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健康診断・健康管理

抗酸化サプリメント摂取で逆に死亡率が上がるのはなぜ?『プロオキシダント効果』とは

近年、ビタミンを主としたサプリメントの摂取で、死亡率が上昇することが様々な論文で示唆されています(医学誌Annals of internal medicine:2013年12月号など)。その原因として挙げられている理由のひとつに『プロオキシダント効果(抗酸化物質がラジカルとなり酸化作用を持つ)』というものがあります。特にビタミンCに関しては、ラジカルになりやすく、抗がん治療の高濃度ビタミンC療法ではこの特性を利用し(ラジカルとなることで、がん細胞を攻撃する)治療法として役立っていますが、通常大量摂取を行えば、反対に健康上悪影響を及ぼす可能性があることも報告されています。以下では、その詳細について見ていきたいと思います。

 

プロオキシダント効果について

プロオキシダント効果とは、『生体内では抗酸化物質として作用している生体物質が、逆に酸化を促進すること』ですが、例として、ビタミンCは過酸化水素のような酸化性物質と反応する場合は抗酸化性を有するが、食品の成分として含まれる微量の銅や鉄などの金属イオン、ミオグロビンやヘモグロビンなどのヘムタンパク質などが存在する場合、空気酸化を促進することが知られています(フェントン反応)。種々の金属イオンを介して分子状酸素や過酸化水素からヒドロキシラジカルが発生することから、高濃度のビタミンCと金属イオンを摂取することは、酸化促進させる条件であると言われています。

 

<単一の抗酸化剤ほど、酸化促進する?!>

また、抗酸化剤の還元の順序としては、『抗酸化物質が酸化還元電位の差によって、ヒドロキシラジカルに電子を与え、順番に電子を動かしていく過程で、最後に最も還元力の強いビタミンCに渡され水になる』という順序によって行われますが、単一の、例として『βカロテン』のみを大量摂取した場合、抗酸化過程の真ん中あたりに位置しているため、自身が酸化物質としてたまりすぎることになってしまうため、酸化作用が高まるとも言われています。(p5-6 Frontiers in Gastroenterology Vol. 16 No.2 2011-4)

 

臨床試験について

マルチサプリメントと死亡率の関係についての臨床試験は以下が報告されています。

 

◆マルチサプリメント継続摂取している女性の追跡調査(内科学アーカイブス・2011年10月掲載)

【調査内容】1986年~2008年の約22年にわたる、米国アイオワ州の55~69歳の女性38,772人(平均61.6歳、対象者の62.7%が1種類以上のサプリメントを摂取)を対象とした追跡調査。

【結果】15,594人の死亡を確認された中、摂取群と非摂取の死亡率を比較すると、以下の値となった。

 

<摂取群で死亡率が上昇した例>

◇マルチビタミン・・・6%増加

◇ビタミンB6・・・10%増加

◇葉酸・・・15%増加

◇鉄・・・10%増加

◇マグネシウム・・・8%増加

◇亜鉛・・・8%増加

◇銅・・・45%増加

 

<摂取群で死亡率が低下した例>

◇カルシウム・・・9%減少

 

<摂取群・非摂取群でほぼ同等であった例>

◇その他のサプリメント(ビタミンA、βカロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、セレン)では、飲んでいたグループの総死亡率が飲んでいなかったグループと同等か高い傾向にあったが、誤差範囲に留まる結果だった。

 

◆ビタミンE摂取量と死亡率に関する調査報告(Annals of internal medicine:2005年1月)

【調査内容】135,967人を対象としたメタ解析で、対象となったビタミンE投与に関する研究のうち19のビタミンE400単位以上投与例での死亡率を解析した。

【結果】11研究で約10%死亡率が上昇していることが明らかとなった。

⇒結論として、1日400単位以上のVEは投与すべきでないとされている。

⇒一方で、この解析結果に反対する意見として『高齢者が多く含まれている』『対象は、単独ではなくマルチビタミンとして投与されている』(アメリカ栄養評議会)というものがあった。

 

◆ビタミンC摂取と、血管障害のリスクに関する調査(Lee)

【調査内容】1,923名の閉経後の糖尿病女性を対象として、ビタミンC摂取量と疾患のリスクを解析する。

【結果】VitaminC 300mg/day以上で血管障害のリスクが上昇することが示唆された。

⇒他の動物実験では、一日200mg以上摂取ではプロオキシダント作用が出現し、抗酸化能力を失うという報告もある。

⇒一方で、ビタミンC投与で心血管障害が減少したという報告もあることから(2004年フィンランド:Am J Med)、安定的な効果が見られないことが分かる。

 

最後に 

マルチサプリメントと死亡率の関係については、はっきりとした因果関係が証明されているわけではありませんが、少なくとも『ビタミンCとミネラル』を大量に投与することは、プロオキシダント効果を生じさせる可能性が高く避けたほうが無難であるとされています。抗酸化剤の代用としては、専門家によれば『メラトニン・グルタチオンペルオキシダーゼ・スーパーオキシドデスムターゼ』など比較的安定していて酸化作用を現さない物質を使用することが勧められています。

 

 

(参考ウェブページ:東京銀座クリニック、Med Edge、内科開業医のお勉強日記)

 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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