介護・認知症
アルツハイマー型認知症になりやすい人の性格と特徴は?どうやって予防するの?
近年、米国神経学会の発表で、『ビタミンD摂取量が不足している高齢者は、認知症・アルツハイマー病の発症リスクが大きく増加する可能性がある』という研究結果を報告しました。ビタミンDは、現在非常に注目されているビタミンであり、認知症や骨粗しょう症の予防以外にも『抗がん・免疫増強・創傷治癒・抗うつ作用』などが報告されており、健康維持のために推奨量の摂取は行うべきであるという勧告も見られます。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。
ビタミンDとは?
ビタミンDは、脂溶性ビタミンの1つであり、化学的には植物由来のビタミンD2 (エルゴカルシフェロール) と動物由来のビタミンD3 (コレカルシフェロ
ール) の2種類があります。これらのビタミンは、前駆体である7-デヒドロコレステロールやエルゴステロールに紫外線照射されることで、生成されます。ビタミンD欠乏症・過剰症の影響については、以下になります。
◆欠乏症
◇くる病(カルシウムの沈着障害)・骨軟化症・骨粗鬆症
◇高血圧
◇結核
◇癌
◇歯周病
◇多発性硬化症
◇冬季うつ病
◇末梢動脈疾患
◇1型糖尿病を含む自己免疫疾患
などの疾病への罹患率上昇に繋がるとされています。
◆過剰症
◇高カルシウム血症・肝機能障害・腎臓障害・多飲・多尿・尿路結石・尿毒症・高血圧・けいれん・昏睡
また、
◇易刺激性(不機嫌)・腹痛・発熱・発疹・かゆみ吐き気・食欲不振・便秘・疲労感・体重減少など
<日光浴では、必要量の合成に何分必要?>
一般的には、週に2回、5~30分位の日光浴が推奨されています。また、国立環境研究所によれば、成人の1日におけるビタミンD摂取量の指標とされる、『5.5μg』を日光浴により体内合成するのに必要な時間を計測したところ、以下であったと報告されています。
◆7月(晴天時・12時)
◇札幌【4.6分】
◇つくば【3.5分】
◇那覇【2.9分】
◆12月(晴天時・12時)
◇札幌【76.4分】
◇つくば【22.4分】
◇那覇【7.5分】
⇒体内に貯蔵されているビタミンDの半減期は20日~29日であるが、日光によって体内合成量が過剰になることはない(生合成は厳密に調節されている)。
研究内容の詳細について
◆米国神経学会による大規模研究(Neurology誌(オンライン版)より)
<研究内容>
認知症のない65歳以上の高齢者1658人を対象に、血中ビタミンD値を測定し、平均6年後に発症率と再度ビタミンD血中濃度の測定を行う。
<結果>
ビタミンD値が低値の場合、認知症発症リスクが53%増大し、重度不足の場合、リスクは125%増大しているという結果になった。またアルツハイマー病では、低値で約70%増大、重度不足で120%以上増大という結果となった。
⇒学歴、喫煙歴、およびアルコール摂取といった、認知症リスクに影響し得る他の因子で調整した後も、上記結果は変わらなかった。
最後に
ビタミンDの効果として、上記のアルツハイマー病の予防以外にも、近年では『血管再生(血管新生骨髄細胞の増加による)』や『自己免疫疾患の予防(1型糖尿病など)』が報告されていることから、健康への影響は大きいと考えられます。しかし一方で、過剰摂取で血管の硬化(カルシウム沈着による石灰化)が生じる可能性も指摘されており、サプリメントなどから摂取する際は十分気をつけて摂ることが必要です。
アルツハイマー型認知症になりやすい人の性格と特徴をリサーチ!
アルツハイマー型認知症は、高齢者の4人に1人が発症していると言われる病気です。発症は男性より、女性のほうが多いのが特徴ですが、このアルツハイマー型認知症になりやすい人は、どんな人なのでしょうか?なりやすい人の性格や特徴を知ることで、アルツハイマー型認知症の予防を心がけていきましょう。
認知症になりやすい性格
・感情の浮き沈みが激しくクヨクヨ悩む人・・・不安症や閉じこもり、鬱病の人は特に気を付けてください。ネガティブな思考や物事に悩む人は、記憶力の減退が進むため、認知症になりやすいです。実際に、鬱病からアルツハイマー型認知症に移行する人は多いです。
・運動しない人・・・運動することでアルツハイマー型認知症の要因となるアミロイドが減少するので、運動する人より、しない人のほうがなりやすいというデータがあります。
・頑固な人や几帳面な人、凝り性・・・高齢者は加齢により脳内のエネルギーが不足するため、頑固になりやすいので、元々、頑固な性格の人は、特に注意が必要です。
・自己中心的な人やわがままな人
・まじめな人、仕事人間
「昔は、固い仕事(エリートや幹部など)をしていたのに・・・」「仕事を辞めた途端に呆けた」などの話を聞くこともありますが、以上のような人が比較的アルツハイマー型認知症になりやすいというデーターがありますので、日ごろからイライラせずに、ゆったり過ごす事を心がけ、心身ともに穏やかに過ごす事で、予防することができるのではないでしょうか。その他にも、高脂肪の食事を好む、肉が好きで魚が嫌い、野菜をあまり食べない、水分が少ないなど、食生活の乱れも発症のリスクが高くなるため、食生活の見直しと適度な運動を心がけましょう。
アルツハイマーって遺伝する?予防法はある?早くに気付いてあげたい初期の症状もチェック!
