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腸由来セロトニンが全体の9割?プロバイオティクスで慢性頭痛・神経症を改善しよう!

うつ病・統合失調症・緊張性頭痛・不眠症などの原因は『セロトニン分泌不足』が一因であり、一般的にこれらの治療法として『SSRI薬(セロトニン再取込み阻害薬)』など脳内セロトニンの減少を抑制させる治療薬が主に使われます。従来より、神経伝達物質であるセロトニンは脳内が主に産生される場所であると言う認識でしたが、近年米大学による研究により、脳細胞による分泌はわずか1割以下、腸細胞による分泌は9割であると言う結果とともに、腸内環境を改善することで脳への不安に関するシグナルが低減されたと言う報告があります。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

セロトニン不足が原因の疾患とは?

 

セロトニンは、神経系に抑止的に働く神経伝達物質で、過剰な興奮や衝動・抑うつ感を軽減する作用があります。不足すると、鬱状態や不安症などの原因となります。セロトニン欠乏の原因として、先天性・後天性(家庭環境など)によるものがあります。現在は全体の90%が腸管に存在し、血小板によって全身に運ばれることが明らかになっています。

 

<セロトニン欠乏に起因する疾患>

うつ病、不眠症、不安障害、パニック障害、片頭痛、緊張性頭痛、慢性疲労症候群、過敏性腸症候群、アスペルガー症候群、注意障害・過動性障害(ADD/ADHD)、自閉症、強迫神経症、肥満症、月経前症候群(PMS)、統合失調症など

 

腸管由来のセロトニンとは?

 

セロトニンの産生は、約90%が腸内の粘膜細胞(腸クロム親和性細胞)で行われていると言われています(過敏性腸症候群の治療薬である抗セロトニン薬は、腸由来セロトニンを抑制する作用があり、有効性が確認されている)。しかし、腸で産生されたセロトニンは脳の血液関門(BBB)を突破できず、その前駆体(5−ヒドロキシトリプトファン(5−HTP))のみが突破可能と言われています。

 

プロバイオティクスのもたらす効果とは?

 

『プロバイオティクス』とは、食品由来によって摂取できる善玉菌を総称した名称です。腸管内には数100種類、100兆個もの細菌がすみついていますが、この中には、乳酸菌やビフィズス菌に代表される健康に良い善玉菌と、腐敗や発ガン関連物質を生み出すウェルシュ菌に代表される有害な悪玉菌が存在しています。善玉菌を外部より摂取し増殖させるのがプロバイオティクスで、現在、米研究によりプロバイオティクス摂取によって腸内セロトニンが産生され、脳に有益な効果をもたらすとして注目されています。

 

<プロバイオティクスの主な効果>

◆腸内細菌叢の正常化

◆便秘・下痢の改善(整腸作用)

◆感染予防

◆血圧降下作用

◆コレステロール低下

◆アレルギー症状改善

◆免疫システムの賦活化

◆腫瘍抑制効果

◆発ガンプロモータの抑制

 

⇒腸内細菌が食物繊維、オリゴ糖などの難消化性糖質を発酵して産生する、『短鎖脂肪酸』は腸管内のpHを低下させることで細胞分裂活性化・結腸粘膜増殖・血流増加などの作用があると言われています。 

 

<臨床試験について>

米カリフォルニア大学の研究で、セロトニンとプロバイオティクスに関する以下の試験が行われています。

 

◆米カリフォルニア大学・Kirsten Tillisch教授による臨床試験

 

【対象】18歳~53歳の健康な女性被験者36名

【試験内容】被験者36名(3グループ;1)善玉菌を含むヨーグルト2回/日摂取、2)細菌を含まない乳製品摂取、3)乳製品を摂取しない)に対し、1ヵ月後MRI撮影を行いながら、感情注意力テスト(画像から表情を読み取るテスト)を行う。

 

【結果】善玉菌を継続摂取したグループは、感情や痛みをつかさどる体性感覚皮質を含む脳内ネットワークの活動および前頭前野皮質の活動に減少が見られ、シグナル刺激の受容に落ち着いて反応する特徴が現れた。また、意思決定と関わりのある分野は、逆に活発化することがわかった(他2グループでは、脳内の変化は見られなかった)。

 

最後に

 

セロトニン前駆物質の合成のためには、トリプトファンの摂取とともに【ビタミンB3、ビタミンB6、葉酸(ビタミンM)】などのビタミン類の摂取が合わせて必要となります。プロバイオティクスとセロトニンに関する研究は少なく、セロトニン欠乏による諸疾患にどれほど効果があるかは詳しく分かっていませんが、治療に活用できる可能性は高いとして期待されています。

 

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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