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生活習慣病

主治医に安全性の確認を!糖尿病治療薬『SGLT2阻害薬』に脳梗塞・低血糖の報告

糖尿病治療薬の新薬として『SGLT2阻害薬』という血糖の閾値を下げる作用のある薬(尿細管でのブドウ糖の再吸収を阻害;一日70~100gの糖を尿として排出する)がありますが、近年(2014年8月時点で)この副作用として【脳梗塞12例、低血糖114例、皮膚症状が500例以上】報告されており、ガイドラインに従い適正に使用されるよう注意喚起が行われています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

SGLT2阻害薬とは?

 

SGLT(ナトリウム依存性グルコース輸送体)2阻害薬とは、体内におけるグルコース代謝やインスリン分泌に直接作用せずに、腎臓の近位尿細管に発現しているSGLT2を選択的に阻害してグルコースの再吸収を抑制し、尿中に余分なグルコースを排泄することで血糖を低下させる、という糖尿病の治療薬です。

 

副作用の詳細について

 

予想されていた副作用である尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹などの重篤な副作用が増えているといいます。SGLT2阻害薬の添付文書には以下の副作用に関する注意事項が記されています。

 

<注意が必要な副作用>

 

1)インスリン分泌促進薬(インスリン・SU薬等)と併用する場合、低血糖の可能性があり用量を減らすことが重要。又、インスリンとの併用は安全面で注意が必要。

2)高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。

3)脱水防止への対策を十分に講じること。利尿薬との併用は推奨されない。

4)シックデイ(発熱・下痢・嘔吐・食思不振時など)には必ず休薬する。

5)紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中止する。

6)尿路感染・性器感染についても注意する。

7)本剤と他に2剤程度までの併用が推奨される。

 

各副作用の詳細と、その対策について

 

◆低血糖(血液中のブドウ糖が少なくなり過ぎた状態)

 

【症状】動悸・発汗・手足のふるえ・眠気など。

 

⇒報告されている低血糖の症例は、多数の血糖降下薬を使用している患者にさらに追加されている場合が多かった(インスリンとの併用例は特に多く、重症低血糖12例のうち9例がインスリン併用例だった)。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことから特に注意が必要。SU薬の減量についても検討することが必要。

  

◆ケトアシドーシス(体内にケトン体が過剰に蓄積した、血液が酸性に傾いた状態;インスリン不足による脂質・蛋白質の代謝亢進)

 

【症状】口渇・多飲・多尿・体重減少・全身倦怠感(悪化すると、呼吸困難・速くて深い呼吸・悪心・嘔吐・腹痛・意識障害など)

 

⇒インスリン分泌能が低下している症例や、栄養不良状態、飢餓状態の患者や極端な糖質制限を行っている患者、SGLT2阻害薬投与時の口渇に伴う清涼飲料水多飲はケトアシドーシスを発症させうると、注意を呼びかけられている。

 

◆脱水症状(尿中グルコース排泄作用により浸透圧利尿作用が働き、水分排泄が多くなる)。

【症状】口渇・めまい・ふらつき・失神・起立性低血圧・血栓塞栓症(脳梗塞など)

 

⇒特に高齢者や利尿剤を併用している患者では、脱水が起こりやすいので、適切な水分補給が必ず必要となる。

 

◆皮膚症状

【症状】薬疹、発疹、皮疹、紅斑など。

 

⇒もっとも頻度の高いSGLT2阻害薬の副作用となっている。皮疹が起こった場合には、皮膚科医に相談することが重要。

 

◆尿路感染症・性器の感染症

【症状】排尿時の痛みや残尿感、性器やその周辺のかゆみなど。

 

⇒投与開始から2~3日や、1週間以内に起こる例もあれば、2ヵ月程度経って起こる例もあるという。腎盂腎炎をなど重篤な尿路感染症に進展する恐れもある。

 

最後に

 

糖尿病の専門医によると、「通常糖尿病の専門医であれば、新薬をすぐに処方せず、従来薬を使用するのが一般的」と述べられていました。近年、急速に新薬処方が拡大している裏側には、非専門医が多く使用しているためであるとも言われており、上記の合併症を防ぐためにはもっと慎重な姿勢が必要と言われています。いずれにしても、SGLT2阻害剤を処方されている場合には、主治医に適正使用であるか、一度確認を取る必要がありそうです。

 

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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