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『静脈塞栓症』の副作用がある?!抗血栓剤ワルファリンについて

近年、米医学専門誌のBMJ Case Rep誌に掲載された内容で『抗凝固剤のワルファリンの使用で、足の塞栓症の副作用』が生じたという報告がありました。ワルファリンは、ビタミンK阻害型の抗凝固剤であり、その際には同時に『プロテインCとS』という血液中で抗凝固作用を持つタンパク質(ビタミンK由来の成分)をも阻害してしまいます。通常使用ではプロテインC活性が残っていることにより問題はありませんが、遺伝的にプロテインCが欠乏傾向にある場合は特に、血栓が生じやすくなり、今回の足塞栓症に繋がることが懸念されています。では、この場合どのように対処すれば良いのでしょうか?以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

ワルファリンと新規抗血栓薬との違いとは?

2010年ごろまで、抗凝固剤の種類はワルファリンのみでしたが、2011~2012年には約50年ぶりに抗凝固剤の新薬『プラザキサ』や『イグザレルト』など、次世代型が新たに加わったことで、疾患に併せた選択の幅は広がりました。

従来から、ワルファリンの欠点は、ビタミンK阻害型の抗凝固剤であるために、ビタミンKを多く含む食品(納豆など)との食べ合わせは効果を減弱させるため、併用は厳禁であり、また急な使用中止では血栓症のリスクが数十倍に上昇する(肺塞栓症などの危険性)という欠点がありました。その点、次世代の抗凝固剤は食べ併せや使用中止による血栓症には問題なく扱えるという利点がありましたが、唯一これらの薬にも注意すべき点(代謝が主に『腎排泄』による)があり、腎機能が低下した患者への投与は禁忌となっています。

 

それゆえ、腎機能低下の患者ではワルファリンのみしか使用できないという事情があったので、今回報告された足塞栓症の副作用は深刻なものとして受け止められています。

 

ワルファリン服作用に関する、症例報告について

BMJでは以下の症例が報告されています。

 

【病態】

82歳の男性患者さんで、高血圧や痛風の持病があり、新たに心房細動(不整脈)が生じた。

 

【処置法】

ワルファリン10mgを投与開始した。

 

【投与後】

投与開始前には特に足病変は見られなかったが、開始後2週間で、足の痛みと皮膚の変色を訴えた(Purple toe:足の色が全体に赤黒く変色し、その中により色の濃い紫色のシミのような部分が複数認められた)。

 

【経過】

担当医はワルファリンによるコレステロール塞栓症を疑い、ワルファリンをⅩa因子阻害剤である、アピキサバン(エリキュース)に切り替えたところ、症状は速やかに改善し、足の変色も徐々に元に戻った。

 

最後に 

上記のように、現在はワルファリンに代わる薬があるため、変薬はできますが、ただ、腎機能障害がある患者さんではその他の『プロスタグランジンE1』のような、血管拡張薬などへの変薬が薦められる可能性があるようです。

 

(参考ウェブページ:六号通り診療所所長のブログ)

 

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-02掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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