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ビオチン欠乏から自己免疫疾患が発症?!『ビオチン療法』とは

ビオチンは、近年『掌蹠膿疱症』を治療できる物質として、実際にクリニックで処方薬として出されることが増えてきたと言いますが、掌蹠膿疱症以外のアレルギー疾患・自己免疫疾患の治癒にも適用があるという報告があります。また、ビオチン投与によって症状を改善させる『ビオチン療法』は、ビオチン単剤投与するだけでなく、同時に腸内細菌叢を改善させる薬も併用して治療を行うことが必須とされています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

ビオチンとは?

ビオチンは、『ビタミンH』とも言われることから生体内のエネルギー産生において重要な物質であることが知られていますが、通常腸内細菌によって産生されるため、欠乏症は起こりにくいと考えられています。役割の詳細としては、脂肪酸の合成経路に見られるような、炭酸固定反応を行う酵素・カルボキシラーゼの補酵素に関与する物質として知られています。ビオチンは昔から皮膚炎の治療に重要と言うことは知られていましたが、近年ではさらに『アレルギー疾患・自己免疫疾患・糖尿病』などの様々な疾患の発症にも関連していることが多くの研究により明らかになっています。

 

<なぜビオチンは欠乏する?>

ビオチンは、腸内細菌が合成するため、通常では欠乏しないと言われていますが、以下の場合欠乏する可能性があると言われています。

 

1)卵白の大量摂取:卵白に含まれているアビジンが消化管内でビオチンと特異的に結合し、腸管からのビオチン吸収を阻害する。

2)経口摂取による吸収率の低さ:ビオチンは、食物に含まれているものの、遊離しにくいタンパク質と結合しているため、吸収率が低い。

3)母親由来の腸内細菌叢(悪玉菌優勢)の引継ぎ

4)老化による腸内細菌叢の悪化

5)抗生物質投与による腸内細菌叢の悪化

 

<ビオチン欠乏に関する研究内容とは?>

主にヒトを対象とした試験では、ビオチン欠乏による皮膚炎症状と、充足による症状の改善例が多く報告されています。 

 

◆ビオチン欠乏の原因とその治癒についての実験(Boas:1927年)

【実験内容】多量の生卵白飼料を与えたラット(脱毛を伴った湿疹性の皮膚炎・口周囲に赤色鱗状斑・眼瞼の炎症・けいれんなどの症状)に、ビオチン飼料を添加する。

【結果】ビオチンの飼料への添加・皮下注射により、症状は速やかに消失した。

 

◆ヒトを対象とした、ビオチン欠乏の影響に関する研究

【試験内容】成人・青少年、先天性ビオチン代謝異常の小児を対象に、慢性的に生卵白を摂取してもらう。また、マウスにも同様の試験を行う。

【結果】以下の症状が出現した。

 

◇成人・青少年⇒毛髪の退色を伴う脱毛・落屑性の脂漏性湿疹・紅斑性湿疹・うつ・嗜眠・幻覚・四肢の感覚異常・細胞性と体液性の免疫機能において影響が現れる。

◇先天性ビオチン代謝異常の小児⇒カンジダ皮膚炎が見られた。また皮内テストで反応が遅く、IgA欠乏・T細胞の割合が低かった。

◇ラット⇒抗体産生が低下した。

◇マウス⇒ビオチン依存性カルボキシラーゼ活性の低下・脾臓B細胞数の減少・T細胞の割合の増加が見られた。

 

自己免疫疾患とビオチンの関係とは? 

また自己免疫疾患に関しては、マウスによる実験において、ビオチン欠乏で脾臓機能の異常とともに免疫グロブリンの大量産生が確認されています。

 

◆in vivo(生体内)/in vitro(試験管内)生物学的試験(PubMed - indexed for MEDLINE)

【試験内容】ビオチン欠乏状態のマウスの免疫機能を調べる。

【結果】脾臓細胞の免疫システムに異常をおこし、免疫グロブリンを多量に作り出すことが明らかになった。

 

ビオチン療法について

ビオチン欠乏状態から補充を行う際に、注意したいことは『ビオチン単剤の投与では効果がない』ということです。腸内細菌叢が悪玉菌優勢となっている状態においては、ビオチン補充を行うと餌となり濃度に変化がみられないと言われています。

 

◆『ビオチン+ミヤリサン+ビタミンC』

上記の3物質の併用投与を基本として、継続的に摂取することで、腸内環境の改善とビオチン濃度の増加が現れるといわれています。

(※例:掌蹠膿疱症の治療では、約1年間程度を目安に継続投与を行う)

 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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