カラダノートみんなの役立つ予防法や対処法
  1. カラダノートTOP >
  2. 気になる病気・症状 >
  3. 全身 >
  4. 膠原病 >
  5. 自己免疫疾患の寛解の鍵となる制御性T細胞を誘引?!『インターロイキン2製剤』とは

気になる病気・症状

自己免疫疾患の寛解の鍵となる制御性T細胞を誘引?!『インターロイキン2製剤』とは

現在、自己免疫疾患の標準治療法としては『免疫抑制剤』などの対処療法が中心であり、根治療法は存在していませんが、その中でも自己免疫疾患の症状を抑制する体内因子の特定や、原因となるサイトカインの特定など、治療につながる研究・発見は日々進歩しているといいます。中でも、発現増加によって免疫寛容への大きな改善効果が期待できるとされる『制御性T細胞』は、2011年New England Journal of Medicine誌において『インターロイキン2製剤』を投与することで、増加させられることが明らかにされており、その有効性に期待が集められています。また、このIL-2製剤の利点としては、『低用量で副作用がほとんどなく効果が見込める』点であり、その他制御性T細胞を誘引するとして期待されていた『スタチン剤』(副作用の可能性が高い)などにはないメリットがあるようです。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

インターロイキン2製剤とは?

 

インターロイキン2とは、現在国内では抗がん剤として用いられている薬剤で、がん細胞を攻撃する際に中心となるT細胞の増殖を促進するとともに、がん細胞を破壊するNK細胞の働きを高め、がんを攻撃する働きがあります。また、『生物学的応答調節剤』とも呼ばれるように、投与量によってT細胞の増殖促進性を調製することが出来、高用量では副作用が強く『発熱・倦怠感・体液貯留・骨髄抑制・肝・腎機能障害』などの可能性がありますが、低用量では副作用も軽減され、腎臓がんにおいては高用量に匹敵する腫瘍縮小効果があると言われています。

 

<詳細について>

◆商品名:イムネース(塩野義製薬)、セロイク(武田薬品工業)

 

◆適応となるがん:腎臓がん、血管肉腫

 

◆主な副作用:発熱や悪寒、頭痛、発疹、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢、体重増加、睡眠障害などが現れます。そのほか、顔や手足のむくみ、体液貯留、骨髄抑制、肝臓や腎機能障害、うっ血性心不全など。

 

◆使用上の注意点:副腎皮質ホルモン剤は本剤の抗がん作用を弱めることがあります。

 

副作用なく、炎症性物質を抑制したIL-2製剤の臨床試験について

 

自己免疫疾患のひとつである『 C型肝炎関連クリオグロブリン血症性血管炎(低温になると固まって、血管を詰まらせるクリオグロブリンという抗体を生じる疾患)』へのIL-2製剤を投与した臨床試験の報告があります。

 

 

◆C型肝炎ウイルス誘発性血管炎患者へのIL-2投与試験(ClinicalTrials.gov:NCT00574652)

【対象】C型肝炎ウイルス誘発性血管炎を有し、従来の抗ウイルス療法・リツキシマブ療法に反応しない患者10例

【試験内容】上記の患者10例に対し、 IL-2(150万IU/日)投与×5日間行ったあと、第3・6・9週に300万IU/日投与×5日間×3コース行った。

【結果】10例中9例でクリオグロブリン血症の軽減、8例で血管炎の改善が認められた。低用量 IL-2の投与後、全例で強力な抑制作用をもつ制御性T細胞(CD4+CD25+Treg)及び転写因子FOXP3の割合が上昇し(420%)、同時に辺縁帯B細胞(抗体産生を増強させる)の割合が低下した。

 

⇒有害事象に関しては、グレード1(軽症・治療を要さない)を超える症状はなかった。治療によって、以下は見られなかった(『エフェクターT細胞の活性化・血管炎の増悪・HCVウイルス血症の悪化』)。

 

<結論として>

IL-2は、炎症性メディエータや酸化ストレスメディエータを全体的に弱めることが明らかになった.

 

最後に

 

医師の方が書かれたウェブサイトにて、IL-2製剤は非常に期待のできるものであると述べられていました、その理由として、『今既に使われている薬剤に、新たな用途を見出して適用することは、今日明日という単位で患者さんの症状改善に結びつく可能性があり(新薬では実用化に10年以上かかる)、期待できる』と述べられていました。今後、さらなる症例数の増加によって、安全性が確立されることに期待したいところです。

 

(参考ウェブページ:六号通り診療所所長のブログ、New England Journal of Medicine日本版、ClinicalTrials.gov)

 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

膠原病に関する記事

白血球減少に朗報!『フィトケミカルスープ』で白血球値は増える

    『フィトケミカル』は第6栄養素として非常に注目されている   ...

全身性の血管炎症性疾患「ウェゲナー肉芽腫」は早期治療が鍵

全身性の血管炎症性疾患「ウェゲナー肉芽腫」は早期治療が鍵 ウェゲナー肉芽腫とい...


強皮症の検査は受けて!

強皮症は全身硬化症とも言い、その名の通り皮膚を始めとして消化器、肺、心臓、腎...

全身性エリトマトーデスによるループ腎炎

    全身性エリトマトーデスとは、20~40代の女性に好発する膠原病の一つ...

カラダノートひろば

膠原病の関連カテゴリ

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る