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気になる病気・症状

便由来細菌を腸管内に移植して『潰瘍性大腸炎』が改善する?!

『腸は第二の脳』と言われるように、腸管において数々のホルモンや神経伝達物質が産生される事が明らかとなっており、また腸内に寄生虫を宿らせる療法(寄生虫療法)で自己免疫疾患・自閉症に効果が見られるなど、腸と免疫・中枢神経の関係深いことが明らかとなっています。そして、最近では、欧米で多くの臨床試験が実施されている『腸内便細菌叢移植治療』という便由来細菌を腸管内に移植することで、潰瘍性大腸炎症状が改善したという報告も多数出ています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

潰瘍性大腸炎とは?

 

潰瘍性大腸炎とは、大腸粘膜などにびらんや潰瘍を生じる炎症性腸疾患のことで、その発症機序は不明とされていますが、自己免疫の異常により生じる疾患で、その他食生活の欧米化やストレスなども関連していると推測されています。症状としては【粘血便、腹痛、下痢、発熱】などが生じ、悪化すれば日常生活に支障をきたします。

 

『腸内便細菌叢移植療法』の詳細について

 

通常、人間の腸内には数百種類、数百兆個の細菌が住み着いており、免疫や栄養素の分解などに関わっていることが分かっています。しかし、潰瘍性大腸炎など腸の病気の患者では、細菌の種類も個数も少ないことが明らかとなっており、これを改善することで、症状の緩和に繋がることが臨床試験の結果によって示唆されています。国内病院の消化器内科の医師によると「便1gには乳酸菌飲料1本分の数百倍の細菌が含まれている。便の解析で病気と関連する菌がわかれば、新たな治療法につながる可能性がある」と述べられています。

 

<移植の手順とは?>

移植の手順としては、以下になります。

 

1)配偶者又は2親等以内の家族から便を提供してもらう。

2)生理食塩水と混合し、フィルターで濾過した液体を注射器に入れる。

3)50~300g程度の液体を内視鏡で大腸に注入する。

4)3ヵ月後に白血球数の増加や、症状の改善、副作用の有無、便の遺伝子解析による菌定着度合いについて検査を行う。

 

<欧米の臨床試験>

◆2013年の米医学誌(New England Jurnal of Medicine)に掲載された論文

【試験内容】難治性感染症の患者約40人に従来薬と便移植による治療法をそれぞれ実施し、経過を見る。

【結果】従来薬では、20~30%の治癒率だったが、移植法では94%に効果が見られた。

 

最後に

 

国内では2014年3月に慶応大学にて、臨床試験の1例目となる潰瘍性大腸炎の40代男性に親族の便を移す移植法を行い、有効性が確認されたと言います。現在も、他の疾患を持つ患者の方を対象とした臨床試験は継続されており(45名)、【過敏性腸症候群・難治性感染症・腸管ベーチェット病】への効果が期待されています。

 

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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