下回ったときは差額について申請する必要があります。
産後申請では、出産した翌日から2年間、申請が可能です。
「高額療養費」とは
同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった時に、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が払い戻される制度です。
70歳未満で、事前に高額になることがわかっている場合はあらかじめ申請し、「限度額適用認定証」を提示する方法が便利です。
・事前にやっておくこと・確認すること
妊娠中・出産時のトラブルで医療費が高額になった場合の手続きを確認する
・制度別の手続きの流れ
高額療養費の事前申請:入院する時、または入院予定の前に健康保険の窓口で申請書をもらい提出
高額療養費の事後申請:医療費の3割を産院の窓口で支払い領収書をもらい、申請書で支給を申請
・該当者
妊娠中・出産時・産後に健康保険がきく治療をした人で、1ヶ月分の自己負担限度額を超えた人
・戻る金額
「同じ医療機関で支払った1ヶ月の保険適用医療費」ー「自己負担限度額」
・申請時期
「事前申請」:入院する時、または入院予定の前に健康保険の窓口で申請書をもらい提出。
「事後申請」:医療費の3割を窓口で支払い領収書をもらっておき、申請書で支給を申請。
・受け取り時期
「事前申請」:発行された認定証を支払い時に提示する。
「事後申請」:申請から約1~3ヶ月後に振り込まれる。
・必要書類等
「事前認定の場合」
・限度額適用認定証(事前に申請が必要)
・健康保険証 など
「事後申請の場合」
・高額療養費支給申請書
・健康保険証
・医療機関の領収書 など
・申請および問い合わせ先
勤め先の健康保険窓口。国民健康保険の場合は市区町村の窓口。
・備考および注意事項
申請期限は自治体によって、自己負担限度額は所得によって異なります。
「同じ医療機関で支払った1ヶ月の保険適用医療費」については、同一月内に2つ以上の医療機関にかかった場合でも条件を満たせば認められます。
※健康保険が効く場合
「妊娠中」
重症妊娠悪阻、妊娠高血圧症候群、子宮頸管無力症、流産、早産、前期破水、さかごや前置胎盤の超音波検査 など
「出産・入院中」
微弱陣痛で陣痛促進剤を使用、死産、止血のための点滴、吸引・鉗子分娩(産院によっては自由診療)、帝王切開、無痛分娩の麻酔(心臓病などの持病で必要と認められる場合)、赤ちゃんが新生児集中治療室に入る場合 など
「失業給付受給期間の延長」とは
失業給付は通常1年以内に受給し終えなければならないですが、働ける状態になるまで最長4年以内で雇用保険の受給を保留しておき受給期間を延長できる制度です。
・事前にやっておくこと
働こうと思ったらハローワークで失業給付受給申請をする(出産退職ママ)
・該当者
一定の期間以上(妊娠が理由で辞めた場合は6ヶ月以上)雇用保険に加入していて退職し、産後、再就職しようとする人
・助成金額
「月給」÷30×「給付率」×「日数」
・申請時期
「延長の手続き」:妊娠中(退職の時期によっては産後になる場合がある)
「給付の申請」:産後、求職活動を始めたら行います。
・受け取り時期
産後、求職活動を始めてから受け取れます。
・必要書類等
「延長の申請」
・母子健康手帳
・雇用保険被保険者離職票 など
「給付の申請」
・雇用保険被保険者離職票
・雇用保険被保険者証
・休職申込書 など
・申請および問い合わせ先
ハローワーク
・備考
「月給」は退職前6ヶ月分の給料(残業手当・通勤手当・社会保険料などを含む。ボーナスは除く。)の合計を6で割ります。
「給付率」は退職日の年齢・賃金日額によって変わります。(0.5~0.8)
「日数」は勤続年数や退職理由によって変わります。
延長手続きは原則として、退職翌日から30日経過後の1ヶ月間に行います。
自営業や自由業・働いていたが雇用保険に入っていなかった人・公務員だった人は対象外です。
育児休業給付金とは
育児休業期間中は原則無給であり、休業中の家計を支えてくれる制度です。
・事前にやっておくこと(仕事復帰ママ)
・育児休業給付金の申請に必要な書類をもらう
・育児休業給付金を振込口座にする金融機関の確認印をもらう
・育児休業給付金の書類を勤め先へ提出する
・該当者
雇用保険に加入していて育児休業を取り、職場復帰する人(パパも可能)
・助成金額
「最初の180日間(6ヶ月)」:「月給」×0.67×「休んだ期間」
「それ以降」:「月給」×0.5×「休んだ期間」
・申請時期
育休に入る前(勤め先に申請する場合)
・受け取り時期
書類提出から4~5ヶ月後。2回目以降は2ヶ月ごとに受給。
・必要書類等
・雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
・育児休業給付受給資格確認票
・育児休業基本給付金支給申請書(初回)
・出勤簿(写し)
・賃金台帳(写し)
・母子健康手帳(写し) など
・申請および問い合わせ先
勤め先またはハローワーク
・備考および注意点
雇用保険に入っていても条件を満たしていないともらえません。
産後8週間は産後休業期間として、育児休業給付金の対象外です。
上限額と下限額があり、毎年8月に見直されます。
支払われる期間は赤ちゃんが1歳の誕生日の前日までです。保育所などに入所申請していて入所できず仕事復帰出来ない場合には子どもが1歳6ヶ月に達する日まで延長できます。
「パパ・ママ育休プラス制度」により、パパも育休を取る場合には、子どもが1歳2ヶ月に達する日まで延長できます。
早産や、病気、怪我などの特別な事情がある場合、1回に限り育児休業開始予定日を変更できます。
児童手当とは
将来社会を担うことになる児童の健やかな成長に役立つことを目的とした制度で、養育している人に支給されます。
・事前にやっておくこと
児童手当の手続きを確認する(役所ホームページなど)
・該当者
中学3年生までの子どもを持つ世帯主
・助成金額
3歳未満:月1.5万円
3歳~小学校卒業まで:月1万円(第3子以降は1.5万円)
中学生:月1万円
・申請時期
産後
・受け取り時期
2・6・10月の年3回(前月までの4ヶ月分ずつ)
・必要書類等
・申請者の健康保険証
・児童手当認定請求書 など
・申請および問い合わせ先
住んでいる市区町村の役所の担当窓口
(公務員の人は共済の窓口(職場))
・備考および注意点
受給には所得制限があります。所得制限限度額以上の人は子どもの年齢にかかわらず一律で月5000円です。
支給は手続きした翌月分からで、出産が月の後半の場合、産後15日以内に申請し、認定されると手続きした月も支給対象となります。
6月分以降の手当てを受けるためには毎年6月中に「現況届」を提出する必要があります。
社会保険料免除とは
産休中の社会保険料が免除になる制度です。
・事前にやっておくこと
勤め先に社会保険料免除の手続きを行ってもらう(仕事復帰ママ)
・該当者
社会保険に加入している産休中の人
・助成金額
社会保険料が免除になる
・申請時期
産休中
・必要書類等
産休中に勤め先が手続きを行う
・申請および問い合わせ先
勤め先の担当窓口
・備考
産休中(産前産後休業開始月から終了予定日の翌日の月の前月(産前産後休業終了日が月の末日の場合は産前産後休業終了月)まで)の社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除になります。
手続きしないと損することも...。申請は忘れずに!
手続きや準備はちょっとややこしくて面倒かもしれません。けれども申請しないと貰えないお金が多いので、体調と相談しながらしっかり準備していきましょう。
(Photo by:https://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部