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前立腺摘出に伴う重度の尿失禁が治療可能に!『人工尿道括約筋の埋め込み術』とは?

食の欧米化によって、以前よりも前立腺がん発症率は上昇しているものの、腫瘍マーカーの普及による早期発見が増え、また前立腺がんの治療法として『前立腺全摘術』が確立されたことにより完治する例が大幅に増えたと言われています。しかし、前立腺摘出術を行うとほぼ全員が尿失禁を生じ、その後時間の経過とともに多くの場合治癒されますが、一部の患者ではその失禁状態が持続する場合もあると言います。その際に有効なのが先進医療の『人工尿道括約筋の埋め込み術』です。以下ではその詳細について見て行きたいと思います。

 

前立腺がんによる前立腺全摘出は、重度尿失禁原因の6割を占める?

 

ある調査によると、中等度~重度尿失禁の原因として約60%を占めるのは、前立腺がんによる前立腺全摘術であるという報告があります(神経因性膀胱が2割、前立腺肥大症手術が1割)。これらの統計やその他の調査から、全摘出後患者の1~3%程度は『リハビリや薬物療法』などの治療法によっても回復できない尿失禁が不可避であると言われており、その際に『人工尿道括約筋の埋め込み術』が有効であると言われています。

 

<治療の普及について>

人工尿道括約筋の埋め込み術は、海外では既に重度尿失禁の標準治療として普及しており、米国では30年以上前開始され毎年前立腺全摘術後患者の約3%が手術を受けているという報告があります。日本国内でも日本人に向けたモデルが開発され、90年代の開始より年々普及が広まっていると言われています。

 

<手術詳細について>

手術は1~2時間の所要時間で、全身麻酔下で行われます。術後の入院期間は1週間弱です。装置の利用可能期間は、感染や機器の初期不良さえなければ、10年間利用できるという報告もあります(国内患者の割合が7割において)。

 

<人工尿道括約筋の仕組とは?>

『人工尿道括約筋』は、男性性器内に設置する排尿制御装置で、以下の3つのパートから構成されています。

 

1)カフ

尿道に巻きつく構造で、水圧によってカフが閉まり尿道が閉鎖されることで、漏尿を防ぐ。

 

2)コントロールポンプ

ポンプの形状で、陰嚢内に設置する。ポンプを押すことで、カフ内の水が圧調整バルーンに流入し、尿道が開くことで排尿が可能となる。

 

3)圧調整バルーン

腹部に設置し、カフからの水の流入を一時的に溜める。

 

<留意点と合併症について>

 

◆完全には失禁を消失できない。

排尿後のカフの閉鎖までに3~4分程度かかるため、その間に漏尿が生じる場合がある(多くの症例で、尿パッドの使用が1日1パッドまで改善はする)。

 

◆以下の合併症の可能性がある。

創部の感染、機械の動作不良、植え込み部の尿道のびらん・萎縮などが報告されている。

 

<治療の有効性について>

治療後に、患者へのアンケートを行ったところ、「社会生活に支障がない」と回答した割合は91.4%であったという報告があります(但し、完全に尿失禁が治癒した患者の割合は46.6%。その他の多くは1日1枚の尿とりパットを使用するなど、軽度の失禁がある。)

 

最後に

 

『人工尿道括約筋』は以前は先進医療でしたが、現在は保険適応されているため、重度失禁にかかる諸費用(年間オムツ・尿取りパッド代:40~50万円程度)と比較すると、比較的安価(3割負担で50万円程度)で治療を行うことが出来ます。今後は機器の改良によってさらなる生活改善が求められています。

 

(photoby: //pixabay.com/ja/

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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