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第5世代の抗うつ薬?!従来薬と真逆の機序で高い治療効果『アゴメラチン』とは

 

 

第5世代の抗うつ薬?!従来薬と真逆の機序で高い治療効果『アゴメラチン』とは

 

うつ病発症のメカニズムと言えば、一般的には『モノアミン仮説(脳内セロトニンが不足することでうつ病が生じる)』に基いて考えられますが、近年この常識を覆す新たな作用機序による抗うつ剤が登場しました。

フランスの製薬会社セルヴィエ社が開発した『スタブロン』と『アゴメラチン』は、それぞれSSRE(選択的セロトニン再取込み促進剤)・NDDI(ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬)と呼ばれる抗うつ剤で、

その機序は従来のSSRIとは真逆で、セロトニンの再取り込みを促進し、シナプス間隙のセロトニンを低下させるというものや、抑制的なセロトニン受容体を阻害し、伝達を強めるという機序によるものです。

しかし、その効果はSSRIよりも優れ、副作用が無いことが報告されており、今後の結果次第では第一選択薬にもなる可能性を秘めているとも言われています。

 

セロトニンに関わる薬(抗うつ薬)

 

セロトニンは量が少なくなれば不安・うつなどを引き起こす脳内の神経伝達物質です。

 

4種類に分類される抗うつ剤

 

■三環系(トリプタノールなど)

 

あらゆる受容体に結合することから、効果は高いが副作用も強い。セロトニン・ノルアドレナリンの全体流通量を増やし、1A・2などの受容体へ直接働きかける(=1Aは「刺激」・2は「遮断」)。

また、わずかにイオン系神経伝達物質の調整作用や抗炎症効果など、副次的な作用もあると言われる(=「効果に奥行きがある」)。

三環系抗うつ剤の中でも『アンプリット』は、比較的効果が弱く穏やかな作用で、副作用も少ない薬と言われています。そのため、SSRI薬やいくつかの薬で効果が見られなかった際に処方されることが多く、また薬に脆弱性のある高齢者や広汎性発達障害の方にも処方しやすいとされています。 

 

■四環系(ルジオミールなど)

 

あやゆる受容体に結合することから、効果は高いが副作用も強い(ただ副作用は三環系よりは弱い)。ノルアドレナリンのみの流通量を増やすが、1A・2受容体へ働きかけるため、鎮静作用も高い(特にルジオミール)。

三環系と同じく「効果に奥行きがある」。

 

■SSRI(パキシルなど)

 

セロトニン流通量を増やし、間接的に1A・2などへの「刺激」作用を高める(「2刺激」による不安喚起は、服用後1週間に強く注意が必要)。また副次効果として神経新生作用があると言われる。

鎮静効果は三環系に匹敵するが、効果に「奥行きがない」と言われる。

 

■SNRI(サインバルタなど)

 

セロトニン・ノルアドレナリン流通量を増やし、間接的に1A・2などへの「刺激」作用を高める。賦活効果が高く、より「三環系」に近い。ただ「効果に奥行きがない」と言われる。

 

第四世代の抗うつ剤(SNRI薬)のひとつにサインバルタという薬があります。SNRI薬とは、セロトニン・ノルアドレナリン選択的再取り込み阻害作用のある薬を指し、古典的三環系抗うつ剤の副作用を弱めたものと形容されます。

またサインバルタのセロトニン作用性は強力で強迫性障害などに適応がありますが、ノルアドレナリンも関与するため、SSRI薬ではしばしば問題となる『セロトニン過剰(過鎮静)』を緩和し活動性を上げる効果があります。

しかし、一方で薬に弱い高齢者や広汎性発達障害などには攻撃性を高めてしまう可能性があることから、『脱カプセル』によって少量使用することも勧められています。

 

海外評価1位の新型抗うつ剤「リフレックス」

 

リフレックスは、2009年に明治製菓とシェリング・プラウ社の共同研究による発売された「Nassa(ナッサ)」という新しいタイプの抗うつ剤です。

 

Nassaは主に「ノルアドレナリン・セロトニン(・ドーパミン)」を増やすタイプの薬ですが、その作用機序は従来のSSRIやSNRI(セロトニンの吸収を抑えいつまでも留まらせる)と異なり、「セロトニンの分泌自体を増やす(シナプス前部にあるα2受容体を阻害することで、ノルアドレナリンとセロトニンの神経伝達を増強する)」というものです。

そのため、SSRIなどの別の作用機序を持った抗うつ剤との併用療法を行うことができるとされています。

 

基本的な特徴 

・抗うつ効果が強い(ただ、精神科医の先生による実際の使用感は、温和でサインバルタよりも弱い作用と言われる)

・即効性がある(数日~1週間程度で効果)

・不眠症に有効(眠気が非常に強い)

・従来の抗うつ剤に見られる副作用が少ない(口渇・便秘・性機能障害・吐き気など)

・食欲増進(体重増加)の副作用がやや強い

 

アゴメラチンとは?

アゴメラチン(商品名:バルトキサンなど)は、2009年にヨーロッパで認可され発売された、NDDI(ノルアドレナリン・ドーパミン脱抑制薬)という、新しいメカニズムによる抗うつ剤です。

神経抑制性を持つ、一部のセロトニン受容体の機能を阻害することで、脳の神経系の機能を正常化するというコンセプトの薬で、SSRI薬のような副作用や離脱症状も生じず、効果も高いとされています。

また2つ目の作用としてメラトニン受容体を刺激し、睡眠障害を改善する働きがあります。現在、米国では安全性・効果について審査中ですが、日本においては発売の予定はなく、導入する際には個人輸入で入手することになります。

 

<作用機序>

1)メラトニンの受容体であるM1とM2を刺激する作用。

2)セロトニンの受容体であるHT2Bと2Cに拮抗する作用(脳の前頭葉に分布する抑制系の神経を阻害することによって、間接的に前頭葉における脳内伝達を強める)。

 

⇒セロトニン濃度を高めず、脳内伝達を強めるので、副作用が少ない。

 

臨床試験について

 

以下の臨床試験結果が報告されています。

 

◆アゴラメチンの臨床試験データの解析・安全性の検証(British Medical Journal誌)

 

【効果について】偽薬と比較すると、蓄積は従来の抗うつ剤に匹敵、効果はSSRIを含む抗うつ剤同等のものと判断された。

 

【安全性について】SSRIに多い吐き気や不眠などの副作用は少なく、体重増加や離脱症状も少なかった。

 

◆アゴメラチンとSSRI・SNRIの比較試験(第23回欧州神経精神薬理学学会(ECNP)会議:4つの国際的マルチセンターによる)

 

【試験内容】大うつ病性障害の患者を対象に、6~8週間643人にアゴメラチンを投与し、657人にSSRI(ジェイゾロフト50-100mg・レクサプロ10-20mg)/SNRI(エフェクサー75-150mg)を投与し比較する。

 

【結果】HAM-D17(ハミルトンうつ病評価尺度)による評価では、アゴメラチン投与で1.37ポイントの有意な改善、50%以上のスコア低下改善を示した患者数もSSRI/SNRIより多かった。72%の患者に反応性が見られた。

 

⇒SSRI/SNRIでは65%の患者に反応性が見られた。

 

(※HAM-D17:ハミルトンうつ病評価尺度・・・各項目3~5段階のうつ病評価尺度)

 

(参考ウェブページ:六号通り診療所所長のブログ、品川心療内科-Sonalion)

 

(photoby:pixabay

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-03-13掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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