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生活習慣病

インスリン製剤を使用すれば急激に進行する?!糖尿病性網膜症について

糖尿病性網膜症は、従来HbA1cが7~8%以上と高血糖の状態が数年持続することにより発症すると考えられていましたが、近年では急激に血糖値が変動する『グルコーススパイク』が生じることで、進行が非常に早まり、ひと月にHbA1cが3~4%改善すると合併症の危険性が高まると言われています。では、どの程度の期間をかけて、血糖値を降下させて行けば良いのでしょうか?以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

HbA1cの値と、合併症の進行度について

 

HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)値とは、赤血球中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値(過去1~2ヶ月間の平均)です。

 

<HbA1cの各値と合併症の進行度について>

 

◆8%以上

合併症が進みやすく、放置すれば、『5年程度で、足の感覚の麻痺・痛み』『7-10年程度で、視力の低下・失明の可能性』『10-13年程度で腎不全・人工透析の可能性』があると言われており、即時の治療が必要。

 

⇒また、『心筋梗塞・脳梗塞・壊疽・癌』などの可能性が高くなる。腎不全により透析が開始となれば50%の確率で生存期間は約4年と言われている。

 

◆7.0~7.9%

放置すれば数年以内に8%以上となる可能性が高い。合併症(神経障害、網膜症、腎症)も進行する。即時の受診と、毎月の内科の通院が必要。

 

◆6.0~6.9%

放置すれば数年以内に7.0~7.9%となる可能性が高い。糖尿病では、インスリン分泌能力は正常の半分以下に落ちており、『糖毒性(血糖値が高いほどインスリンが効きにくい)』に陥る可能性がある。即時の受診と、『食事・運動・薬物治療』が勧められる。

 

◆5.4-5.9%

放置すれば半数以上の人が数年以内に6.0~6.9%となる可能性が高い。境界型糖尿病の時点ですでにインスリン分泌能力が低下している。専門医以外では見過ごされる場合が多いが、少なくとも食事療法は開始する必要がある。半年~1年に1回の検査も必要。

 

食後血糖値の急上昇『グルコーススパイク』が危険である理由とは?

 

糖尿病専門医によれば、空腹時と食後の血糖値の幅が大きい『グルコーススパイク』が生じると、酸化ストレスが非常に大きく、血管にダメージが加わり、持続すれば出血、網膜症の悪化や急激な視力の低下・失明に繋がる恐れがあると指摘されています。また、『低血糖』に関しても同様で、糖尿病患者の無自覚性低血糖が頻繁に起きると、血管や網膜にダメージが生じる原因になると言われています。

 

<グルコーススパイクが生じる要因>

◆糖質を普通に摂取しながら、インスリン注射・SU剤で厳格に治療を行っている場合。

◆月間でHbA1cが3~4%程度改善する場合。

 

⇒食後高血糖と平均血糖変動幅が大きいほど、酸化ストレスリスクが大きく(=糖尿病合併症に繋がる)なる。

 

では、どのように血糖値を下げればよいか?

 

専門医によれば、『インスリン注射・SU剤』によって、急速にHbA1cを改善させた場合は、網膜症悪化・眼底出血が認められたものの、『糖質制限』による急速なHbA1cの改善例では、これらの合併症が全く生じなかったと言う報告があります。

 

⇒糖質制限食によるHbA1c改善は、低血糖・平均血糖変動幅増大がない。急速なHbA1c改善であるが、網膜症の悪化がない。

 

<また、インスリン製剤を用いる場合の、HbA1cを下げる目安は?>

前述のように、急速にインスリン製剤によって2~3%下げることは、非常に合併症のリスクが高いと言われており、推奨されているのは、HbA1cを1ヶ月に0.5%下げる程度であるようです。

 

最後に

 

このように、糖尿病専門医によれば『糖質制限食』による血糖抑制が、血管にストレスをかけることなく行える最も優れた治療法であると述べられています。ただ、一方で極端な糖質制限を長期間行うことで別の影響があると述べる専門医もおり、実際に実施する際には担当医との十分な相談が必要になると思われます。

 

(参考ウェブページ:財団法人高雄病院、ドクター江部の糖尿病徒然日記、m3.com/臨床賛否両論)

 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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