アルツハイマーの発症に対して、何か予防をしているでしょうか?年齢が上がってくると認知機能が落ちていくのは当然ですが、過ごし方によってそれを防ぐこともできます。ここでは代表的なアルツハイマー病の発症や予防法などについて、詳しく紹介していきます。
アルツハイマーとは?
アルツハイマーは、認知症の原因疾患のひとつです。そのためアルツハイマー型認知症と言われることもあります。認知症を引き起こす原因疾患で最も多いのが、このアルツハイマーと言われています。男性よりも女性に多くみられる傾向があります。
どうして起こる?
アルツハイマーは神経細胞が破壊されて起こる病気です。脳に特殊なたんぱく質が溜まり、それによって神経細胞が壊されてしまい減っていくので、認知機能に異常が起こります。神経細胞が減少していくことで、脳全体も次第に委縮していきます。
遺伝するの?
アルツハイマー型認知症の一部は遺伝すると言われています。それは家族性アルツハイマー病と呼ばれますが、事前に絶対わかるものではありません。ただ検査で判明する場合もあります。
アルツハイマーの予防
アルツハイマーを発症しないように予防したり、早期発見&早期治療開始をすることが重要です。ここではアルツハイマー病を予防する方法をご紹介します。
予防法1.食生活・運動習慣
野菜や果物、魚をよく食べるようにします。ポリフェノールの摂取もよいとされています。また週3日以上の有酸素運動を行うようにしましょう。
予防法2.対人接触
人とよく付き合い、対人接触を意識した日々を過ごすようにします。
予防法3.脳機能を集中的に鍛える
・体験したことを思い出す…2日遅れの日記をつけるなど
・計画力を鍛える…旅行の計画を立てる、囲碁や将棋をするなど
・注意力を鍛える…一度に何品か同時に料理する、仕事や計算をスピーディに行うなど
予防法4.睡眠不足を避ける
睡眠不足ぎみの人は、きちんと睡眠がとれている人よりもアルツハイマー型認知症を発症しやすいとされています。これは寝ている間に脳の老廃物を取り除いているからで、睡眠不足になると脳は異物が蓄積されていくためと考えられています。
アルツハイマーかもしれない症状
アメリカのアルツハイマー協会が発表しているチェックリストがあります。アルツハイマーが疑われるときに、症状と比較してみてください。
□日常生活に支障が出るほどの記憶力低下
・同じことを何回も聞く
・些細なことをメモしたり、質問したりする
□計画や問題解決が難しい
・レシピに沿った調理ができない
・毎月の支払ができない
□慣れているはずの作業を完遂するのが難しい
・慣れた場所に行けない
・慣れたゲームのルールがわからなくなる
□日付や場所がわからなくなる
・日付、曜日、季節が分からなくなる
・今いる場所に来た過程、理由が思い出せなくなる
□見たものや空間的な関係を理解できない
・距離感をうまくとらえられずにぶつかる
・鏡に映った自分の姿を見て、部屋の中に誰かいると勘違いする
□話したり書いたりする際に言葉につまる
・会話が途中で止まったり、同じ話を繰り返す
・言葉が出てこなくなったり、間違える
□ものを置き忘れ、それを探せない
・探している時間が多く、時になくなったことを誰かのせいにする
□判断力の低下
・高額なものを買ってしまう
・自分の身なりに興味を持たなくなる
□仕事や人かかわることを辞めてしまう
・人と会うのを避ける
・好きだった仕事や趣味などに途端に興味を失う
□気分や人格が変わる
・混乱や不安が強くなったり、疑い深くなったりする
・親しんだ場所や人以外に動揺してしまう
若年性アルツハイマー
若年性アルツハイマー病とは、64歳以下で発症するアルツハイマーです。
この場合男性の方がなりやすいと言われており、アルツハイマー病と比べると、若いという思いもあって発見が遅くなることもあります。また、病院で診断を受けてもうつ病や更年期障害と誤診されることも少なくありません。
早期発見が重要なアルツハイマーですから、若いからアルツハイマーではないという考えはしない方がよさそうです。
アルツハイマーの早期発見と予防
アルツハイマーには進行を遅らせたり、改善の効果が期待できる薬もあります。発症してからの周囲の対応の仕方で、進行の早さを変えることもできます。けれども一番は早期に気付くこと、もっと言えば予防に努めることです。特にアルツハイマーの可能性があるならば、日頃から注意してみてください。
アルツハイマー型認知症の予防は脳も体も一緒に鍛えることが効果的?!
