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脂肪肝でも飲酒はOK?!アルコール性肝炎の発症まで~致死率は高いってホント?

愛飲家にとって、肝障害の発症によって『断酒』せざるを得なくなると、非常にストレスとなって、症状の悪化や他の病気の発症にも繋がる可能性があると言われます。断酒できる自信がない、という方に医師が求めるのは『脂肪肝の時点で早期発見・対処すること』であり、この場合アルコール摂取に関しては量は抑える必要はありますが、継続してお酒を飲むことは可能であるとしています。肝炎まで進行しないためには、摂取量と肝障害の関係について知っておくことが非常に重要です。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

どの程度の摂取量までなら、肝臓に悪影響を及ぼさないか?

どの程度のアルコール摂取量が、『飲みすぎ』と判断されるのでしょうか?『常習飲酒家』・『大酒家』と呼ばれる判断基準は以下になります。

 

◆常習飲酒家

日本酒に換算して一日平均3合以上飲む。

 

◆大酒家

日本酒に換算して一日平均5合以上、5日間以上継続して飲む。

⇒日本酒1合(またはビール大瓶1本またはウイスキーダブル1杯)=純アルコール量で約22g(アルコール1単位)に相当する。

 

<アルコール代謝速度は?>

一日に肝臓が代謝できるアルコール量と速度は以下になります。

 

◆肝臓のアルコール分解速度:100~200mg/時間/kg(体重)

⇒つまり、アルコール1単位(日本酒1合=アルコール2200mg)を代謝させるのに必要な時間は、約2~3時間である。

 

⇒また、1日に代謝可能なアルコール量(体重60kgの健康人)は純アルコールで150~200g/日前後。

 

<臨床試験について>

上記の1日可能なアルコール代謝量から考えると、一日150~200g前後(体重60kgで)ならOKと考えてしまいがちですが、実際の臨床試験では、毎日160gを10年間摂取し続ければ、肝硬変に至る可能性が示唆されており、また一日60gを2~4週間摂取しつづけるだけでも、脂肪肝を引き起こすことが報告されています。以下は、その危険性について述べた研究結果です。

 

◆LelbachやPequignot等の研究者による研究(飲酒量と肝臓障害の関係)

【研究結果】アルコール80g/日(日本酒換算で3.5合、ビール3.5本、ウイスキー3.5杯いずれか)以下の飲酒は肝臓障害を起こさない安全域だが、80~160g/日では肝硬変発症率が5倍、160g/日以上では25倍と報告されている。

 

◆国内の研究

【研究結果】日本酒に換算して毎日5合以上飲む「大酒家」では10年以上続けて飲酒した場合は肝硬変になる確率が極めて高い。

 

対策として出来ることとは?

また、摂取量を控えること以外に、以下の方法がアルコール代謝を活性化させ、肝障害を防ぐとされています。

 

1) 良質のたんぱく質(牛肉、刺身、卵、豆腐など)を摂る。

2) 飲酒の後、冷水を飲み水分を充分補給する(アルコールには利尿作用があり、脱水症状になりやすいため)。

3)果汁で水分補給をする(果糖がアルコールの分解を促進する)。

4)コーヒーを適量摂取する(脂肪肝の発症を抑える)。

5)週二回の休肝日を設ける(肝細胞の機能が回復する)。

 

最後に

脂肪肝は、早期発見・早期対策を行えば可逆的であり、一度寛解すれば再び少量のアルコールであれば継続して飲むことが出来ます(ビール1杯程度/日)。しかし、問題であるのは、脂肪肝はほとんどが無症状であることです。全身倦怠感など、体に違和感が生じた際には、肝炎が発症している場合が多いといわれます。生涯アルコールを飲み続けたいのであれば、適摂取量を守ること、また定期検査を行うことが必要であると思われます。

 

黄疸に注意!アルコール性肝炎の発症

アルコール性肝炎は以前日本ではまれな病気でした。しかし、近年お酒の飲み方が変わってきたのか、以前よりも見られる疾患になってきました。

 

どの様に起こるのか?

アルコール性肝炎は長期にわたって、お酒を飲む習慣がある人が急に限度を超えて大量のお酒をのんだことによって起こることの多い疾患です。普段からお酒を飲む習慣があると言っても、適度な飲酒は健康維持に効果的なものです。そのためアルコール性肝炎を発症するに当たっては、普段から一定量のお酒を飲み続けている人や、お酒に強いけれども普段適量をキープしている人に発症するケースが多く見られます。こうした条件に加え、直前に普段の飲酒の量の数倍にあたる量を短時間で摂取したというケースが9割を越えます。

 

どんな症状が見られるの?

