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介護・認知症

アルツハイマー病=3型糖尿病だった?!『インスリンでアミロイドβが分解できる』の真偽とは?

アルツハイマー病は、現在においても進行を遅らせるような対処療法しか存在していませんが、近年『インスリン投与』がアルツハイマー病の原因であるアミロイドβタンパクを分解する作用があるとして、非常に注目されています。アルツハイマー病の初期には脳の海馬を含む領域で、インスリン濃度が低下していることが知られており、2型糖尿病患者でない場合にも、脳の領域のみが糖尿病症状になるというケースもあると言われています(=3型糖尿病とも言われる)。また、経鼻のインスリン投与により、低血糖を避け安全にインスリン濃度を上げる治療法が研究されています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

アルツハイマー病とインスリン治療について

 

アルツハイマー病の直接的な原因は以下の2つによるものとされています。

1)アミロイドβタンパク(老人斑)が分解されず蓄積され、神経細胞を圧迫して壊死させる。

2)神経細胞内にあるタウタンパク質がリン酸化により神経原線維(糸くずのようなもの)となり、神経細胞を萎縮させる。

 

⇒そしてこれらの病変を抑制する作用がインスリンにあると言われています。

 

1)インスリン分解酵素が悪玉アミロイドβを分解する。

2)脳内にインスリン抵抗性が生じると、神経細胞間のインスリン伝達物質の活性が低下し、それに伴ってアミロイドβ蓄積促進作用を持つ『グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK3)』を過剰に活性化させる。またGSK3は、タウタンパクのリン酸化を生じさせ、神経原線維(もつれた糸くずのようなもの)にしてしまう作用がある。

 

2型糖尿病と、認知症の関連性について

 

国内の研究では、2011年に九州大学が、糖尿病患者は2倍も認知症になりやすいことを発表しました。また別の研究では、早朝空腹時の血糖値がそれほど高くなくても、血液中のインスリン濃度が高いとアルツハイマー病の発病リスクが高くなる(=インスリン抵抗性による)、また高血糖は炎症と活性酸素を増やすことから重要なアルツハイマー病のリスク因子になると報告されています。

 

<アルツハイマー病のリスクとなる、具体的なインスリン数値は?>

◆インスリンレベルが89.4pmol/Lより高い(=インスリン抵抗性がある)と、アポリポタンパクE-ε(イプシロン)4型(=アルツハイマー病になりやすくする遺伝子)、を持っているのと同等のリスクになるという研究結果もあります。

 

経鼻インスリン療法について

 

現在は、まだ臨床試験の段階ですが、鼻粘膜からゆっくり脳血流にインスリンを到達させる『経鼻インスリン療法』が現在非常に注目されています。通常のインスリンでは脳血液関門を突破できないが、経鼻インスリン投与では、脳内に到達し作用が確認できたと言う報告があります。以下は、米国で行われた臨床試験についてです。

 

◆米臨床試験

【試験内容】AD初期あるいは、軽度認知障害患者に鼻スプレーで4ヵ月間、毎日インスリンを吸引してもらい、半年間の経過観察を行った。

【結果】低用量の経鼻インスリン療法を受けたグループの8割は、一つの物語の内容を20分後にも記憶し、認知機能も改善されていた。一方、高用量のインスリンを投与されたグループでは、記憶の改善は見られなかったが認知機能の改善が認められた。

 

最後に

 

上記のように、点鼻のインスリンはアルツハイマー病を改善出来る可能性があると言われていますが、一方で現在の状況としてはインスリン量の微調節は困難であり、また脳内のインスリンが過剰になった場合、本当に無害であるのかの根拠が薄いとされています。今後は、さらなる多数例の臨床試験を行うことで、安全性への根拠を確実にすることが期待されています。

 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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