以前、テレビで放送されたもので、「アルツハイマーを食い止めろ」というのがありました。認知症は色々な研究が進んでいますが、まだ根本から病気が完治できるところまでには時間がかかります。それなら、予防しかない!と「予防的治療」が注目されています。
アルツハイマー型認知症が発症するまで
アルツハイマー型認知症は、脳の海馬が委縮して起こる認知症です。なんと、アルツハイマー型認知症が発症するまで、25年かかることが大規模な調査で明らかになったのです。アルツハイマー型認知症の原因ともいえる、「アミロイドβ」が25年前から増加が始まり、その後に海馬の委縮が見られるようになったという結果になったようです。現段階では、早いうちから予防することで、進行をかなり遅らせることができるようになってきています。
アルツハイマー型認知症と運動の関係
アルツハイマー型認知症の予防には、MIC(軽度の認知症)のうちに早期発見し、早期に治療することで、そこの段階で進行を防ぐことができるので、「認知機能テスト」を受けてみてください。今回、このMICの人を対象に行った運動で、海馬の委縮を改善する効果が見られたとのことなので、その運動を紹介します。
・歩きながら引き算をする(100から3ずつ引いていきながら歩く等)
・踏み台昇降をしながら計算したり、野菜や果物の名前を挙げていく等、2人の時はしりとりをしながら行う。
以上を1年間繰り返した結果、脳の委縮が防げたというのだから驚きです。計算だけをするのでも、運動だけするのではなく、脳も体も一緒に鍛えることが、認知症の予防につながるようです。
アルツハイマー型認知症予防に良い?ビタミンC&Eの効果
ある研究報告によると、ビタミンCとEを多く含む食事をしている人はそうでない人に比べてアルツハイマー型認知症の発症率が低いそうです。
ビタミンCやビタミンEを多く含む食物はどんなものがあるでしょうか?
以下では100gあたりの含有量の多い食材をいくつかピックアップしました。
<ビタミンC>
・柿
・オレンジ
・ブロッコリー
・赤ピーマン
・イチゴ
・小松菜
・ほうれん草
・モロヘイヤ
・カリフラワー
<ビタミンE>
・アーモンド
・モロヘイヤ
・うなぎ
・カボチャ
・赤ピーマン
・ほうれん草
・アボガド
いかがでしょうか?
やはり野菜や果物を中心とした食生活が望ましいようですね。
ビタミンCやEはサプリメントも多く出回っていますが、やはり食べ物からバランスよく摂取するようにしましょう。
果物にはこれもまたアルツハイマー型認知症予防に良いと言われる葉酸も豊富に含まれています。
ほうれん草や赤ピーマンなど、おかずに取り入れやすい食材もあります。
ぜひ献立の参考にしてくださいね。
アルツハイマー予防に納豆を食べよう!
日本伝統の発酵食品、納豆。
その栄養価は世界で一番優れていると言っても過言ではないと言われています。
そんな納豆は認知症予防にも非常に効果的なんです。
納豆には脳を活性化させ、認知機能の低下を抑えると言われる栄養素がたっぷり含まれています。
・レシチン、コリン
脳の伝達物質の原料となる。
これらが十分にあることで脳機能が衰えないと言われている。
またレシチンは脳細胞膜の原料ともなり、脳細胞を守ってくれる。
・カルシウム
カルシウム不足も認知症の原因の1つと言われている。
・ビタミンK
高齢者に不足しがちな栄養素。
血栓ができるのを予防する。
また酵素の1つであるナットウキナーゼも血栓を予防する働きがあり、脳梗塞などからくる認知症の予防効果があります。
納豆は食べ合わせる薬味も魅力の1つですね。
長ネギや卵などが一般的ですが、認知症予防という観点からオススメな薬味をご紹介します。
・メカブ
海藻にもビタミンKが豊富に含まれます。
特にメカブは納豆にも負けないくらいのネバネバ食材。
納豆とメカブのダブルネバネバ食材でより健康的に。
・タマネギ
タマネギの臭い成分である硫化アリルは血栓を防ぐ効果があります。
ネギとはまた少し違った味わいです。
・シラス
魚を多く食べる人は認知症になりにくいと言われています。
栄養豊富で味の相性も良いシラスは納豆のトッピングにぴったりです。
(photoby:pixabay)
著者: カラダノート編集部