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頭痛

予防・発作前兆前・発作時などの状況に応じて選ぼう!片頭痛の治療薬まとめ

片頭痛は主に、血管の過度の拡張による拍動の増加時や、血管の炎症によって血管周囲に発痛物質(ブラジキニン・ヒスタミン・セロトニンなど)が溜まり、それが血管周囲の神経終末を刺激したときなどに起こると言われています。片頭痛の治療薬は、『予防・発作前兆前・発作時』それぞれに応じた治療薬があり、これらを正しく使うことで、痛みを抑えることが出来ます。以下では、代表的な治療薬と、選び方について見て行きたいと思います。

 

片頭痛薬の詳細について

 

<予防薬>

片頭痛発作が月に2回以上ある場合、予防療法を検討することが勧められています。

 

◇カルシウム拮抗薬(ロメリジン)

【作用機序】血管の平滑筋にあるカルシウムチャネルの機能を拮抗(阻害)し、血管収縮抑制・脳血流増加を起こす。

【臨床成績】ロメリジンは月2回以上の発作がある場合、10mg/日経口投与すると、8週間後に64%の割合で発作の頻度、程度の軽減が期待できる。

【副作用】肝障害・ほてり

【注意事項】有効性が出るまで長期間(1ヶ月程度)かかる。

 

◇β遮断薬(プロプラノロールなど)

【作用機序】交感神経のアドレナリン受容体のうち、β受容体のみに遮断作用を示す。

【適応】高血圧や冠動脈疾患、頻拍性不整脈などの合併症をもつ片頭痛患者に特に有用。

【注意事項】心不全や喘息、抑うつ状態の場合は使用を避ける。リザトリプタンとの併用は禁忌。

 

◇アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬

【作用機序】昇圧作用のあるアンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する酵素ACE(アンジオテンシン変換酵素)を阻害し、降圧作用を示す。またブラジキニンの分解抑制によるNO(一酸化窒素)増加により、末梢血管を拡張・降圧作用を示す。

【副作用】服用者の20~30%に空咳・腎機能悪化・血管浮腫・亜鉛欠乏による味覚障害などが生じる可能性がある。

 

 

◇抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウム)

【作用機序】GABA(γ-アミノ酪酸)トランスアミナーゼを阻害することにより抑制性シナプスにおけるGABA量を増加させる。

【臨床成績】月に2回以上の頭痛発作がある片頭痛患者に、バルプロ酸ナトリウム1000mgを経口投与。8週後には片頭痛発作を平均4.4回/月⇒平均3.2回/月に減少した。

 

◇抗うつ薬(アミトリプチリン)

【作用機序】脳内においてノルエピネフリン及びセロトニンの再取り込みを抑制し、モノアミンが増量することにより、抗うつ作用を示す。

【効果】抗うつ薬は、片頭痛に関係の深いセロトニンの代謝を改善するため、予防に有用。特に、緊張型頭痛を合併している場合に高い有効性がある。

【副作用】抗コリン作用が強く、口渇・便秘・めまい・眠気・排尿障害などの三環系抗うつ薬特有の副作用が強く現れやすい。

 

<発作前兆薬>

 

◇エルゴタミン系アドレナリン受容体遮断薬(エルゴタミン・ジヒドロエルゴタミン・クリアミンA)

 

【作用機序】動静脈を収縮するので、過剰な血管拡張を抑え、鎮痛作用を示す。通常、トリプタン系が無効な場合や、副作用で使えないとき有用。

【副作用】ドーパミン受容体への作用により、悪心・嘔吐が多い。

【注意事項】子宮筋の収縮作用を示すため、妊婦には禁忌である。頭部血管への選択性が低いため、冠血管、末梢血管へのリスクが高い。乱用により薬剤誘発性頭痛を生じることが多い。トリプタン系にくらべ、作用時間が長いため、再発性頭痛が少ない。

 

◇カフェイン

【効果】エルゴタミンとの併用で、エルゴタミンの吸収促進と鎮痛効果

 

<発作時治療薬>

 

◇鎮痛薬(アセトアミノフェン・カロナール・バファリン・ポンタール・ロキソニン・ボルタレンなど)

 

【作用機序】シクロオキシゲナーゼ (COX) 活性を阻害することで、プロスタグランジン(発痛物質)の産生を抑制する。

【適応】副作用がほとんどなく、トリプタン系・エルゴタミン系薬剤が副作用で使えないときにも有用。

【副作用】強力な鎮痛薬を安易に常用していると、かえって頭痛(薬物性頭痛)を起こしやすくなることがあるの注意が必要。

【注意事項】効果が弱く、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と異なり、抗炎症作用をほとんど持っていない。

 

◇トリプタン系(スマトリプタン・ゾルミトリプタン・イミグラン・ゾーミックなど)

 

【作用機序】セロトニン受容体(5-HT1B及び1D)作動薬で、脳血管の収縮・神経終末からの炎症誘起性神経ペプチドの遊離を抑制して、硬膜の神経原生炎症を減少させ効果を発揮する。

【適応】前兆期や、前駆症状のうちには服用しない(効果がない)。

【効果】即効性があり、頭痛薬として最も良く用いられている。

【副作用】熱感・めまいなど。その他、1ヶ月に10回以上、トリプタンを慢性的に服用すると、1年で効果がなくなる例もある。また、3ヶ月を超えて使用すると薬剤誘発性頭痛を生じる可能性がある。

【注意事項】エルゴタミン系とは併用禁忌(追加投与する場合24時間以上間隔をあける)。心血管障害・脳血管障害・重篤な肝障害には禁忌。SSRI薬との併用に注意(作用増強)。

 

 最後に

 

片頭痛の誘発する原因として挙げられるものに、精神的要素(ストレス・精神的緊張・疲労・睡眠不足)、環境的要素(天候の変化・温度差)、食事要素(アルコールなど)、月経周期などがあります。そのような特定の状況下で発作が起こりやすいと認識している場合には、生活習慣の改善やリラクゼーション・睡眠療法なども併用してみることが薦められています。

 

 

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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