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生活習慣病

糖尿病性壊疽など、難治性皮膚潰瘍を再生!『多血小板血漿療法』とは?

糖尿病・外傷・褥瘡(床ずれ)などが原因で生じる皮膚潰瘍は、通常その治療法として『保存療法(壊死の除去・軟膏治療など)』『外科手術』が適応されますが、より重症化した『難治性皮膚潰瘍』の症例では奏効しない場合が多いため、新たな治療法として『多血小板血漿療法』が注目を集めています。血小板は、血液凝固作用以外にも【創傷治癒や組織再生】の作用が確認されており、これを投与することで創部を効率的に治癒すること可能であると言われています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

多血小板血漿とは?

 

自己多血小板血漿注入療法(Platelet Rich Plasma:PRP)とは、自己血液を使った再生医療のひとつで、1998年に顎骨再建治療での骨再生の増大目的で初めて使用されました。自己多血小板血漿は自己血液中に存在する血小板を非常に多く含んだ血漿(通常の2倍~7倍)で、これを創部に散布することにより、傷が早く治癒でき、自己の血液から作成されるので安全な治療法といえます。現在では、【糖尿病性潰傷、熱傷、褥瘡】など深い傷の治療に使用されています。また、血小板には、以下の成長因子が含まれています。

 

◆PDGF

細胞の増殖やマクロファージの活性化を担う。

◆TGF-β

コラーゲンなどの産生を活性化させる。

◆VEGF

血管新生因子としての働きを含む。

◆EGF

新生細胞の成長を大きく促進させる。

 

 

実際の治療の手順について

 

以下の手順で行われます。

 

1)最大で60mL程度の採血を行う。(潰瘍の状態により採血量は変動する。例)献血の際の採血量:200~400mL程度)

2)血液の遠心分離を行い、血小板だけ取り出して濃縮する。

3)濃縮された血小板溶液(多血小板血漿と呼ぶ)を、4分割する(概ね一ヶ月分)。

4)分割した多血小板血漿の1本を用いて、潰瘍部位に投与する(カルシウム溶液を加えて活性化させる;PRPを活性化すると,数分で粘稠な状態(ゲル)となる)。

5)7日間から10日間位に一度の割合で、4回反復する。

6)以後の潰瘍部の治療は、通常通りとなる。

7)通常1ヶ月4回の治療で、その有効性を判断する。

 

最後に

 

2006年以降、この治療法についての臨床研究を行っている関西医科大付属病院では、腰・尻・足などの皮膚が薄い部位の褥瘡や、糖尿病由来の難治性皮膚潰瘍を持った患者のほぼ全症例において、数週間~数カ月で創部が回復・改善したという報告があります(特に大きな効果があった症例は、15年間で7回手術を受けても治癒できなかった褥瘡が治ったというもの)。その際の副作用はなく、感染症などの恐れも低いと言われています。

 

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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