カラダノートみんなの役立つ予防法や対処法
  1. カラダノートTOP >
  2. 生活習慣病 >
  3. 糖尿病 >
  4. 薬物療法 >
  5. 経口薬の種類 >
  6. 膵臓細胞の保護・増殖の可能性を秘める『DPP-4阻害薬』...その安全性は?!

生活習慣病

膵臓細胞の保護・増殖の可能性を秘める『DPP-4阻害薬』...その安全性は?!

日本における2型糖尿病は、やせ型のインスリン分泌不全型が多くを占めると言われていますが、その第一選択薬に『DPP-4阻害薬』が近年選ばれる傾向にあるようです。その理由は、DPP-4阻害薬には、従来のSU薬にはない『低血糖リスクの低減、体重増加の副作用の低減、膵臓β細胞の保護作用や細胞増殖作用』等多くのメリットがあるためです。しかし一方で、DPP-4阻害薬には長期的使用に関するデータが十分でなく、安全性やその他薬価などの面でも問題があると考えられています。では、インスリン分泌不全型における第一選択薬には、どの薬が適しているのでしょうか?以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

DPP-4阻害薬のメリット・デメリットとは?

DPP-4阻害薬は、インスリン分泌促進作用のあるホルモン『インクレチン(GLP-1とGIP)』を分解してしまう酵素『DPP-4』に対して、阻害作用を示し、インスリンの働きを強めて血糖値を改善することのできる治療薬です。特徴としては、『低血糖リスクの低減・体重増加の副作用低減・膵β細胞の保護増殖作用』があり、単独処方による低血糖リスクは非常に稀であると言われています。

発売から数年で、日本では急速に普及し、そのため軽症のインスリン分泌不全型糖尿病にも安易に処方される例も見られるといいます。『長期の安全性・コスト・効果の強さ』などの問題もあり、これらを留意するべきという意見もあります。

 

<DPP-4阻害薬のメリット・デメリット>

◆メリット

1)低血糖の副作用はSU剤より少ない(DPP-4阻害薬は、血糖依存性であるため)。

2)体重増加の影響は他剤より軽い(体重増加による、大血管障害リスクが低下)。

3)膵β細胞保護・増殖作用への期待(動物実験レベルで実証されている。ヒト効果が確認されれば、初の根本的治療薬となる可能性がある)。

 

◆デメリット

1)血糖降下作用では、SU剤やピオグリタゾンに劣る。

2)長期の安全性は不確実である。

3)薬価は、他剤より格段に高い。

 

⇒世界的な糖尿病治療薬の評価としては、これらのデメリットが考慮され、SU薬や心不全の副作用の可能性があるアクトスより、評価の低い二次薬扱いになっている。

 

SU薬のメリット・デメリットとは? 

メトホルミンと並び、第一選択薬として処方されるSU薬は、『血糖降下作用が強い』点が最大のメリットであり、一方デメリットには、持続的なインスリン分泌で『低血糖となりやすい』『膵臓の疲弊により、糖尿病悪化の懸念』が指摘されています。それゆえ、安全性が確立されている『少量』で処方されることが多くなっています。

 

<SU薬のメリット・デメリット>

◆メリット

・血糖降下作用が強い。

 

◆デメリット

1)高インスリン血症になり易く、低血糖を起こし易い(持続的に、インスリン分泌を刺激する性質があるため)。

2)長期間持続的に、インスリン分泌が刺激されることにより、膵臓が疲弊して(アポトーシス誘引)、糖尿病の進行を早める結果になる可能性が指摘されている。

3)長期間使用で、徐々に薬の効果が得られなくなる可能性がある。

 

DPP-4阻害薬とSU薬をどう使い分けるべきか?

自治医科大学の長坂昌一郎准教授によると、DPP-4阻害薬の使い方について以下のように述べられています。

 

1)DPP-4阻害薬は、従来薬(SU薬・メトホルミンなどの経口薬や、速効型インスリン分泌促進剤)による治療で効果が不十分なときに、追加として併用することが最も望ましい。

 

2)SU薬・インスリン分泌促進薬などで血糖コントロールが良好である場合、副作用の低減を理由にDPP-4阻害薬に切り替えると、しばしば状態が悪化する。

⇒インスリン分泌刺激の機序が異なるため。

 

3)SU薬・メトホルミン・DPP-4阻害薬の3剤併用療法で血糖コントロールが良好である場合、SU薬のみを中止すると状態が悪化することが多い。

 

最後に 

DPP-4阻害剤は、日本では膵臓細胞保護・増殖作用など、根本的治療薬としての可能性に高い評価がありますが、欧米においては安全性は未だ確立されていない薬と言う認識が強く、日本での評価は時期尚早であるという声もあります。今後の更新される情報を検討しながら、試行錯誤を繰り返すことが重要、と述べられています。

 

(参考ウェブページ:医学書院/週間医学界新聞第3080号、六号通り診療所所長のブログ、糖尿病ネットワーク)

 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

経口薬の種類に関する記事

血糖を下げる働きがある糖尿病の治療薬!糖尿病と3つの血糖降下薬について

糖尿病の治療薬のうち血糖を下げる働きがあるのが血糖降下薬というものです。1型...

経口血糖降下薬の種類と特徴①

    作用機序が異なる様々な薬が開発されていますので、患者さんの症状に...


ブドウ糖への変化を阻害!「α-グルコシダーゼ阻害薬」の種類いろいろ

  糖尿病の治療の大きなテーマは血糖値を正常範囲内にコントロールすることです。...

糖尿病に効く薬はさまざま…飲み薬の種類とそれぞれの効き方を知っておこう

飲み薬がどうして糖尿病に効果的なのか知っていますか?薬の種類によって様々な働...

カラダノートひろば

経口薬の種類の関連カテゴリ

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る