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難病・脂肪萎縮症の合併症の治療可能に!『レプチン補充療法』とは?

脂肪萎縮症とは先天性又は後天性の要因により、全身もしくは部分的に脂肪組織が萎縮し無くなるという病気で、現在国による特定疾患に指定されています。脂肪組織が無いと言うのは、皮下脂肪においてのみで、内臓脂肪への沈着は亢進しており、また脂肪の代謝異常によって【糖尿病・脂質異常症・非アルコー性脂肪肝】などの発症へと繋がっています。これまで、患者数が少ないことから有効な治療法が研究開発されておらず平均寿命が30~40歳と非常に深刻な状況でしたが、現在『レプチン補充療法』という先進医療によって、合併症が抑えることが可能になったと言います。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

脂肪萎縮症の詳細について

 

<なぜ脂肪組織が無くなると、代謝異常が起こるのか?>

脂肪萎縮症では脂肪組織が減少しており、それに伴って代謝異常(糖尿病・高脂血症など)が生じますが、この機序として脂肪細胞が減少することでホルモン産生が出来ないことが原因であると考えられています。脂肪細胞由来のホルモンとしては『レプチン(食欲を抑え、代謝を上げる)』があり、この産生不足で脂肪細胞に蓄えられるはずの栄養分が血液中・肝臓・筋肉などに移行し、インスリン抵抗性を示し、糖尿病を発症すると考えられています。

 

<原因は?>

原因としては、大きく分類すると1)先天性、2)後天性によるものがあり、後天性によるものは(ウイルス感染・自己免疫・薬剤(抗HIV治療薬など))が挙げられます。

 

1)先天性全身性脂肪萎縮症

常染色体劣性遺伝による。生来より全身性の脂肪組織消失・肝腫大など、10歳前後で糖尿病・黒色表皮腫など、女性では多毛症・月経異常・多曩胞性卵巣などが認められる。

 

2)後天性全身性脂肪萎縮症

発症原因には感染症や自己免疫疾患(若年性皮膚筋炎、若年性関節リウマチ、橋本病など)などに合併して発症することが多い。重度の脂肪肝・糖尿病・高中性脂肪血症などが認められる場合も多い。

 

3)家族性(先天性)部分性脂肪萎縮症

15歳までに発症し、下腹部より上の脂肪萎縮が見られ、下肢には過剰な脂肪組織の蓄積が認められる。

 

4)後天性部分性脂肪萎縮症

自己免疫疾患やHIV治療薬が原因とされる。自己免疫性では、腹部より上半身の脂肪組織が減少、下半身の脂肪組織は代償性に増大する。HIV治療薬によるものでは、与開始後3~6 ヶ月で発症し、顔面・四肢・体幹の皮下脂肪組織が減少する。一方、内臓脂肪と背部皮下脂肪組織も増大する。

 

<治療法は?>

現在、京都大学医学部附属病院において2013年より『レプチン補充療法』が先進医療として認定され、同病院でのみ治療を受けることが可能となっています。

 

◆脂肪萎縮症に対する『レプチン補充療法』

 

脂肪萎縮症の治療では、根本的に脂肪萎縮を治療することは今の段階では出来ませんが、レプチン不足から生じる代謝異常を治療することは可能です。レプチン補充療法によって、【食欲抑制・エネルギー消費亢進・インスリン作用増強】などが期待できます。6歳以上の罹患者が適応対象になっています。

 

<治療の流れについて>

レプチン(一般名:組換え型メチオニルヒトレプチン)を毎日1回、自己注射で皮下に投与します。

 

臨床試験について

 

◆京都大学の研究グループによる臨床試験

【試験内容】脂肪萎縮症の患者12人を対象とし、レプチンを皮下に自己注射する。

【結果】投与開始後約1週間で血糖値・中性脂肪値が改善。投与期間中に、大きな副作用は見られなかった。

 

⇒現在でも12人中8人が治療を続けており、最長で8年間、治療が継続している。

 

最後に

 

現在では、脂肪萎縮症を完治できる治療法は確立していませんが、京都大学による研究では『iPS細胞』から脂肪細胞を作成する方法が既に成功しています。今後は数段階の臨床試験を通して脂肪細胞移植を行い、その効果を検証することになるということです。

 

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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