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間質性肺炎や肺線維症に効果!『水素吸入療法』とは?肺の病気の治療法

間質性肺炎とは、肺胞のまわりの壁の部分が何らかの原因で炎症を起こし、硬化と萎縮(線維化)によって肺としての機能が失われ、悪化した場合数週間で死亡する可能性のある病気です。この治療法には、抗生剤や抗炎症剤、酸素吸入、場合によっては抗線維化剤が使用されますが、線維化した状態を回復する手段はなく、悪化する前の早期治療や予防が基本となります。近年、酸素吸入と共に線維化を抑えるとして推奨されている療法に『水素吸入療法』があります。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

間質性肺炎とは?

 

通常の肺炎は、肺胞の内部に細菌や煙などが原因で炎症が起こることで生じますが、間質性肺炎は肺胞と肺胞の間の隔壁の部分(=間質)に浮腫や細胞浸潤をおこし非細菌性の炎症をきたすという疾患です。炎症が進行すると、間質に線維芽細胞が浸潤してきて線維化が起こり、その状態から元に戻ることはほぼ不可能であるとされています。また、労作時の呼吸困難や咳などが出てくるのは、線維化による肺胞隔壁の肥厚・硬化で、肺が伸びにくくなるためです。状態が進行すれば、呼吸困難が悪化し、予後は不良であるとされています。

 

水素吸入療法の詳細について

 

間質性肺炎は、上記のように間質に炎症と線維化を生じさせる疾患であり、一度損傷した細胞は元に戻ることはないと言われています。一方で、現在この炎症・線維化抑制に効果があると期待されている療法に『水素ガス』があります。水素には活性酸素消去作用があるため、間質性肺炎のほかにも、COPDなど、タバコや有毒ガスや微粒子の長期間の吸入による慢性炎症(活性酸素が生じる)に有効とされています。

 

<水素の効果>

◇水素自体がもつ抗酸化作用や抗炎症作用

◇また、水素により誘導される『ヘムオキシゲナーゼ』という物質による抗酸化・抗炎症作用

 

⇒ヘムオキシゲナーゼは、血液中の赤血球の中にあるヘム(人体に有害)を分解する酵素で、細胞を酸化ストレスによる障害から守る細胞保護の役割を持っている。

 

<臨床実験について>

米国による肺障害と水素に関する研究では、以下の臨床試験が報告されています。

 

◆米国による臨床実験(American Thoracic Society)

【実験内容】ラットを2群にわけ、98%の酸素に(高酸素肺障害を生じる)、それぞれ2%の窒素と2%の水素を与えて比較検討した。

【結果】60時間の酸素投与の後、2%水素を添加した群では、肺の浮腫や肺機能、肺の炎症の有意な低下を示していた。また、ヘムオキシゲナーゼ(HO-1)を測定すると、水素を与えた群において上昇していた。

 

水素ガス発生装置について

 

現在、一部の医療機関で取り扱われている『水素発生装置』は以下のものになります。

 

◆発泡水素発生材(製造元:株式会社パル・コーポレーション)

◇成分:酸化カルシウム粉末+アルミニウム粉末(この2つが水と反応することで、アルミン酸カルシウム+水素ガスとなって発生する。)

◇使用方法:25gの発泡水素材を2リットルペットボトルの水に沈め、発生した水素ガスを、エアマスクなどで吸引する。1袋で約1000リットルの水素水が生成できる。

 

<どのような病気の治療に有効か?>

◇気管支ぜんそく

◇間質性肺炎、肺線維症

◇膠原病

◇肺がん

◇慢性閉塞性肺障害

 

<水素の取り扱いは危険なのでは?>

上記の水素発生装置は家庭でも気軽に使用できますが、水素自体が着火しやすい物質であることから、取り扱ううえでの危険性が疑問視される場合があります。これに対し、専門家は水素には以下の特性があるため、出来る限り個人で扱わないことが重要としています(病院内で機器による治療を受けることが推奨される)。

 

1)水素の物質特性は、『燃焼範囲が広い(空気中に4~75%混ざると燃える気体となる)』『極めて小さなエネルギーで着火する』というものがある。

2)水素の発火点(自然発火温度)は、527℃である。

2)例えば、マッチの頭薬が燃えている温度は約1000~1500℃程度である(軸木部分では400℃程度)。

3)水素爆発事故の原因は、密閉容器中の水素にマッチで火をつけた場合に起こったものが多い。

 

最後に

 

上記のように、肺障害の改善には期待が持てそうですが、一方で取り扱い方法には細心の注意が必要であり、もし家庭内で扱うことになった場合には以下の点に気をつける必要があります。『1)医師に取扱い方法について十分確認する』『2)使用の際は部屋の換気を行い、発生装置から水素が漏れないようノズルとエアマスクを付ける』『3)子供を近づかせない』『4)着火するものを周囲に置かない(マッチ・ライター・静電気の発生するものなど)』

 

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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