アルコール性肝炎の主な自覚症状として最初に見られるのは腹痛です。腹痛が見られた後に発熱が見られるのですが、多くの場合この時点でアルコールが体内にあり、酔っ払っている状態ですので、アルコール性肝炎の自覚症状としての発熱なのか、飲酒をしたことによる熱感なのかを自分で判別することはほぼ不可能です。腹痛発熱の次に見られるのは肝臓の疾患においてよく見られる黄疸症状です。飲酒の後に黄疸症状が見られたらアルコール性肝炎を発症している可能性が高いと言えます。アルコール性肝炎の症状は比較的自覚症状が強くあらわれるのですが、お酒に酔っている状態ということもあり、少し進行しなければ自覚できないことが多いようです。

 

自覚症状に本人が気づきにくい分、他人から見える黄疸症状(全身が黄色くなったり、白目に黄色みが増す症状)が早期発見をするに際して、重要なポイントになります。

 

脂肪肝からアルコール性肝炎を発症!?

肝臓は体内に取り込んだアルコールを分解してくれる唯一の気管です。食べ過ぎたときに胃腸が消化不良を起こしてお腹が痛くなるのと同じで、アルコールを摂取しすぎると肝臓にダメージがたまります。極端にアルコールを飲みすぎると急性アルコール中毒と言った症状があらわれますが、日々肝臓に負担がかかるような飲酒ではこれと言った自覚症状が見られないことが多くあります。

 

脂肪肝からアルコール性肝炎

アルコールを過度に飲む習慣のある人は肝臓に必要以上に脂肪がたまってしまう脂肪肝になる危険があります。脂肪肝の状態だけではただ単純に肝臓に脂肪が多いだけとも言えるのですが、こうした状態の肝臓のままさらに無理な飲酒を続けた場合にアルコール性肝炎を発症する場合があります。アルコール性肝炎を発症すると腹痛や発熱、黄疸などの症状と共に、重篤化すれば死亡する危険性も出てきます。

 

その時点でアルコール依存症

このようにアルコール性肝炎が診断された人の多くは、アルコール性肝炎を発症した時点ですでに断酒が難しいレベルのアルコール依存症になっているケースが多くあります。そのためこの時点での患者さんはアルコールから離れようとして一時的にお酒から離れることはできますが、すぐにもとの飲酒量になってしまうといったことがあり、肝臓への悪影響が続いてしまうことが懸念されます。

 

断酒に成功しても

断酒に成功し、アルコール性肝炎が改善したとしてもその多くは一時的です。精神的なよりどころを飲酒にしていることが多いですから、飲酒を再開して肝臓の悪化が進み、やがて肝硬変へと進んでいくことがあります。

 

肝硬変に進んだとしても、根本的な原因は飲酒にありますから、断酒の継続ができるかどうかが改善のカギとなります。そのため、「やっぱりだめだ」と思わず、何度でも断酒を試みることが重要です。

 

致死率50%以上!?致死率の高いアルコール性肝炎について

アルコール性肝炎は普段からお酒を飲む習慣がある人が、急に短い時間に大量の飲酒をしたことによって起こるケースが多くあります。このためアルコール性肝炎を発症する人は、実際に強い弱いはさておき、自分はお酒が強いと自覚している人が多いようです。

 

アルコール性肝炎の所見

アルコール性肝炎を発症すると他の肝臓疾患と同じような倦怠感や食欲不振、吐き気、腹痛、発熱などが見られます。また、腹水や黄疸、肝臓腫大などが認められることがあり、これが進行すると異常行動や意識障害、全身の出血傾向、さらにはさまざまな症状をともなった昏睡状態に陥り、死亡することもあります。

 

致死率50%以上

アルコール性肝炎は多発するような疾患ではありませんが、ひとたび発症するとその致死率は決して低くありません。特に発症してから適切な処置を受けないでいるとその致死率は50%以上になるとも言われています。一気飲みなどで大量にアルコールを摂取したときに腹痛や黄疸などの急性的な症状が見られたら迷わずに救急車を呼ぶことが大切です。

 

治療

アルコール性肝炎では発熱によって脱水症状を引き起こしていることがありますので、点滴と輸血がまず行われます。そして副腎皮質ホルモン剤などの投与を行い、炎症の発生を抑制して様子を見ます。最大の焦点はいかに適切に早急に体内のアルコールを排出できるかになるので、迅速に対処することが必要です。

 

 

普段にないようなアルコールの飲み方をするのは、やはり大勢でいるような宴会などの場が多いようです。そのため、そうした場で無理に一気飲みを進めないことが大切です。たとえお酒が強い人でも、人の体がアルコールを分解できる量には限度がありますので、ほどほどを守るようにしましょう。

(photoby:pixabay)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-17掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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