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『ラミクタール』の副作用の皮膚湿疹には注意を!スティーブンス・ジョンソン症候群とは

近年、うつ病と診断されている人でも、経過を見てみれば『双極性障害』と診断される例が非常に多くなっていると言われています。

 

実際は双極性障害であるのに対し、単極性うつ病と診断される理由として、過去に軽躁状態が持続しているときに適切な治療を行わず、うつの割合が大きなものとして転じてしまったことが挙げられています。

 

そして、近年、双極性障害の治療薬として抗てんかん薬の『ラミクタール』が承認され、多くの症例で使用されるようになりました。しかし、発売前の臨床試験では1,000人に4人の割合で、重篤な皮膚湿疹(中毒疹)である『スティーブンス・ジョンソン症候群』が生じたとして、非常に問題になっています。

 

薬効としては、認知機能を落とさずに躁極性障害に伴ううつ症状の治療に良い成績が出ており、中にはその劇的な効果から多少の湿疹が出ていても中止できなかったと継続使用し続ける患者さんの例もみられるようです。

 

しかし、スティーブンス・ジョンソン症候群によるアレルギー反応は致死的なものであり、投与には非常に注意が必要です。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

  

ラミクタールとは?

ラミクタール(一般名ラモトリギン)とは、抗てんかん剤の一種であり、脳の興奮を起こす神経伝達物質のグルタミン酸を抑えることで、痙攣を鎮静させるという薬です。近年では双極性障害への適応もあります。

 

この薬の特色としては、『鎮静作用がありながら、認知機能を落とさず、感情を抑え付けられるような不快感のない』点であり、非常に優れた効果を持つ薬であると述べられています。

 

唯一の欠点は、スティーブンス・ジョンソン症候群という、重症の薬疹の原因となることが問題となっています。

 

<スティーブンス・ジョンソン症候群とは?>

 スティーブンス・ジョンソン症候群とは、自己免疫疾患の一種であり、発熱を伴う口や目や陰部などの粘膜移行部に、出血や水泡などを伴う重症の湿疹が現れるというものです。時に命に係わることや、視力低下や失明などの後遺症を残す、重篤な薬疹です。

 

この重症型をTEN(中毒表皮壊死症)と呼び、全身の広い範囲に水泡と表皮剥離が起こり、現在でも致死率の高い、最重症度の薬疹です。

 

【スティーブンス・ジョンソン症候群を発症する可能性がある薬】

抗痙攣剤のカルバマゼピン(商品名:テグレトールなど)、尿酸降下剤のアロプリノール(商品名:ザイロリックなど)、ラモトリギン(商品名:ラミクタール)です。

 

【ラクタミールでの発症頻度】

発売後半年で国内で10例(報告された事例のみの集計であり、全てではない)。

 

⇒重症薬疹の頻度としては、非常に高率と言われ、推定の処方数が13000人余であるので、確率としては1000人に1人の割合で発症。(添付文書上の頻度は1000人に4例とされている。)

 

スティーブンス・ジョンソン症候群を防ぐためにはどうすれば良い?

上記のように、スティーブンス・ジョンソン症候群が生じる可能性は特定の薬剤に限られています。ある医師によると、「特定の遺伝子のタイプとの関連性が指摘されているため、そのお薬を使用する患者さんの体質が、その発症に大きく関与している。

 

つまり、医療者と患者さんの双方が、充分な知識を持ち、慎重な薬の使用を心掛ければ、重症薬疹の頻度はかなり減らすことが可能である」と述べています。

 

具体的には、

◆重症薬疹の頻度の高い薬については、不要不急の投薬は避ける。

◆家族内に自己免疫疾患やアレルギー疾患を持っている人がいる場合、出来る限り避ける。

◆使用前に血液リンパ球反応テスト・パッチテストなどの検査を受ける。

◆少量から開始する(製薬会社の見解)。

 

⇒少量から開始する方法に関しては、問題が生じたときに早期に中止できるのが目的であり、副作用が起こりにくくなるという意味ではない、とされています。

 

万が一、スティーブンス・ジョンソン症候群が生じた場合、ステロイド薬の大量投与が行われ、反応の鎮静化の措置が取られますが、非常に強い反応を起こす遺伝子のタイプを持っていた場合、それでも致死的な症状・後遺症を残す恐れがあるといわれています。

 

いずれにしても、医師との十分な話し合いが必要になります。(参考ウェブページ:六号通り診療所所長のブログ、kyupinの日記(精神科医のブログ))

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-02掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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